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北朝鮮ロケット発射に備えたイージスBMDとPAC-3の展開

【関連記事】 北朝鮮:今年2度目のロケット発射へ

北朝鮮のロケットが何らかの不具合で日本領域へ落下する場合に備え、自衛隊が準備を始めています。

日本のミサイル防衛において、迎撃の要となるのは、海上自衛隊のイージス艦搭載SM-3と航空自衛隊のPAC-3です。この2つの迎撃プラットフォームの配備態勢が少しずつ伝えられていますので、現時点での概要を作図してみました。新たな情報が入れば更新するつもりです。

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海自のイージス艦「こんごう」、「みょうこう」、「ちょうかい」のうち1隻が日本海へ、2隻が東シナ海へ展開する予定です。「きりしま」は今回は出動しません。SM-3非搭載のイージス艦「あたご」も前進配備はされませんが、佐世保で備えています。「あしがら」ははっきりしませんが、佐世保…でしょうか?

米韓軍のイージス艦も展開を始めています。米軍は「シャイロー」、「フィッツジェラルド」、「ベンフォールド」をロケットの監視・追跡のために展開させ、さらにもう1隻増える見込みです(参照1参照2)。韓国も保有する2隻のイージス艦をすべて展開。なお、韓国のイージス艦は2隻ともSM-3非搭載ですので、弾道ミサイル迎撃能力はありません。

空自のPAC-3ですが、ロケットの予定飛翔コースに近い先島諸島の石垣島と宮古島、沖縄本島に配備されます。そして、万が一に備え、東京の拠点防空のために市ケ谷駐屯地などへもPAC-3が配備されます。

仮に飛翔コース上にある先島諸島、例えば石垣島へ何らかの理由で落下するとなると、東倉里から石垣島までの距離は約1,700kmなので、速度はMRBM級の秒速3.4km(マッハ10)以下ということになります。発射時刻や場所も分かっている1発のMRBM相手ですから、PAC-3で十分迎撃できます。

下図は、石垣島と宮古島に配備されるPAC-3の迎撃範囲を示したものです。
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◇ ◇ ◇


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北朝鮮ロケットを万が一迎撃しなければならない事態はもちろんですが、予定通り上空を通過する場合でも監視・追跡プラットフォームは不可欠です。

発射自体は米軍の早期警戒衛星が最も早く探知することになるでしょうが、その飛翔経路には日米韓の監視・追跡態勢が敷かれています。3か国のイージス艦に搭載されたAN/SPY-1レーダーをはじめ、米軍の海上配備型Xバンドレーダー(SBX-1)もハワイから西太平洋へ移動した模様です。

8月に韓国が導入したイスラエル製「スーパー・グリーンパイン・レーダー」(探知距離:800km)も今回初めて運用されます。このレーダーが収集した情報は日米と共有されるのでしょうか?

◇ ◇ ◇

いずれにしても、予定通りのコースを飛翔して上空を通過するのであれば、わざわざロケットを破壊する必要はありません。そのデータをイージス艦等で集めるだけのことです。

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