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小沢一郎代表は、民主党大惨敗を見越して参議院制覇を目指している

◆総選挙投開票日まであと9日間となった。新聞各社が、「序盤戦」の「情勢調査」を報道している。「自民党復調」を見越して、焦点は、早くも総選挙後の「政権枠組み」に移っており、危機感を募らせている民主党・野田佳彦首相や日本維新の会の橋下徹代表代行は、「自民党批判」のボルテージを上げている。

 「自民、単独過半数の勢い」「衆院選序盤本社情勢調査 民社100議席割れも」「維新50前後が」(朝日新聞12月6日付け朝刊)、「自民 過半数超す勢い」「衆院選情勢 本社10万人調査」「民主、苦しい戦い」「維新、第3党うかがう」「政権批判 自民に追い風 各世代・地域に支持浸透」(読売新聞12月6日付け朝刊)などという見出しを見せつけられては、厚顔無恥な野田佳彦首相も、いつも強気の橋下徹代表代行も、さすがに心穏やかではいられないだろう。

◆マスメディアの大半は、気が早い。もはや「勝負あった」と判断して、総選挙後の政権枠組みについて、いろいろとシュミレーションを始めている。将棋で言えば、3手も4手も先を読んで、公器である新聞紙面を「博打」さながらに当てものに使っている。

2大政党が激突して政権を争い、「政権交代」しやすい小選挙区制度を導入した最大の功労者は、小沢一郎元代表だった。「55年体制」の下で、自民党が長期安定単独政権を38年間も続けて、日本政界が「ぬるま湯」に浸かったような状態にあったのを憂えて、政権後退可能な選挙制度を導入したのである。

自民党がダメなら、民主党へ、民主党がダメなら自民党へという政治システムが定着するのは、小沢一郎元代表が期待していたことであった。だから、いまは民主党が国民の信を失っているので、今度は自民党が政権を担当する番であるというのは、予定通りのことである。いわば、「振り子の揺り戻し」である。

そこで、ダメな民主党が、「草刈り場」となって、多数党が生まれ、食い荒らしていく現象が、現出している。このなかで離合集散を経て、自民党に太刀打ちできる大政党が、必然的に生まれてくる。現在は、その「生みの苦しみ」の最中にある。

◆自民党が復調してきているのは、総選挙の最大争点を「景気政策」に設定したからである。「失われた20年」の結果、いまだに日本の景気は、上向かず、経済財政は、低迷状態を続けている。このまま無策でいたら、「失われた30年」という最悪事態を招きかねない。

 しかも、「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズをかざした民主党が、「公共事業いじめ」を続けた結果、悲惨な事態まで起きてきている。その例が、「笹子トンネル事故、死者9人に 乗用車から3人の焼死体」(朝日デジタル)であった。「山梨県の中央道・笹子トンネルで天井板が崩落した事故で、県警は3日午前4時半、焼けた乗用車の中から3人の焼死体を確認したと発表した」と報じられた。これを受けて、自民党が立案した「国土強靱化基本法案」への国民の期待が、俄かに高まってきたのである。

◆総選挙後の「政権枠組み」は、まず、「衆参ねじれ解消」を目的に形成される。それは、以下のような枠組みが想定される。

○自民党・公明党連立(参議院は、84+19=103⇒過半数に19不足)

○自民党・公明党+日本維新の会連立(参議院は、84+19=103⇒過半数に19不足)

○自民党・公明党+日本維新の会+みんなの党連立(参議院は、84+19+8=111⇒過半数に11不足)

○自民党・公明党+日本維新の会+みんなの党+α連立⇒過半数122確保

このため、小沢一郎元代表は、すでに今回の総選挙を次期参院議員選挙と連動して戦略・戦術を組み立てている。民主党の輿石幹事長(参議院議員会長)も、総選挙で大惨敗した後の党立て直しを練っており、いまでも同志と思っている小沢一郎元代表と連携して、「参議院制覇」に行く。総選挙は、そのための前哨戦である。「参議院を制する者は、日本政治を支配する」という言葉が、いまでも生きていることを忘れてはならないのである。

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