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日本のキャラクターとコラボ続々 ファッションブランドが異色の商品を売り出す狙いは

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「オタク」のイメージから一転、広がるキャラクターコラボ

今年51歳を迎えるのですが、自分が20代・30代のいわゆる「若い頃」と現在を比べて大きく変わったことがいくつかあります。その中の一つに「アニメ・漫画・特撮」と「ファッション」の立場の逆転が挙げられると感じています。

若い頃も今もアニメや漫画・特撮の人気は変わりませんが、それらのキャラクターをデカデカとプリントしたような服は、一般的に「オタク」と呼ばれる人達しか着ておらず、その手のイベント時に着るならまだしも、日常においてデイリーカジュアルやファッションとして着ることは考えられませんでした。

しかし、2000年代後半からはアニメや漫画・特撮などとのコラボ服が広く一般に売り出されるようになり、今では世界的にも著名なラグジュアリーブランドでさえ、コラボ商品を発売するに至っています。

古くはアニメショップやキャラクターショップくらいでしか販売されていませんでしたが、2000年代半ばくらいからユニクロで販売されるようになりました。

実は、ユニクロで販売された当初は、自分も「あんなものを誰が買うのか。1回か2回のコラボで終わる」と軽く見ていましたが、2021年まで作品を変えながら続いています。

トトロ、ドラえもん ラグジュアリーブランドとのコラボ商品に驚き

Getty Images

ユニクロだけでなく、最近になるとジーユー、しまむら。ウィゴー、スピンズ、ライトオン、ジーンズメイトなど数えきれないほどのカジュアルブランドがコラボ商品を定期的に発売しています。

この辺りの低価格ブランドならまだ納得もできるのですが、近年、驚かされるのが世界的なデザイナーズブランドやラグジュアリーブランドまでもがアニメや漫画・特撮とのコラボ商品を続々と発売している点です。

また、同じ文脈としては、最先端ファッションとして名高かった伊勢丹新宿本店がセーラームーンやルパン三世などのアニメとコラボをしたイベントを開催するようになった点です。

アニメキャラクターの服なんてオタク専用だとされていたことを思い返すと「時代は変わったなあ」としみじみと感じます。

最近ではグッチが「ドラえもん」とコラボをしていますし、ロエベがジブリの「となりのトトロ」と、ロンシャンが「ポケモン」とコラボをしていますが、これは何も2021年特有の現象ではありません。

グッチは2020年には「ワンピース」と2013年には「ジョジョの奇妙な冒険」とコラボをしています。2018年にはヨウジヤマモトがサイボーグ009、仮面ライダーとのコラボ商品を発売しています。

私よりも年上のファッション好きの人からすれば「イロモノ」に見えるのではないかと思いますが、決して単なる受け狙いの企画ではないと考えられます。

日本アニメで若者のブランド認知を獲得する狙いも

クールジャパンの例を引くまでもなく、海外でも日本のアニメや漫画・特撮は昔から非常に人気が高く、多くのファンを獲得しています。

サッカーワールドカップに出場した海外の選手でさえ、サッカーを始めたきっかけが「日本の漫画・アニメの『キャプテン翼』に影響されたから」と語るほどです。また、ポケモンのオンラインゲーム「ポケモンGO」は2016年の開始当初、世界的に話題になりました。

そういうこれまでの積み重ねを鑑みると、ラグジュアリーブランドといえども単なる「ファッション性」だけで打ち出すよりも、日本のアニメとコラボをした方が話題性だけではなく、ファンのロイヤルティーも高められると考えているのではないでしょうか。

「となりのトトロ」とのコラボ商品を発表したスペインの高級ファッションブランド「LOEWE(ロエベ)」/BLOGOS編集部

そして、日本も同様の傾向にあります。アニメ・漫画・特撮は国内では世代を超えた共通言語となっており、反対にファッションは細分化され断絶が激しくなっています。

私はかれこれ4年ほどファッション専門学校の非常勤講師も務めていますが、今の学生の多くは、ユニクロとジーユー、しまむらなど以外のブランドをほとんど知りません。

ラグジュアリーブランドは名前を聞いたことはあるが実際には物を見たことがなく、百貨店ブランドやファッションビルブランドについてもごく一部しか知りません。ですから、ブランドの話をする際、認識が共有されにくくなっています。

しかし、一方、アニメや漫画・特撮はこの50歳のおじさんと18歳くらいの学生が共通の知識を持っているのです。息の長い人気作品も多いですから、例えば「ドラゴンボール」や「北斗の拳」「ルパン三世」「エヴァンゲリオン」などは共有化できます。

また、詳細は知らなくても「ガンダム」の名称は誰でも知っているのです。1979年に初回放送された「ガンダム」はもう40年以上続いているので、50歳のおじさんはもちろんのこと18歳の若者も知っているのです。

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