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【ネットスーパー】、ロボット物流MFCの3倍EFC!流通のDXで物流用語も混戦化?

画像:今年11月に稼働を計画している「Eコマース・フルフィルメントセンター(e-commerce fulfillment center:EFC)」はペンシルベニア州フィラデルフィア地区(3501 Island Ave, Philadelphia, PA 19153)にオープン予定で広さはMFCとしては最大級となる124,000平方フィート(約3,500坪)。

■パンデミックの影響でネットスーパーが爆発的に普及しているが、一部の食品スーパーはコロナ後もカーブサイド・ピックアップや宅配サービスの需要は続くと見ている。ロボット物流などネットスーパーへの投資速度が加速しているのだ。

アホールド・デレーズUSA傘下でペンシルバニア州などに190店舗近くを展開するジャイアント・カンパニーは16日、ネット対応のダークストアで最新型「マイクロ・フルフィルメント・センター(Micro-Fulfillment Center:MFC)」をオープンすることを発表した。

「Eコマース・フルフィルメントセンター(e-commerce fulfillment center:EFC)」と呼ばれるダークストアはアホールド・デレーズUSA傘下でEコマース部門のピーポッド・デジタル・ラボ(Peapod Digital Labs)と組み、MFCを手掛けるスイスログ(Swisslog)とロボット物流のオートストア(Auto Store)と提携して建設される。

今年11月に稼働を計画しているEFCはペンシルベニア州フィラデルフィア地区(3501 Island Ave, Philadelphia, PA 19153)にオープン予定で広さはMFCとしては最大級となる124,000平方フィート(約3,500坪)。

ロボット物流以外にも従業員を200人採用することでマニュアル・ピッキングにも対応し、1週間に1.5万件の注文を処理する。

EFCは店の中で買い物ができるインストア・ショッピングはなく倉庫に専用の駐車スペースがついた受け渡し専用拠点として営業する。

したがって宅配サービスやカーブサイド・ピックアップ、さらにロッカーなどを使ったボピスに特化したロボット物流倉庫となるのだ。

ジャイアントでは一昨年、ペンシルベニア州ランキャスター地区にダークストアの「ジャイアント・ダイレクト・パワード・バイ・ピーボット(Gaiant Direct Powered by Peapod)」をオープンし稼働させている。

ロッカーに受付カウンターもある同ダークストアは38,000平方フィート(約1,100坪)でスタッフ数は150名でマニュアル・ピッキングが大半を占めている。

3倍にもなる最新型EFCは、テキサス州の地場スーパーのHEBとも提携しているスイスログとパートナーシップを結んでおり、スイスログが開発したソフトウェア「シンク(SynQ)」を搭載し、自動で商品をピッキングする「オートストア(AutoStore)」を採用するのだ。

シンクによって自動でピッキングされた商品がピックステーションに運ばれ、スタッフが梱包を行うシステムとなっている。

ジャイアント・ディレクトのアプリ等を介したネット注文はピーポッド・デジタル・ラボが行うのだ。アプリ展開ではネットスーパーの機能として拡大しているジオフェンシング技術を搭載し、カーブサイド・ピックアップ客の待ち時間を50%短縮するとしている。

 なおアホールド・デレーズUSAのMFC展開では、傘下のストップ&ショップがテイクオフ・テクノロジーと提携し、コネチカット州ウィンザー地区にある店舗で稼働している事例がある。

MFCの一般的な広さは1万平方フィート(280坪)。MFCは1.5万〜1.8万アイテムを扱い、60アイテムの注文ではピッキングから袋詰めまで5分程度となる。着工から4ヶ月程度で稼働でき、工事費は300万ドル前後だ。

アホールド・デレーズUSAではMFCにも投資をしており、さらに数ヶ所のストップ&ショップに追加予定という。

 ネットスーパーの需要を見越してジャイアントでは先月、サブスクリプションの「チョイス・パス・フォー・ジャイアント・ディレクト(Choice Pass for Giant Direc)」も開始した。

年会費119ドルのメンバーシップ「ポッドパス(PodPass)」を刷新した年間98ドル(月額12.95)の新サブスクではピックアップ(30ドル以上の注文)の手数料2.95ドルに宅配サービス(60ドル以上の注文)手数料7.95ドルが無料となり無制限に利用できる。

 ウォルマートは昨年9月からネットスーパーのサブスクを開始し、先月はMFCの展開を発表した。

ウォルマートCEOもクローガーのトップもコロナ後、ネットスーパーの利用は続くとみている。

ネットスーパー最適化を狙い食品スーパー等の大手チェーンストアはアプリに物流、ラストワンマイルとIT武装化が続きそうだ。



EFCはロボット物流以外にも従業員を200人採用することでマニュアル・ピッキングにも対応し、1週間に1.5万件の注文を処理する。



EFC稼働動画。アホールド・デレーズUSA傘下でEコマース部門のピーポッド・デジタル・ラボ(Peapod Digital Labs)と組み、MFCを手掛けるスイスログ(Swisslog)とロボット物流のオートストア(Auto Store)と提携して建設されるのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。メディアでデジタル・トランスフォーメーション(DX)がバズワードとなっており、流通誌はどこも流通ITの特集を組むようになっています。後藤は毎月のようにこういった流通誌に特集記事を寄稿しています。

ここでも何度か強調しているようにDXはお客にとって買い物の利便性を向上させるものでなければなりません。事務処理をデジタル化してもお客にとってメリットはありません。カスタマイゼーションにいかに買い物を最適化できるかが流通業界DXのKPI(Key Performance Indicator)です。重要業績評価指標といえばわかりにくくなりますが、ネットスーパーなら要は注文から受け取りまでの時間や利用者の手数・手間をいかに減らすかということ。

アメリカの大手チェーンストアのネットスーパー展開では半ば常識化しているジオフェンシング技術もそのひとつです。ネットスーパーにもKPIを導入することで競争力をつけるだけでなく、値引きする必要がないため価格弾力性を小さくできるメリットもあるのです。

 クローガーはCSC、ウォルマートはLFC、アホールド・デレーズはMFCにEFCと物流用語が混戦していますが、ネットスーパー物流の覇権を握る戦いが徐々に大きくなっています。いよいよ面白くなってきました。

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