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最近の香港紙の日本攻撃が多少ひどい件について

 香港の『大公報』が掲載していた「日本反华牌致反效果 政客狠话让选民恐慌」という記事が興味深かったので、今日はこれについて少し。


1 記事の紹介

 最初にいつものとおり、記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。
 中日関係が緊張状態にある今、日本の選挙戦は正式に始まり、対中政策も総選挙の核心的議題となっており、各政党は有権者を味方に引き入れる重要な手段として「反中」を用いている。

 しかし、しばらくすると、「反中カード」の効果は薄れるだろうし、そこから生じる戦後秩序を急に変えるという主張は、日本国内と国際社会で広範な不安を引き起こし、総選挙に対して「逆の効果」となる。

 野田佳彦は「右より」で、依然として釣魚島の「購入」は「長期的な安定管理」のためという強盗の論理を持ち出し、自分が現実主義者であることを強調して、現実に基づく外交を進めてくる。

 安倍晋三率いる自民党は更に急進的な立場で社会の歓心を買う。民主党との違いを出すために、平和憲法を改正して、自衛隊を国防軍に昇格することを打ち出したり、「公務員」を釣魚島に長期滞在させることを主張している。

 「タカ派の代表」として首相在任当時、靖国神社を参拝しなかったことを後悔し、首相就任後は、訪米し、主人に忠誠を尽くすだろう。「島購入」のきっかけを作り出した石原慎太郎は極右のままで、核兵器を開発し、中国に対する抑止力とすると述べている。

 総選挙が佳境にはいる今、日本社会は落ち着かず、日本政治は更に乱れている。石原慎太郎が創立した「夕日の党」と称された「太陽の党」は解散を宣言し、橋下大阪市長率いる「日本維新の会」に合流した。

 小沢一郎率いる「国民の生活が第一」は滋賀県の嘉田由?子知事の創立した新党「日本未来の党」に合併した。総選挙が様々な政治家が「第3極」の名を奪い合う舞台となっているが、それらの対外政策は皆「右」だ。

 今回の総選挙で、「反中カード」は既に極限に達しており、既に選挙で有効的なものとはなりえなくなっている。民主党は中国と敵対するという最大の誤りを犯したが、これは国家の滅亡をも招きかねない。

 安倍などの右翼政治屋は民主党より更に悪辣でひどい話をしているが、有権者の喝采は聞かれず、かえって疑問と恐怖を引き起こしている。

 日本の「総選挙の言葉」は既に周辺国家の高い警戒を引き起こしている。中国はとっくに日本の軍国主義の兆しに気づき、これがアジア太平洋の地域安全に対する挑戦と思っている。韓国、日本政界の右傾化に警戒し、領土侵略などに対し、更に準備を進めている。

 アメリカも災いの種を残したくなく、日本の政治家の赤裸々な軍国主義に対し不安を表明している。アメリカも日本の政治家が右傾化すれば、東アジアの全体の地域安全にとって、マイナスの影響が発生すると思っている。

 アメリカは戦後、戦勝国として国際社会の共通認識により日本に進駐したが、その使命は日本に対し軍事的な保護を提供すること以外、更に重要なのは国際条約の実行を監督することで、日本の軍国主義復活を阻止し、世界が再度災難に巻き込まれるとを防ぐことである。

 もし日本が本当に平和憲法を破棄し、軍国主義の道を進むなら、アメリカの利益にとっても大きな脅威となる。

2 個人的感想

 香港は「一国二制度」ということになっております。しかし、いろいろ制約はあり、マスコミでも大陸系と呼ばれる『大公報』、『文匯報』などはかなり露骨な大陸寄りの記事を掲載しております。今回もそうした『大公報』の記事ですので、それをまず念頭において下さい。

 今回の記事もこれまで何度も紹介している(不景気に苦しみ政治に失望している日本はファシズムが台頭している?尖閣購入に関する中国のプロパガンダ記事)、「日本=軍国主義」「日本=右傾化」のオンパレードとなっており、かなり酷い内容となっています。

 以前紹介した香港紙の『太陽報』の報道もかなりな内容で(アメリカが尖閣問題で日本支持を表明したことに対する中国の反応)、まるで大陸に対する忠誠を示すためにワザとこうした極端な内容の記事を掲載しているのかとでも言いたくなる様な状態です。

 実際、これまでなかなか風刺の効いた面白い記事を掲載していた「りんご日報」も「親中」と言われている旺旺グループに買収される状態で、徐々にいろいろなところから、締め付けが強化されつつあるのかもしれません。

 多少好意的に解釈すれば、以前書いた様にどこの国も自国に対する関心が高く、外国のことを報道するに当たっても、自国との関係を前面に出して報道する傾向がありますが(安倍総裁や石原代表よりは、組みやすいと中国に思われている野田総理)、今回の記事もその例ということでしょう。

 今回立候補した方々が中国に対し、多少厳しい意見を述べているのは、尖閣諸島問題に起因する中国の反日デモの様子等を見て、中国に対して幻想を捨て去った者が多く、その結果、中国に対し融和的な意見を述べる者が減っただけかと思うのですが、これが中国からみると「右」に見えるところが何とも言えません。

 だったら、中国で今、日本に対して融和的な発言をする政治家がいるかという話で、それをして日本のマスコミが中国の「右傾化」(中国の場合は「左傾化」)と報道したら、「馬鹿か」としか思わないでしょうか、そうした報道を(多分半分確信犯的に)しているわけですから何も言うことはありません。

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