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芦部教授の生命・自由・および幸福追求権の判例(最大昭和44年・12・24)への解説。自民党の18条改正条文、身体拘束からの自由を明記してますご心配なく!

芦部教授は、私が東大法学部を在学中の法学部長で、私が3年で外交官試験の2次にうかったときに、「3年で中退外交官にならずに、4年で国公を受けて、大蔵省に行きなさい!」と薦めてくださった恩義のあるかたです。

 「生命、自由および幸福追求の権利」について、講義録等から、次の判例解説をみつけましたので、ご参考まで。

裁判所判決「個人の自由も無制限に保障されるものではなく、、憲法13条の規定から明らかなように、公共の福祉によって相当の制限を受ける。その制度の認められる限度は~略~現に犯罪が行われ。~略~証拠保全の必要性、緊急性があり、かつその撮影が一般に許容される限度を超えない相当な方法をもっておこなわれるときには、撮影される本人の同意がなく、また礼状がなくても警察官による個人の撮影は許されるほか、犯人の身辺や近くにいたためにこれを除外できない第三者の容貌姿態を含むことになっても、憲法13条、35条に違反しない」

 これについての芦部教授の解説「この見解は、一般的には肯定されよう。相当な制限、相当な方法、は抽象的であり、問題を残している。」

 「公共の福祉」については、何がこれに該当するかが抽象的すぎるので、何が人権侵害となり、何がならないのかもう少し、判断しやすい文言であれば、ということはたしかにおっしゃっていました。
 宮沢俊義先生のお弟子さんですから、リベラルとか護憲派、と分類されがちですが、国家やガバナンスについては、それが機能することがいかに重要か、という意識が常におありになる、という印象を私はうけていました。
また、改憲についても、戦後憲法が起草された状況は、国家として特殊な状況であり、現行憲法も、いつかは時代に合致したものに、改正されるんでしょうね、ともおっしゃっていました。

また、自民党の憲法改正案の18条ですが、
 現行18条「何人もいかなる奴隷的な拘束も受けない。犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」
 よりも、弱まったということは、決してなく、むしろ、どういう拘束が今の時代ありうるのかと考えたうえ、次のように明確化しております。

 改正案「18条(身体の拘束及び苦役からの自由)
  1、何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的または経済的関係において、身体を拘束されない
  2、何人も、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させなれない。

 この方が、借金のかたに無理やり身柄を取られて拘束される場合に、それが「奴隷的かどうか」などという抽象的基準で悩む必要がない、使える条文であると思いますが。しかも、意に反しても反してなくても、身体の拘束はすべてだめ、といっているわけで、むしろ強まったとも言えます。

 また、一時期、これが徴兵制とのからみ、と誤解されていましたが、ネットの論者も「それとは別。現行条文でも法律できめれば、徴兵することがただちに違憲ではないというのが通説」と認めています。

 だいたい、9条2項が現状なれば、「兵」自体が存在しないことになっていますから、徴兵はありません。
 安全保障論としても、今の部隊で志願兵でない、徴兵の方々をどうやって組みこんでいくのでしょうか?
 石破幹事長などは、前から否定的ですし、党内でもまじめに議論されたことすら、ないと思います。

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