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アングル:バイデン政権に最初の正念場、避けて通れぬ議会調整


[ワシントン 21日 ロイター] - バイデン米大統領は就任から1カ月で、2009年の金融危機時を上回る規模の経済対策を確保する上での節目の段階までこぎ着けた。気候変動から渡航制限に至るさまざまなトランプ前大統領の政策も撤回し、新型コロナウイルスワクチンの日々の配布も進んでいる。

ただこれらの分野は比較的楽な仕事だったのかもしれない。ホワイトハウスの全般的な戦略、つまり不毛な政治対立を避けて大多数の有権者にアピールできる政策を重視し、共和党の攻撃をほぼ無視するというやり方は、今後数カ月で次第に難しさを増すだろうというのが与野党関係者の一致した見立てだ。

ハリー・リード元民主党上院院内総務の最側近の1人だったジム・マンリー氏は「バイデン政権のすぐ目の前にはいくつかの問題が横たわっている」と語る。

バイデン氏はこれまで多くの改革措置について、大統領令で乗り切ってきた。しかしここからは、与党・民主党内でも意見が分かれる学生債務免除や増税、エネルギー産業への規制といった分野で、法案を推進していくことによる「地雷」が待ち受ける。

さらにここ30年にわたる米国政治を規定してきたような抜き差しならない対立、例えば誰が米国民となり得るか、投票はどこまでしやすくあるべきか、政府が医療費を支払うべきか否か、誰が銃を所持すべきかといった問題は残ったままだ。

中国に対する通商政策からハイテク業界の監督に至る多くの厄介な懸案はまだホワイトハウスで基本方針を検討している段階にある。

<民主党内の亀裂>

民主党は、野党・共和党の支持を得る、得ないにかかわらず、失業保険の上乗せ給付措置が失効する3月半ばまでに追加経済対策法案を可決させる努力を続けている。

同法案は、いわゆる「予算調整措置」の一部となるため単純過半数の賛成で成立するが、民主党の全議員がホワイトハウスと足並みをそろえる必要は出てくる。こうした中で法案に連邦レベルの最低時給を15ドルに引き上げる条項を含められるかどうか疑念が広がりつつあり、こうした疑念は民主党左派をひどく失望させるだろう。

マンリー氏は「今までこれほど左派が自制心を保ってきたことに驚いている。それがいつまで続くかは分からない。幾つかの亀裂が生じつつあるのは見て取れる」と述べた。

そうした亀裂が顔をのぞかせたのが、ウォーレン上院議員とオカシオコルテス下院議員の左派2人がバイデン氏を批判した場面だ。バイデン氏が16日のCNNのイベントで、学生ローン5万ドルの免除を求める民主党の一部メンバーに不同意を表明したことがきっかけだった。

またホワイトハウスの意向を受けて民主党が18日に下院に提出した移民関連法案は、上院で可決されそうにない。上院の民主党ナンバー2のダービン議員などが、幼少時に親などにつれられて不法入国した人を重視することに消極的な姿勢を見せている。

一方、共和党ストラテジストのポール・シューメーカー氏は、バイデン氏が税制や財政支出で踏み込み過ぎれば、ポスト・トランプ時代の態勢構築を進めている共和党を反対姿勢で結束させる可能性があり、逆に財政政策が物足りなければ民主党の支持層の一部を落胆させるとのジレンマを指摘する。

シューメーカー氏は「バイデン氏はハネムーン(蜜月)期間を存分に享受しているが、蜜月には終わりが来ると誰もが知っている」と述べた。

<超党派支持獲得のもくろみ>

複数のホワイトハウス幹部は、今後打ち出す政策は超党派の有権者の支持を得られる内容なので、共和党も有権者を失うのが嫌なら最終的に賛成するしかなくなると言い切る。

ホワイトハウスのベディングフィールド広報部長は「バイデン氏は最後まで反対する共和党員までも1人1人説得することに専念するかと言えば、当然ながらノーとなる。彼は与野党双方の支持者に幅広く語りかけ、そうした人々のニーズにかなう計画を前に進めようとするかと問われれば、絶対にイエスだ」と説明した。

とはいえ世論調査を見ると、バイデン氏が共和党支持者を取り込むのは難しいことが分かる。今月半ばに実施したロイター/イプソスの調査では、バイデン氏の仕事を評価すると答えた有権者は全体の約56%だったが、共和党員に限れば20%にとどまるからだ。

バイデン政権が超党派の賛成を期待しているのは、まだ策定作業が始まったばかりのインフラ整備計画。全体の規模は、政権が最初に提案した1兆9000億ドルの経済対策を超えるとみられている。

インフラ整備計画が財政赤字を膨らませ、何らかの増税を必要とするのはほぼ間違いないという点で、反対論が出てくるだろう。関係者によると、気候変動対策や場合によってはバイデン氏の大学向け補助金提案まで盛り込まれる可能性もある。

そうしたさまざまな項目をまとめ上げて1つの法案とする仕事は、事務方の上級幹部が勢ぞろいしなければ困難に直面する。だがバイデン氏がニーラ・タンデン氏を行政予算管理局長に指名した人事は、上院で民主党のマンシン議員が同意していない。マンシン氏は、追加経済対策法案に最低時給引き上げを盛り込むことにも反対している人物だ。

(Trevor Hunnicutt記者)

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