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読売新聞の「小沢大嫌い」報道がすごい件〜読売新聞は「報道の公正」をうたっている「読売信条」を放棄したほうがいい

 どちらにもかたよらず公平中立の立場に立つこと、一党一派に組みしないことを「不偏不党」と言いますが、昔はこの言葉、「報道機関は常に不偏不党の立場で真実を伝えなければならない」などとメディアの政治的中立性を指して使われることが多かったです。

 「不偏不党」と言う言葉自体がすでに死語に近いですが、マスメディアの報道は「不偏不党」だなどと夢想する人はとくにネット上ではほぼ皆無ではないでしょうか。

 ここに読売新聞という世界最大の発行部数1000万部を誇る新聞社があります。

 社訓ともいえる「読売信条」はこううたっています。

読売信条

読売新聞は
責任ある自由を追求する。
個人の尊厳と基本的人権に基づく
人間主義をめざす。
国際主義に立ち、日本と世界の平和、
繁栄に貢献する。
真実を追求する公正な報道、
勇気と責任ある言論により、
読者の信頼にこたえる。

http://www.marino.ne.jp/~rendaico/mascomiron_yomiurisyazeco.htm

 「真実を追求する公正な報道」でありますが、もうね「不偏不党」とか「公正」とか追求していないんですから、「読売信条」など放棄したほうがいいです。

 読売の報道が「不偏不党」でも「公正」でもまったくなく、どのくらい「偏向」しているか、今回は読売新聞の社説と記事から検証してみましょう。

 ・・・

 多くのマスメディアの中でも特に読売新聞は小沢一郎氏を嫌悪していることは、読者の皆さん、承知のとおりです。

 読売は小沢氏が大嫌いですから当然小沢氏率いる「国民の生活が第一」も大嫌い、当然の帰趨としてその流れを汲む「日本未来の党」も大嫌いとなります。

 読売はその自身の好悪を隠しません。

 「日本未来の党」の結党を受けた次の日の読売社説はこうです。

日本未来の党 「卒原発」には国政を託せない(11月29日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20121128-OYT1T01459.htm
 他の大新聞も「日本未来の党」の結党を社説で取り上げていますが、「国政を託せない」と断じているこの読売社説の批判振りは突出しています。  タイトルもタイトルなのですが、苦笑してしまうのは社説の中身です。

 嘉田氏が「この指止まれ」と呼びかけたように見えるが、実態は国民の生活が第一の小沢一郎代表や、民主党を離党して新党を結成した山田正彦元農相らが根回しをして、合流を決めたものだ。

 空疎なスローガンと、生き残りのために右往左往する前衆院議員たちの姿には、政治家の劣化を痛感せざるを得ない。

 小沢氏が名称にもこだわった政党をあっさり捨てても、驚くには当たるまい。党首として前面に出たくなかったのだろう。その分、未来の党の公約原案には小沢氏の従来の主張が反映されている。  日本維新の会と連携できず、民主党離党組の党だけでは選挙戦で埋没する。クリーンイメージの嘉田氏を「表の顔」に担ぎ出して巻き返そうと考えたようだ。相変わらずの小沢流である。

 小沢、小沢、小沢と小沢批判を繰り出しています、これではタイトルを「小沢一郎には国政を託せない」としたほうがよさそうです。

 まあ社説はそのメディアの主義・主張を載せるのですから、読売が「日本未来の党」を社説で批判するのは勝手といえば、勝手なんですが、この「公正」な大新聞のすごいところは社説以外の一般記事においても徹底的な「偏向報道」を見せてくれるところです。

 例えば、2日付けのこの読売新聞社が実施した世論調査を報じている記事です。

自民19%、民主・維新13%…衆院比例投票先
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121202-OYT1T00671.htm?from=ylist
 記事はまず自民の支持率が下がりそれを民主、維新の会が一進一退で追う構図になっていることを説明します。
 読売新聞社は11月30日~12月2日に衆院選の第2回継続全国世論調査(電話方式)を実施した。衆院比例選の投票先について政党名を読み上げて聞いたところ、自民党が19%でトップとなり、民主党と日本維新の会が各13%で続いた。

 無党派層は49%となお半数に近く、有権者が政党支持に迷っている状況が続いている。

 比例選投票先で自民は前回の第1回調査(11月23~25日)に続いてトップを維持したが、挙名率は6ポイント下がった。前回3番目だった民主は維新の会と並んだ。先行する自民を民主、維新の会が一進一退で追う構図となっている。
 ここから日本未来の党とみんなの党の支持率の動向をすごく気持ちを込めて説明していきます。
 「卒原発」を掲げて新たに発足した日本未来の党は5%にとどまった。前回の「国民の生活が第一」と「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」との合計は3%で、支持の広がりはみられない。みんなの党は5%(前回2%)に伸ばした。

 今回5%(前回2%)のみんなの党は支持を「伸ばした」と表現し、今回5%(前回3%)の日本未来の党はやはり支持率を伸ばしているのにも関わらず「支持の広がりはみられない」と真逆の表現を使用しています。

 2%から5%は「伸ばした」だが、3%から5%は「支持の広がりはみられない」だと言う訳です。

 そして極めつけはこの記事の結語です。
 未来の党に「期待しない」との回答は70%に上った。

 前の文とのなんら脈絡がなく突然「未来の党に「期待しない」との回答は70%に上った」で締めくくられています。

 最初この記事を読んだとき、この唐突な記事の結び方これには苦笑せざるを得なかったです、だって記事全文で「期待しない」との数字が明示されているのはここ一箇所、未来の党に対してだけなのです。

 そんなに嫌いなんだなあ、小沢さんのこと。

 ・・・

 どうでしょうか、今検証した通り、読売は「日本未来の党」もとい「小沢一郎」が大嫌いなので、社説でも記事でも「日本未来の党」批判に「偏向」していることは一目りょう然、明白です。

 私は別に「日本未来の党」支持者でも「小沢一郎」支持者でもありませんが、ここまで「不偏不党」の「公正」なマスメディアに「偏り」をもって批判報道されていることは、少しばかり理不尽だなあと同情したくなります。

 読売はここまではっきりと特定政党を否定するのなら報道の「公正」をうたっている「読売信条」を放棄したほうがいいと思いますがいかがでしょうか。

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