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【読書感想】こんなにちがう ヨーロッパ各国気質 32か国・国民性診

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こんなにちがう ヨーロッパ各国気質 32か国・国民性診断

内容紹介

PIGS(ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)といわれる破綻寸前国家から、北欧の高福祉国家まで、ヨーロッパといってもさまざまだ。ヨーロッパ在住二十年の著者が32カ国の国民性、気質を実地での体験をもとに解説。歴史や民族、文化が異なる個性的な国々の知られざる実態をユーモラスに描く。


内容(「BOOK」データベースより)

ギリシャ人はなぜ働かないのか?なぜ幸福なノルウェーで大量殺人が?なんでもありのオランダ人。時間にルーズなポルトガル人。…EUの危機がわかる本。



海外に行くと(そんなにしょっちゅう行っているわけじゃないですが)、Chinese?って聞かれることがあります。

(差別的な意味ではなくて)「日本人なのに、わかんないかなあ」なんて言いたくなることは少なくありません。

逆に、中国人や韓国人も、Japanese?なんて言われて、「こんちくしょう!」とか思っているのかもしれません。


自分たちからすれば、「そのくらいは、見分けてほしい」と思っていることでも、自分が見分ける側になると、そんなに簡単ではありません。

言葉に堪能であれば、フランス語を使っているから、フランスの人かな?とか、ドイツ人?とか判別する事も可能かもしれませんが、僕にはドイツ人とオーストリア人とオランダ人とベルギー人の違いを、見た目だけで判断するのは無理です。

実際に、これらの国の人々と直接やりとりする機会はほとんどないので、日常生活において困るってこともないんですが。


率直に言うと、「ヨーロッパ人」あるいは「欧米人」の国籍って、見た目だけでは全然わかりません。

イギリス、ドイツ、フランス、イタリアくらいは、「漠然とした国民性のイメージ」があるのですが(イタリア人は女性をみるとすぐ口説いてくるとか、フランス人はプライドが高くて英語で話しかけても答えてくれない、とかね)、ブルガリアとかになると、ああ、ヨーグルトと琴欧州!くらいのものです。


この本では、長年ヨーロッパに住んで、各国の人たちと接してきた著者たちが、ヨーロッパ32カ国のそれぞれの「国民性」を、エスニック・ジョークなどをまじえつつ、紹介してくれています。


「イギリス料理」に関するブラック・ジョーク。

 日本を訪れたフランス人が言った。「日本は豊かな国だと聞いていたが、海藻なんか食べている。そんなに食べ物に困っていたとは……」

 フランスを訪れた日本人が言った。「フランスは豊かな国だと聞いていたが、カタツムリなんか食べている。そんなに食べ物に困っていたとは……」

 そして、最後にイギリスを訪れた世界中の人が言った。「イギリスは豊かな国だと聞いていたが、イギリス料理なんて食べている。そんなに食べ物に困っていたとは……」


 各国の紹介のなかに、その「国民性」を揶揄したジョークが散りばめられていて、リラックスしながら読めるのがこの本の長所だと思います。

 なかにはちょっと差別的なものも含まれているのですが、そういうところに「本音」が隠されているような気もしますしね。


この本のなかで興味深かったのは、著者たちが、実際に生活をするなかで、「接し方を少し工夫するだけで、相手の反応は大きく変わってくる」ことを紹介していたことでした。

フランス人は冷たい、と思われがちだけれど……

 フランス人は見知らぬ人に対して愛想笑いするようなことは絶対にしない。フランス語で外国人のことを「エトランジェ」というが、この「ランジェ」は「危険」を意味する。

 フランス人にとって、外国人は見知らぬ危険な人物なのだ。だから何の前置きもなく、いきなり「凱旋門はどこですか」「エッフェル塔はどこですか」などと、突然、英語で話しかけてこられるとびっくりしてしまい、不機嫌を装って無視することになる。

「フランス人は英語を知っていても、フランス語でないと応じない」などとフランス人のプライドの高さだけを強調するのは誤解に基づくもので、その一方でフランス人は礼儀を尽くす人には好意的に接してくれるということはあまり知られていない。そのための魔法の言葉が、「お邪魔して恐縮ですが エクスキュゼモワドゥ ヴ デランジェ ムッシュ/マダム(引用者註:本ではフランス語で書かれて、日本語の音がふられています)」という挨拶だ。この言葉を頭につけると、忙しそうな人でも足を止めて親身になって問いかけに応じてくれる。

 また、日本人観光客が、パリのデパートやブティックで商品に手を触れて店員から叱られたり、まったく無視されて嫌な思いをしたという話をよく耳にする。だが、ここでも「ボンジュール」の後に「ムッシュー/マダム」とつけてこちらから挨拶すると、心を開いて丁寧に接客してくれるから不思議だ。フランスではちょっとした言葉のルールを身につけると、コミュニケーションはスムーズにゆくが、そんなルールを知らずに嫌な思いをする外国人は尽きない。


 著者たちは、フランス人とのやりとりに慣れているからなあ……

 そう思うところもあるのですが、この話を読むと、「フランスに行ったら、試してみようかな」という気がしてきます。

(そうそう行く機会はないでしょうけど)

 一概に「フランス人は冷たい」というのではなく、「フランス人には、フランス人なりのコミュニケーションのルールがあって、それは簡単なことなのに、訪問者が歩み寄ろうとしない」という面もあるんですね。

 僕はこの話、すごく面白いと思ったのですが、これ、本当にそうなのかなあ、フランスに行く機会がある人、あるいはそういう経験がある人がいたら、ぜひ、教えていただけないでしょうか。

 

僕たちは「日本人って……」とひとまとめにされると反発してしまいがちです。

ヨーロッパ各国もひとつの国のなかに、民族や宗教の問題を抱えているところも多く、「国民性」とひとくくりにできないところもある。


著者は「ベルギー」という国について、こう書いています。

 また、国土は使用する公用語のちがいにより、北部のフランデレン地域(オランダ語系のフラマン語)と南部のワロン地域(フランス語)の二つに大別される。割合としては、オランダ語が約60パーセント、フランス語が約40パーセントで、これにドイツ国境地域で公用語とされるドイツ語が、1パーセント未満となっている。このほかルクセンブルク国境ではルクセンブルク語が話されている。

 ベルギーが抱えている最大の難題は、この南北間の言語の壁で、北部のフランデレン地域と南部のワロン地域には「言語戦争」と呼ばれる根深い問題が立ちはだかっている。19世紀の建国当初は、上流階級のフランス語だけが公用語とされたことで、オランダ語を話すフランデレン地域が猛反発。その後、1963年に、南北を分かつ「言語境界線」が議会で公式に可決された。70年代になると二地域の自治権がともに強化され、1993年にベルギーは連邦制へと移行した。

 かつて石炭や鉄鋼が盛んだったワロン地域は、産業がすたれるとともに力を失い、代わってハイテク産業が盛んなフランデレン地域が躍進、力関係は逆転してしまった。近年、そういった経済力格差がフランデレン地域の独立願望にいっそう拍車をかけている。


 ベルギーワッフルと小便小僧の平和な国、というのが僕のベルギーに対するイメージだったのですが、実際は、こんな問題を抱えているのです。

 国の面積が小さいから、人口が少ないから一枚岩でまとまっているとは限らない。

 よく知らない立場からみると「平和」にみえるのだとしても。


 それぞれの国に詳しい人からすれば、「こんなステレオタイプな分析なんて……」と思うところも多いのかもしれません。

 でも、「とりあえず欧米人、だよね?」というレベルの僕にとっては、かなり興味深く読める本でした。

 ちなみに、「国民性」に対する僕のスタンスは、「星座占いや血液型よりは信憑性がありそうだけど、どの国民だって『ひとそれぞれ』だから、話半分くらいに面白がっていればいいや」です。

 「ヨーロッパの国々の『個性』を知りたい人のための入門編」として、素晴らしい本なのではないかと思います。

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