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二枚舌を使い、国会記者会の「既得権」を容認する衆議院

画像を見る 「衆議院としましては、国会記者事務所(筆者注:国会記者会館のこと)の使用に関しまして、国会記者会とフリーランス、ネットメディア等とを差別的に取り扱う目的は一切ございません」

 12月6日、衆議院から回答があった。11月19日、筆者は衆議院に対して、以下の3つを質問していた。

 (1)国会記者会が国会記者会館の使用を認めたフリーランスやネットメディアに対しては、衆議院も使用を認めると理解してよろしいですか。それとも、国会記者会とは別に衆議院の使用許可も得なければなりませんか。

 (2)フリーランスやネットメディアが直接、衆議院から許可を得て、国会記者会館を使用することは可能ですか。可能な場合は、手続き方法を、不可能な場合は、理由を、ご教示ください。

 (3)衆議院は、国会記者会館の使用にさいし、国会記者会とフリーランス、ネットメディアを差別的に取り扱う目的がありますか。また、そのような目的を達成するため、国会記者会に国会記者会館の管理を行わせているのですか。

 3つ目の質問に対する回答が冒頭のものだ。1つ目と2つ目の質問に対する回答も掲載する。

 (1)に対する回答
 衆議院といたしましては、フリーランスやネットメディアであることのみをもって国会記者事務所の使用適格がないとは考えておりませんが、現在継続中の訴訟に関連する事項ですので、それ以上の回答は差し控えさせていただきたく存じます。

 (2)に対する回答
 目的や態様等の如何によりますが、フリーランスやネットメディアが、直接、衆議院からの許可を得て国会記者事務所を使用することは、理論的には可能であると思われます。
 ただし、ご案内のとおり、現在、国および国会記者会を被告としまして、国会記者事務所の使用にかかる訴訟が継続しているという極めて特殊な事情がございます。その関係上、現時点におきまして特定の方に使用を認めることにより混乱がさらに拡大する可能性があることに鑑みますと、少なくとも現状においては、フリーランスやネットメディアに限らず、現在使用を承認している者以外の特定の方による使用を衆議院として認めることは難しいものと思われます。

 「現在継続中の訴訟」「現在、国および国会記者会を被告としまして、国会記者事務所の使用にかかる訴訟が継続している」という表現で言及されているのは、『インシデンツ』でも再三、取り上げてきた独立系ネットメディア「OurPlanet-TV」(白石草代表。以下、アワプラ)が提起した訴訟。アワプラは「国会記者会館の屋上で取材、撮影ができなかった」として、損害賠償220万円を請求している。

 衆議院は国会記者会館の使用について、「国会記者会とフリーランス、ネットメディア等とを差別的に取り扱う目的は一切ございません」と明言する。一方で、アワプラの訴訟が継続中であることを理由に、「現状においては、フリーランスやネットメディアに限らず、現在使用を承認している者以外の特定の方による使用を衆議院として認めることは難しい」などと釈明する。

 元共同通信社山形支局長で国会記者会事務局長の佐賀年之氏(写真)は、7月10日、同記者会が国有財産である国会記者会館を無償で専有し、フリーランスやネットメディアを排除していることに関して、以下のとおり、筆者に説明した(コメントをクリックすると、音声ファイルが再生されます)。

 「基本的なスタンスとしては、(国会記者会が衆議院から国会記者会館の)管理を委ねられていると。我々、混乱がないために管理するんだけど、もう一方の意識として、『既得権』を守ろうとしてる。その『既得権』は、商売上の『既得権』ももちろんあるけれども、その『既得権』によって、相手(衆議院)との信頼関係を保ってきたんだという、そこですよ。だから、そちら(フリーランスやネットメディア)は(自分たちも国会記者会館を使用できるのが)当然だろうと言っても、それは承知しませんよと。我々は『既得権』を守ってますよと。ただ、『既得権』だけでは、おそらく裁判とかなった場合に、そういう公的なもの(国会記者会館)を預かって、それを『既得権』を主張するのは、それは難しいかなという気もするから、長年のつちかった信頼関係を崩さないために、我々は、こういう管理の仕方をしてるのですということを説明しているわけです」

 わずか1分間のコメントで、「既得権」という言葉を7回もくり返している。先の衆議院の釈明は、まさに佐賀氏の言う「既得権」を容認するものにほかならない。

 衆議院が二枚舌を使い、フリーランスやネットメディア、さらには国民を愚弄するならば、現在、国会記者会へ向けられている峻烈な批判をともに引き受ける覚悟が必要である。

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