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【ウォルマート】、2年連続で店舗数が減少!これにはチェーンストア理論擁護派も???


■ウォルマートが18日発表した第4四半期(11月〜1月期)決算は、「Stimulus Check(景気刺激小切手)」とも呼ばれる現金給付で売上は伸びたもののコロナ対策等の費用がかさみ赤字に転落した。

会員費等を含む総売上高は7.3%の増加となる1,520.8億ドル。日本と英国事業の売却が収益を圧迫したこともあり純損益は20.9億ドルとなった。前年同期は41.4億ドルの黒字だった。

 売上高の約6割を占める国内のスーパーセンターやディスカウントストアなどウォルマートUSの売上高は995.8億ドルと前年同期比7.9%の増加だった。

ウォルマートUSの既存店・売上高前年同期比(ガソリン販売は除外)は食料品が牽引し8.6%の増加となった。これにより2014年8月〜10月期から26四半期連続で前年を上回っている。

内訳は客数を示すトランザクション(処理件数)が10.9%の減少となる一方、依然として買いだめが続き客単価は21.9%の増加となった。

ネットスーパーを含めEコマース売上高は69%の増加だった。年末商戦でオンラインの需要が引き続き伸びたが、成長率は新型コロナウイルス感染拡大以降で最も低いレベルになっている。

メンバーシップ・ホールセール・クラブのサムズクラブでは売上高が165億ドルとなり前年同期比8.1%の増加だ。既存店ベース(ガソリン販売は除外)は10.8%の大幅増となった。

サムズクラブでは客単価が2.2%の増加となった上に新規会員数が増え、スキャン&ゴーの利用が堅調で客数は8.4%も増加した。サムズクラブのEコマースは前年同期比で42%の増加となっている。

 21年1月期通期の売上高(会員費含む)は前年比6.7%増となる5,592億ドルで、通期ベースの売上高として過去最高を記録した。純利益は同9.2%減少となる135億ドルだった。ウォルマートUSの既存店ベースは同8.6%の増加。ECも同79%の増加だった。

 ウォルマートCEOのダグ・マクミラン氏はスタッフ42.5万人を対象に平均時給を15ドルに引き上げる方針を明らかにした。「顧客体験を向上するため最前線スタッフを支援する」とした。

ウォルマートは昨年10月にも全スタッフの約1割にあたる16.5万人の時給を引き上げている。

ウォルマートは今年度の設備投資額に約140億ドルを投じることも発表。ディストリビューションセンターやフルフィルメントセンター等に自動化を導入し、生産性向上につなげる。

ウォルマート第4四半期(11月〜1月期)
総売上・前年同期比:7.3%増
既存店・売上高前年同期比: 8.6%増(ウォルマートUS)
ウォルマート店舗数(21年1月31日)
 アメリカ国内店舗数:5,339店
  スーパーセンター:3,570店
  ネイバーフッドマーケット:686店
  ディスカウントストア:374店
コンビニエンスストア:8店
  小型店:102店
  サムズクラブ:599店

 海外店:6,101店

 総店舗数:11,440店



ウォルマートのロケーションファクトを見ると国内店舗数が1月31日現在、5,342店となっている。しかし計算ミスのようでスーパーセンター(3,570店)にディスカウントストア(374店)、ネイバーフッドマーケット(686店)、コンビニエンスストア(8店)、スモールフォーマット(102店)、サムズクラブ(599店)を足すと正解は5,339店となる。サムズクラブを除くウォルマートUSの店舗数は4,740店だ。



ウォルマートの2020年1月期の米国ウォルマート事業となるウォルマートUSの店舗数は4.756店舗だった。前年度は4,769店舗だったことで13店舗の減少となったのだ。2021年1月期のウォルマートUS店舗数は4,740店と前年度から16店舗も減少している。1962年の創業以来、店舗数を毎年増やしていたウォルマートが2年連続で店舗数を減らしたのだ!

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。チェーンストアで成長したウォルマートが2年連続で店舗数を減少させました。ウォルマートは創業から半世紀以上にわたって毎年、店舗数を増やしていました。同時に売上も右肩上がりで伸ばしていたのです。それが店舗数を減らしたのです、しかも2年連続で。流通業にかかわる多くの人達が学んだチェーンストア理論ではありえない展開です。しかも売上は伸びていますから、旧理論では説明がつかない事例になっています。

若い人たちから見れば「当たり前じゃん」となりますが、若い頃にチェーンストア理論を叩き込まれた50代以上の流通ビジネスマンは「???」です。それをずっと教えているコンサルタントやコンサル企業も、否定できないエビデンスを前にして、チェーンストア理論との整合性がつかないため苦しい説明をしているといいます。ダラーストアやオフプライスなど一部業態には店舗数の増加で売上を伸ばしているチェーンもありますから偏った理論になっているはずです。

⇒チェーンストアによる成長から、ウォルマートが今後の成長の柱にするのがサブスクリプション「ウォルマート・プラス」です。店舗数よりサブスク会員を増やすことがクリティカルな課題になっていきます。成長戦略がネットフリックスのようになっていくということ。アマゾンがそうであったようにサブスク会員数を増やしながら既存会員を維持し、且つ離脱を抑えるように投資を向けていきます。それにはウォルマート・プラスの価値を上げていくということ。ネットスーパーの買い物の利便性をさらに高め、会員特典を付加していくことになります。さらなるIT武装化が不可欠になるのです。

サブスクによる成長を軸にすることで莫大な投資により、しばらくは利益が出にくい状態になると思います。モノを販売する以上にサブスク会員を増やそうとすることでアマゾンと直接対決することになるのです。結果、既存の株主にとっては面白くないかもしれません。ただサブスク会員が増えリテンションレートも維持できれば、投資の見返りは凄まじく大きなモノになります。

 ウォルマート・プラスの拡大で、プライム会員数が減少に転じる時がティッピングポイント。ウォルマートが背後から追いかけてくると考えるとプライム会員の値上げはしばらくできないでしょうね。

2021年2月13日 - 【ウォルマート】、プラス会員がローンチ1年で1,000万人!チェーンもサブスクを研究?

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