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配った現金は26億円超…前澤友作が明かす「どんなに批判されても“お金配り”をやめない理由」 僕の「お金の哲学」を語ろう #1 - 前澤 友作

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「文藝春秋」2月号より「前澤友作――僕の『お金の哲学』を語ろう」を特別に全文公開します。(全2回の1回目/後編に続く

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 2019年9月12日、前澤友作氏はファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOの保有株式の大半をソフトバンクグループ傘下のヤフーに売却する意向を表明。同時に代表取締役社長を退任することを発表した。この売却などによって前澤氏が手にする売却益は2000億円超と見られている。

 証券や不動産を含めることなく2000億円を超える現金をもち、それを自由に使える個人は日本に前澤氏以外に見当たらず、ある意味、日本一のお金持ちともいえる。そんな前澤氏は「お金」という存在をどのように考えているのか。

前澤友作氏

◆ ◆ ◆

13の事業を始動した理由とは?

 僕は、今、手元にあるお金をすべて使い切ることに全く躊躇はありません。2018年に月の周回旅行に行くことを発表しましたが、宇宙に行くといっても、すべてのお金を一人じゃとても使いきれない。そこで「事業家の皆さん、出資しますので一緒にやりましょう」という想いで、昨年、出資先を探すために「10人の起業家」という企画を打ち出しました。

そこでご縁のあった企業に加え、自社で事業も立ち上げ、年始に発表させていただいた通り、13の事業を始動しました。僕にとって「第2の創業」となります。

 ZOZOの退任会見でもお話ししましたが、1998年の創業から会社の代表として好きなことだけに集中し、本当に夢のような時間でした。退任会見で「新しいチャレンジをします」と宣言してから時間がかかってしまいましたが、実業家として再スタートを切ります。手掛ける13の事業は次のようなものです。

(1)フィンテック事業

(2)ひとり親の養育費保証事業

(3)ペットを幸せにする事業

(4)サバの養殖事業

(5)釣りSNS事業

(6)自宅で健康チェック事業

(7)医療介護マッチング事業

(8)プライベートジェット事業

(9)海中旅行事業

(10)有名人にあなた向けの動画を注文できる事業

(11)子供の才能を伸ばす事業

(12)大学生向け履修管理アプリ事業

(13)政治家の選挙活動支援事業

 総額約100億円の出資ですが、全社で上場を目指します。たとえば(2)のひとり親支援事業は、元パートナーからの養育費の支払いを保証するための企業を設立しました。

日本では離婚による母子家庭のうち養育費を受け取れていない方が75%を占めるなど、養育費は大きな社会問題となっている。新会社ではひとり親に対し、養育費を安定的に受け取れるように、法律の専門家と協力してサポートします。

 社会問題を解決しようとする事業もあれば、(5)や(8)(9)(10)など世の中を楽しくできる事業もある。こうした事業では、好きなことを追求すれば仕事に繋がり、それが労働生産性を上げる最適解だということを証明したいと思っています。

 出資の仕方も事業によってさまざまです。僕が100%株主を務める事業もありますが、そうでないのもある。ただ共通するのは、単に投資家として出資するのではなく、創業した経営者と一緒に事業規模を大きくするため、経営方針にまで深くコミットするつもりです。

「お金」について考えてきた

 なかでも特に思い入れがあるのがフィンテック事業です。これまでとは違った新しいお金の流れをつくるための電子決済事業を作りたい。この事業を通じて、お金で苦しむ人を一人でも減らし、世間の方々がお金の価値観を見直すきっかけにしたいと思っています。

 お金とは何か——。これは僕が人生をかけて取り組んでいるテーマと言っていい。そもそもお金って何のために存在しているのか。

 学生時代から僕はお金について考えてきましたし、ZOZOを立ち上げてからも、株式上場時など、折に触れて悩みに悩み抜いてきました。

 お金について単なる社会的価値を数字で示す道具として考えている人が多いのですが、僕はお金を、「ありがとう」という感謝の念を伝える際に使うものだと捉えています。

たとえば何か素敵な品物を購入したとき、生産者、店員の方々はもちろん、運送・運搬してくれる人に「ありがとう」と謝意が生まれる。その謝意を金額が表しており、金額の多い少ないは「ありがとう」の総量の違いだと思っています。

 しかしお金の概念を誤解し、「お金を持っているんだから何でも買える、何でも買わせろ」と、お金を持っている人間は偉いと思っている人も少なくない。その価値観こそ僕が変えたいものなのです。

 ここ最近、僕は「お金配りおじさん」と自ら称し、ツイッターを駆使して自分のお金を配ってきました。

19年1月、お年玉で100万円を100人に配った(計1億円)のを皮切りに、20年のお年玉では100万円を1000人に配ったり(計10億円)、ひとり親や夫婦を対象にした基金を立ち上げたりしました。20年の7月からは毎日10万円を10人に配り続け、これまで配ったのは総額26億3400万円となります(12月16日現在)。

 この「お金配り」には本当に様々な意見が寄せられます。「下品だ」というお叱りの声、また「経済的に困っているから」と参加する人。そして「なんとなく面白そう」「新しい寄付の形」ととらえる人もいれば、「バカが応募している」などと参加者まで叩く容赦ない声まであります。

 どうして批判を受けてまでお金を配るのかと聞かれることもあります。最大の理由は、僕がいま手にしているお金は自分一人で稼いだものではないからです。いろんな方々に協力していただき、たまたま今、僕が持っているだけ。そんな思いが強い。

だから社会にどんどん還元し、恩返ししないとダメだと思うんです。その手段のひとつが「お金配り」です。多くの人が事業や勉強、生活など、新しいことを始めるきっかけになればいいと思っています。

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