「ふわっふわ!」
1月23日に放送された「I LOVE みんなのどうぶつ園」(日本テレビ系)で、そう声を上げたのはMCの相葉雅紀(38)。「砂漠の天使」と呼ばれる小動物を抱いたのだが……。
相葉に動物の扱い方を指導
相葉はこの日に放送されたロケで、KAT-TUNの亀梨和也らと横浜へ。「見て・ふれ合って・買える」と謳うペット動物園「インナー・シティ・ズー ノア」を訪れた。ノアはペンギンやナマケモノなど約300種類を展示し、ミーアキャットやふくろうなども販売する業者。また動物をテレビに貸し出しており「みんなのどうぶつ園」とは、前身の「天才!志村どうぶつ園」からの付き合いだ。

相葉雅紀 ©文藝春秋
「運営する高橋賢司社長は『どうぶつ園』開始以来16年間、相葉に動物の扱い方を指導してきた。相葉は“動物の師”と仰いで信頼し、カメラが回っていないところでも熱心によく質問しています」(番組関係者)
スナネコの背中を何度もなでるシーンが炎上
今回の目玉は世界最小級の野生ネコであるスナネコ。アフリカや中東の砂漠などに生息し、世界で120匹ほどしか飼育されていないスナネコの繁殖に、ノアは成功したという触れ込みだ。
この希少なネコを腕や肩にのせて抱く相葉に、「かわいい」とすりすりする亀梨。
ところが――。放送後、ペットのようにスナネコの背中を何度もなでなでしていじりまわす、つまり嬲(なぶ)る姿に、視聴者からSNSで「動物愛がない」「なぜ飼いたいと思わせる映像を流すのか」などの抗議が相次ぎ、炎上したのだ。
なぜなのか。スナネコを飼育・展示する「神戸どうぶつ王国」と「那須どうぶつ王国」の園長を務める佐藤哲也氏が解説する。
「ああいう放送をされると今後協力しかねる」
「法律上、スナネコはきちんとした手続きをすれば輸入や販売できる種類ですが、牙や爪もするどく、1歳を超えると本能に基づいて野生戻りをすることもあり、ペットには向いていません。動物園では野生動物のための環境や医療ほか福祉に基づいた管理、種の保存を行っていますが、一般の家庭ではそれができないという問題点もあります」
神戸どうぶつ王国はこの番組の撮影にこれまで何度も協力し、今後放送予定のスナネコのロケも収録済みだった。だが、23日の放送を見て、「ああいう放送をされると今後協力しかねる」と番組担当者に抗議を申し入れたという。
「取材の時にも、『スナネコのペット化につながるような形にしないで下さいね』と伝えてあり、『そこは配慮します』とのことだったのですが……」(同前)
日本テレビに見解を尋ねると…
ノアの高橋氏に聞くと、
「確かにうちは『動物園とペットショップのいいとこ取り』をコンセプトにしています。他にも希少種を取り扱っていますが、ペットとして飼うべきだと言っているわけではありませんし、炎上したのは今回が初めてです。それだけスナネコに人気があるんでしょう」
と戸惑った様子。
「スナネコは輸入から繁殖までに20年かかりました。『簡単に飼える』と言ったことはなく、現時点で販売もしていません」(同前)
前身の「志村どうぶつ園」はトレーナーによるチンパンジーへの暴行をはじめ、ヤギへの落書きなどトラブルが何度も報じられてきた。
日本テレビに見解を尋ねると「(スナネコの)ペット化を助長する意図はございません。動物園や専門家の方々のご意見を伺いながら、今後も制作を進めてまいります」と回答があった。
番組の出演者やスタッフには動物へのLOVEがもっと必要かも。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年2月11日号)