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イジメられたほうの気持ちもわかってほしい-シン・カクス駐日韓国大使会見

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竹島の領有権問題が続く中、韓国のシン・カクス駐日大使は東京・有楽町の外国人特派員協会にて記者会見を開き、日韓両国間の協力や友好について語った。

シン大使は80年代、一等書記官として日本に赴任したことがあり、2011年6月から駐日韓国大使として赴任している。日本語も堪能で自身のツイッターアカウント@ksskoreaでは日本語でもつぶやいている。この日司会を務めたヘラルド・サン紙のピーター・ライアン記者は「シン大使がサムスン・ギャラクシーを使っていることを確認した」と明かし、会場は笑いに包まれた。

シン大使は、日韓交流が急激に拡大していると評価する一方、協力関係を深めるためには、日本側における歴史問題への早期解決を促した。 (会見は英語で行われたため、表現にニュアンスの違いがあります。意訳 金成河・撮影 田野幸伸 10月25日取材)

記者:なぜ日本でK-Popが売れていると思いますか。

シン・カクス駐日大使(以下シン大使):K-Popの人気の理由には、韓国のみではなく、欧米の曲調やメイクなどを受け入れ、グローバル化した点と、中高生の時に選ばれ、他国とは比べられない練習量にある。日本の場合は、韓国のスターを呼ぶほうが日本のスターより安く済むという経済的な側面も一部あると思う。

記者:第二次世界大戦中の出来事について、日本が数回謝罪しているが、アジア諸国に受け入れられていない側面がある。韓国はどういった形の謝罪が必要だと思っているか。

シン大使:近年、首相や天皇から日本の謝罪が数回あったことは事実だ。だが、未だ多くの政治家がこうした公式見解を否定している。韓国が日本政府や政治家らに求めているのは、こうした公式見解を歪曲せずに受け入れること。これはアジア人の気持ちにとってはとても重要だ。また、一部の韓国人は日本の謝罪が、少なすぎるか、遅すぎるか、長すぎるとも、言うが、私は2年前の、菅直人元首相の声明は評価すべきであると思っている。こうした言葉が歪曲されず、多くの日本人学生にも教えられるべきだと思っている。歴史は未来への鏡だから、歴史を知るだけでも意味がある。

記者:他にも韓国人が謝罪を求めている点は?

シン大使:従軍慰安婦問題などがまだあるが、両国がともに解決していけると思っている。以前サハリン州に残された韓国系住民の問題では、彼らの帰国に関して日韓で協力できた。こうして戦時中動員された人々は、太平洋の島にもまだ残っている。

記者:戦時中動員された韓国人への補償としては金銭的なものであるべきか。

シン大使:それに関するいくつかの裁判が現在、日本だけではなく、韓国でも進行中である。また戦時中動員されていた中国人が金銭的補償を受けていることは聞いている。

韓国内の日本企業へ裁判を起こしていて、我々は、今法廷の結果を待っている。サンフランシスコ条約や日韓国交正常化との絡みで請求権の実効性に関する解釈の問題がある。また日本企業と動員被害者の間に交渉も行われているだろうと思っている。この問題に関して私として言えるのはここまでだ。

記者:締結する予定だった日に決裂した日韓秘密情報保護協定について、その理由について詳しく教えてほしい。

シン大使:日韓秘密情報保護協定は、6月29日に締結する予定だった。残念ながらスケジュール通りに進めることができなかった。当時韓国の野党からの反対があり、韓国の一部ではこの協定が「事実上同盟につながる」という認識を持っているが、我々はそう思っていない。この協定は両国間での軍事情報のやりとりに関する非常に専門的なもので、それぞれの政府はどの情報を共有するか、しないかを判断する権利を持つ。私がみるには国内での手続きが足りなかったと思っている。また、もうひとつの理由としては、韓国の世論が従軍慰安婦問題に関する日本政府の扱いに怒っていたからでもある。

記者:韓国大統領が天皇の訪韓を歓迎しないとの発言が報じられたが、その意見を教えていただきたい。

シン大使:李明博大統領の天皇発言は、大統領がいじめなど、校内暴力に関する教師たちのワークショップに参加した時のもので、発言自体に外交的な意味はなかった。その場である教師が、彼の独島訪問について質問する場面があり、それに答える中で「もし、天皇が韓国を訪問すれば、なんらかの(過去史に関する)謝罪もあるだろう」と述べたもので、そもそも天皇の訪韓は韓国政府が招待している状態なので、天皇の訪韓の是非を指す発言ではなかった。天皇の訪韓を決めるのは日本側で、発言が一部だけが伝わって日本で誤解されている。李大統領は既に麻生元総理がソウルを訪問した際、正式に説明している。その発言が意図的なものではなく、日本のニュース・メディアが誤った解釈を報じているのだ。

記者:米国とのFTAで韓国は何を得たか。

シン大使:FTAの基本は、「両国の利益バランス」にある。どちらか片方に有利になっていれば、締結を見出すことはできない。韓国政府は、韓国経済が輸入に頼っているという強い信念のもとでFTAを進めた。FTAは韓国企業が世界中で生き残る唯一の道を開くものであった。

TPPに関しては、我々はTPP加盟国9ヵ国の内、オーストラリアとニュージランド以外の7ヵ国と既にFTAを結んでいる。そして、その2ヵ国とも現在FTAが交渉中である。その点で、我々はTPPが最終的に、どのような形で成立するかを考える時間があり、TPPに加入するか、もしくは我々が結んできた双方向のFTAを維持するかは後に決めるつもりだ。

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