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ドイツ証券のリストラから考える日本の証券業務

ドイツ証券が日本株の大規模なリストラを行ったようですね。 ブルムバーグのニュースとこのブログのコメントにあった以上の情報は持ち合わせていませんが、多分、業界関係者は誰も驚かないと思いますね。 ドイツ証券は、グループで1900人以上の人員削減を計画していたようで、その一環ということですね。

通常、グローバルな投資銀行でリストラする場合、一律に人員を削減する場合と利益率の低い部門を選んで閉鎖したり、大きくリストラするパターンがあります。 2008年の時は、まだ、人員がだぶついており、バブルの直後でしたから、 「はい、君のチームで何人ね」という感じで、一律10%カットとか、そんな感じでした。

もちろん、右隣の儲けているチームは5%のカットであったり、左隣の儲けの悪いチームは20%カットなんて差はつきましたが、基本はほぼ同率カット、簡単に言えば、輪切りだったのです。

その後、一時的に、2009年など業績が持ち直しましたが、その後は、再度、低迷しています。 加えて、米国では、ボルガールールによる自己取引の禁止については、不確実性がありますし、トレーディングによる利益は、減少傾向にあります。

簡単に言えば、これといった儲ける術がないということでしょうか。 したがって、基本的には、格付けの良い銀行は、資金調達コストが低い分だけ、利益が大きくなっているのが分かります。 ですから、格付け格差が、収益格差と言っても良いかもしれませんね。

加えて、欧州の銀行は、今でも、デ・レバレッジ(資産の縮小)を行っており、儲からない業務については、見直しが入ってもおかしくないのです。

そんな中、ユーロの雄、ドイツ銀行ですら、リストラをせざるを得ない、しかも、今回は、輪切りでなく(一律でなく)、業務ごとに、必要な業務かどうかの取捨選択を行っているのです。 つまり、会社に余裕がないのですね~。

彼らなりの判断で、日本株の業務は、大幅縮小しても良いということなのでしょう。 多分、過去3年とか5年の統計をとって、最も利益率の悪い業務をリストラ対象にしているのだと思われます。

理由は良く分かりませんが、外資系って、データ重視というか、定量的判断を好むというか… まあ、いろんな意味で、説明(言い訳)しやすいのかもしれませんが。 たまに、強権発動なんてこともありますが、基本、縮小する時は、定量判断が多いですね(私の経験です)。 ですから、今後の日本株のビジネスについて、どうなるとか、あまり深くは考えていないでしょうね(ちょっとは考察しているでしょうが)。

今回は、ドイツ証券が話題になっていますが、もちろん、ニュースになっていないだけで、他の外資系証券でも、昨年あたりから、リストラを行っているようですね。

特に、株式関係の業務ですね。 さらに、事務系の仕事もリストラがお盛んなようですね。 オペレーションと言われる証券業務関係のバックオフィスも、できるだけ、コスト(人件費)の安い地域(インドや中国など)に移管できるものは移管しています。 その辺は、外資系らしく超ドライですね。

つまり、日本での証券業務が儲からないのであって、日本での証券業務ということで言えば、外資系だけでなく、日系証券を含めて厳しいのですね。 証券業協会が発表している2008年以降の日本にある証券会社の登録外務員数(営業やトレーディングのできる資格のある人)の推移は下記のようになります。

年月

登録外務員数

2008. 6

84,316

2008.12

81,198

2009. 6

79,457

2009.12

77,265

2010. 6

78,056

2010.12

75,913

2011. 6

76,776

2011.12

73,410

2012. 6

71,998


金融危機以降で、約13,000人、約15%も減ってしまいました。 多くは、外資系証券なのでしょうね・・・

こんな状況ですから、ドイツ証券のリストラなんて、「やはりね」って感じのはずです。 外資系の会社が、「日本は魅力的だな=もうかるな~」と思う状況こそ、日本の景気が良いときなのでしょうね。 そんな状況って、来るのかな~? 例えば、法人税の引き下げなんていうのも、手法の一つだと思うのですけど、そんな選挙公約は、どの党からも、聞かないですよね~~~。

長期的な視点から行けば、今は、景気が悪い=耐えに耐えた外資系証券が業務縮小=損切り=ボトムかも、という考えも出てくるのでしょうね。 もちろん、まだ、ボトムは先ということも、十分、考えられますが…

まあ、いったい、何人まで、証券人口が減るのかな~って感じですね。 そうそう、IT化の進展で、人手が不要というケースも多いですよね。 日本国債だけは、まだまだ、増えそうですからね、そちらのビジネスは、相対的には活況かもしれません。 一方で、成長率が低いままですと、株式業務なんて、浮揚するのが、難しそうですね。

ますます、証券人口が減りそう・・・

ちなみに、2003年12月が、67,000人がボトムで、その前は1998年12月と1999年6月(この時は山一證券の廃業の影響でしょうね)が62,000人でボトムでしたね。 ボトムも近いかな(希望も込めて)!

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