2月22日は、「にゃんにゃんにゃん」という語呂合わせから、一般に「猫の日」といわれています。
また、ペットの予防医療の普及・啓発活動を展開する獣医師団体Team HOPE(チームホープ)は、同日を「猫の健康診断の日」と制定(日本記念日協会登録)。猫の定期的な健康診断の重要性を、WEBセミナーで呼びかけるなど啓発活動をおこなっています。
これまで、10月13日を「ペットの健康診断の日」と定めていましたが、今年から新たに「猫の健康診断の日」を設けた背景にはどのような問題意識があるのでしょうか。Team HOPEの代表であり、獣医師の太田亟慈先生は、猫の健診受診率が犬に比べ低いという課題を指摘しています。
猫は「痛い」「苦しい」など体の不調を言葉にできない

「猫の日」に猫の健康診断を呼びかけた背景には、猫と暮らす家族に病気の予防・早期発見の大切さを知ってもらう目的があります。
「具合が悪くなって動物病院に連れていった時には手遅れの状態であることが少なくありません。それを防ぐためには、病気になる前から健康診断を受けていただき、病気の早期発見・早期治療をすることが大切です」。
また、犬に比べ猫の健診受診率が低いとされるのには、猫は臆病な動物なので、家から連れ出しにくく動物病院に連れていきにくいと考えている家族が多いことが理由の一つのようです。
太田先生は「小さいころから病院に定期的に連れていくことで、少しずつ慣れさせていきましょう。本当に連れていけない場合でも、まずは尿を持っていくだけでも、高齢の猫に特に多い腎不全などの病気の兆候を見つけることができますので、かかりつけの動物病院に気軽に相談してください」として、通院する習慣をつけることが重要だとしています。
理想的な健康診断の頻度は年1~2回

人間のおよそ4倍のスピードで歳をとる猫。健康診断は半年に1回でも決して多くはないそうです。
Team HOPEでは、0歳から年に1回、7歳の中年期になったら年に2回の健康診断を理想的な受診頻度として定めています。
「猫は自分の体の不調を隠す習性があります。かなり具合が悪くなるまで、体調が悪いことに気づかないご家族さまも多くいらっしゃいます。また、猫は高齢になると高い確率で腎不全を発症しますので、早めに兆候を発見し治療することがとても重要です」。
また、猫と暮らす家族は、「猫は大切な家族の一員」という自覚と責任を持つことが求められます。
そんな家族に向けて、太田先生は「健康なうちから定期的に診ていくことで、病気の兆しを早く見つけることができ、早期治療も可能になります。私たち動物病院は、愛猫とご家族さまが最期まで安心して暮らせるよう、病気の治療だけでなく生活や食事面でもサポートをさせていただきます。何か困ったことがあればぜひ気軽にご相談ください」と呼びかけています。