米議会襲撃で支持者を扇動した責任を問われた共和党のトランプ前大統領(74)の弾劾裁判で、上院は13日、無罪評決を言い渡しました。
共和党から7人が造反して賛成票を投じましたが、有罪に必要な出席議員の3分の2に届きませんでした。
トランプ氏は、昨年に続き、異例の2回目の弾劾裁判で、再び無罪になりました。
歴代大統領で弾劾裁判にかけられたのは、トランプ氏を入れて3人で、いずれも無罪評決だった、とのこと。
2回も弾劾裁判にかけられることからも、トランプ氏が、異常な大統領だったことが、うかがえます。民主党は、議会襲撃から1週間で弾劾訴追にこぎつけましたが、トランプ氏退任や裁判審理開始まで時間が空いたことで国民の関心が低下し、世論を喚起できなかった、とされています。
共和党上院トップのマコネル院内総務は「トランプ氏が現職ではない」として無罪を支持しましたが、評決後の演説でが「襲撃事件に先だつトランプ氏の行為は、恥ずべき義務の放棄だった」と強い口調で批判し、さらに「我が国には刑事司法制度がある。前大統領であっても免責されることはない」としました。
襲撃事件をめぐる刑事捜査は続いていて、トランプ氏が大統領選の結果をめぐってジョージア州務長官に圧力をかけた問題でも、検察当局が捜査を開始している、とのこと。
それでも、トランプ支持者は健在で、米国民の56%がトランプ氏の有罪を支持したのに対して、共和党支持者は2割以下にとどまりました。
また、トランプ氏が新党を結党した場合、共和党支持者の70%は加入に前向きだそうです。
共和党が、これからトランプ氏との関係をどうするのかなど、まだまだ目が離せません。