- 2021年02月21日 16:19
なぜTikTokに音楽業界が集まるのか? TikTok発アーティストの「メジャー契約」が急増する理由
1/2ユニバーサルミュージックとTikTokは、UGC動画を生成する楽曲使用で、グローバル・ライセンス契約に合意したことを発表しました。
今回、ユニバーサルミュージックが交わした契約には、同社のレーベルと契約するアーティストの楽曲と、音楽出版のユニバーサルミュージック・パブリッシング・グループと契約する作曲・作詞家の楽曲が、全世界のTikTokでの利用対象に入ります。
日本を含むTikTokユーザーは、ユニバーサルミュージックとUMPGが持つ全カタログから、UGCコンテンツやカバー曲動画、オリジナル動画を作ることができるようになります。
またTikTokとの契約によって、ユニバーサルミュージックと契約するアーティストや作曲・作詞家が、より公平な報酬を得ることが可能になっていきます。
今回ユニバーサルミュージックとグローバル・ライセンス契約を結ぶ前、2020年にTikTokはソニーミュージックとワーナーミュージックとライセンス契約で合意してきました。
ワーナーミュージック、TikTokとライセンス契約で合意。音楽UGC需要と新人アーティスト発掘を後押し
TikTok上で利用できる楽曲にメジャーレコード会社3社の楽曲カタログが揃ったことは、今後のUGC生成や、新しいクリエイターの誕生に向けて、さらに拍車がかかるはずです。
またTikTokは、独立系音楽ディストリビューターのBelieveや、インディー音楽のライセンス団体Merlin、汎ヨーロッパ間の著作権ライセンス・サービスのICE、オランダの著作権徴収団体Buma/Stemraとも契約も実現してきました。
TikTok、インディーレーベルやDIYアーティストの楽曲配信でMerlinとライセンス契約
アーティストをTikTokから見つける時代
音楽ストリーミング成長期の音楽業界、特にレコード会社にとって、TikTokはもはや必要不可欠なプラットフォームであり、ストリーミングでの成功を目指す上で、日に日に重要性が増しているといっても過言ではありません。
この背景には、全世界のあらゆるジャンルのアーティストのTikTokユーザー化が進んだことに加えて、UGC動画やオリジナル動画を作るTikTokユーザーのアーティスト化という流れが世界的に増えていることが、大きな要因としてあげられます。
今回は、TikTok発アーティストの発掘という視点で、音楽業界の動きを考えてみます。
まず前提となる情報は、TikTokが発表した音楽の実績で詳しく説明されています。このまとめは詳細が見えてくるので、日本の方にもご覧頂くのをオススメします。
TikTokが公式に発表した、2020年の実績によれば、わずか12カ月で、TikTokからブレイクした結果、メジャーレコード会社とのレコード契約を実現したアーティストの数はなんと70組以上。毎月2組以上がメジャーと何かの契約を交わしたこととなります。
さらには、この70組以外も出版契約やパートナー契約を結ぶアーティストも生まれています。
TikTokによれば、アメリカでは2020年、動画視聴回数が10億回を越えたのは176曲にのぼります。また、15曲が米Billboardチャートで1位を獲得。90曲はチャート100位内にランクインしました。
TikTok発で最も成功したアーティストの一人は、2020年に、米Billboardシングルチャートで「Mood feat Iann Dior」が1位を記録し続けた2000年生まれの24KGoldnがいます。
24KGoldnは現在、インディーレーベル「RECORDS」(ソニー・ミュージックとプロデューサーのバリー・ワイスによるジョイント・ベンチャー・レーベル)と、ソニー・ミュージック傘下のコロムビアレコードと契約する、急上昇中のヒップホップアーティスト。
2019年リリースの「Valentino」を聴いてヒットを予感したRECORDSが、他のレーベルからのオファーの前に直様契約したという経歴があります。
結果として、24KGoldnとRECORDSは、「Valentino」でTikTok発のバイラルヒットを達成しただけでなく、SpotifyやApple Music、YouTubeなどからもサポートを得るほど、ストリーミング発のヒットを生み出すことに成功したのです。
TikTok発のアーティストとの契約で、特筆すべきスピード感で契約をまとめているメジャーレーベルは、ソニー・ミュージック・グループにあるコロムビア・レコードです(日本のソニー・ミュージックはこの動きとは関係ないが…)。
2020年でTikTokアーティストと契約した実績を見ても、コロムビア・レコードはTikTokを新人発掘のプラットフォームとして捉えていることが分かります。
2020年に、TikTokとYouTubeチャンネルでバイラルヒット化した「Death Bed (Coffee for Your Head)」をリリースしたカナダ人アーティストのPowfuもまた、同曲のストリーミングでの成功を受けて、コロムビアとRobots + Humansと正式にアーティスト契約を実現。米Billboardチャートで1位を獲得し、再生数は10億回を超えるほど伸び続けました。
2002年生まれのヒップホップアーティスト、StaySolidRockyもまた、10代からInstagramとSoundCloudとストリーミングで音楽を発信し続けてきた若者でしたが、後にバイラルヒットとなる「Party Girl」をリリースした直後、注目度があがる直前の彼を、XXXtentacionを発見したマネージャー・レーベルオーナー・A&Rのソロモン・ソバンデ(Solomon Sobande)が見つけ、コロムビ・アレコードとの契約を2020年に結ぶこととなります。



