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「Kの字」の傷 ~ 民主主義の機能不全によるものか、資本主義が機能した結果か

「世界を内から切り裂くのは「Kの字」の傷だ。米国の上位1%の富裕層は資産全体の3割を握る。コロナ下の財政出動と金融緩和で株価は上がり、持つ者と持たざる者の差はさらに開いた」(21日付日経電子版 「世界裂く「K字」の傷 民主主義・資本主義の修復挑む」

政治の腐敗が「Kの字」の傷を生み出しているのであればそれは民主主義が機能不全に陥っている可能性を示唆しているといえる。

しかし、お金が資本と情報を効率的に使うところに向けて流れた結果としたら、それは民主主義、資本主義が機能している結果だともいえる。

資本と情報は効率的なところに向かう一方、政治はその結果生じる「Kの字」の傷を癒す方向に動く。それは資本主義の中で社会主義が台頭し共存していくということであり、自由主義国も「一国二制度」に向かうということ。共産主義を掲げる中国が資本主義をとりいれ、自由主義資本主義経済を掲げる先進国も社会民主主義に向かいだしている。

若い頃資本主義の進化の先に社会主義、共産主義があると教わってきたが、イデオロギーに関係なく「一国二制度」に向かうというのが現実だったようだ。違いはどのようなイデオロギーを掲げるているかだけだ。米中対立も1980年代までのイデオロギー対立でなく、経済対立になって来ている。

「「『トランプ』はどこにでもいる」。トランプ前米大統領の支持者らによる米連邦議会議事堂の襲撃から一夜明けた1月7日、欧州連合(EU)のトゥスク前大統領は世界に警鐘を鳴らした」(同日経電子版)

メディアでは社会の分断を招いた原因をトランプ大統領に求める論調が強い。しかし、「Kの字」を作り出した原因をトランプ大統領に求めるのは間違いだ。「We are the 99%」「ウォール街を占拠せよ」運動が起きたのは10年前、オバマ大統領の時代だったのだから。トランプ大統領は「Kの字」の傷を生み出した悪の権化ではなく、「Kの字」の傷が一定以上に深刻になったことで誕生したと考えるべきだろう。

資本と情報が効率的に使われれば使われるほど科学技術も進化する。そうなればますます資本と情報はより効率的なところに向かって動き出す。それは99%の国民の生息域をさらに狭めていくことを意味するものだ。

自由主義、資本主義は多くの人間にとって残酷な段階に入って来ている。

老若男女問わずこれまで以上に自分を成長させ磨かなければ生き残れない時代になっている。年齢を言い訳に自らの進化を止めることは自殺行為だ。政治が「Kの字」の傷を癒す方向に動いても、年99%の国民は金など社会保障制度だけで人間らしく生きられる時代ではなくなっているのだから。

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