『あの事業所のヘルパーが利用者を引き抜いて独立したらしいよ』この手の話をこの業界では良く聞きます。ヘッドハンティングでもなく円満な独立でもなく、利用者=お客様を奪っていく退社劇です。
事業所への義理を欠いたモラルに反する行為だと思います。普通ならお客様が愛想を尽かして顧客離れが進むでしょう。私も個人的にはそんな筋違いの輩は大嫌いです。でも我々は命を人質に取られています。相手がどんなに許せない輩でもシフトに入ってもらえなければたちまち我々の生活は破綻します。代わりのヘルパーなど簡単には見つかりません。我々は非道を飲み込まざるを得ないとほどに立場が弱いのです。
また事業所の撤退時にも摩訶不思議なことが起きます。スタンダードな契約書には事業所側から契約解除できるのは、『止むに止まれぬ事情がある場合には30日前に書面により通知する』と明記されています。しかし私は過去撤退した事業所に止むに止まれぬ事情の説明を受けたことも、書面で解除通知を受けたこともありません。30日どころか来週から来ませんと言われたこともあります。契約書を交わしているのに全く守ってもらえません。
もちろんきちんと筋を通して引き継ぎをする事業所もありますが、後は知りませんというスタンスの事業所も多くありました。裁判をすれば勝てますが、そんなことよりシフトの穴をどう埋めるかという目先の生活を守ることが優先されます。逃げ勝ちです。
私は20年近くサービス業に携わってます。会社都合でお客様に迷惑をかけないのは常識であり鉄則です。命を預かる介護業界なら尚更です。実際ほとんどの人が使命感に燃えて仕事してくれています。
しかし中には命を人質に取り、利用者という圧倒的に弱い立場のお客様を喰い物にする輩もいるのも事実です。ぶちのめしたくても、他の利用者のことを考えると軽々には動けません。どこの世界にも善人と悪人がいますが、ごく一部のこの業界の悪人はつくづくタチが悪いと障害者歴が長くなるほど痛感します。
すみません、愚痴でした。