記事

アメリカが尖閣問題で日本支持を表明したことに対する中国の反応

 アメリカ議会上院は、尖閣諸島について、日米安全保障条約の適用範囲内であることを明記した条項を、現在審議中の国防権限法案に盛り込むことを決めました。

 当然これについて中国側は反発しているわけですが、それについて香港の『太陽報』が「美国将点燃东亚火药桶」という記事を掲載しており、いろいろ興味深かったので、これについて少し。

1 記事の紹介

 最初にいつもの通り記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。

 アメリカ議会上院は現在審議中の国防権限法案に補充条項を入れ、アメリカが対日防衛義務のある「日米安全保障条約」の第5条に釣魚島が適用されることを明確に規定することを決定した。

 これは、もしこの条項が成立し、発効すれば、日中が釣魚島で武力衝突を起こした場合、アメリカは軍事介入をすることを意味する。これまで、アメリカはこの問題について曖昧な態度をとってきた。国防権限法案は来年度の国防予算総額を決める場であって、他国の領土問題を話題にすることは、滅多にない。

 日本はこのニュースを受けてたいへん興奮し、各大手メディアは次々と報道している。日本はアメリカという大樹に寄りかかれるのだから、もちろん興奮する理由があるわけだが、アメリカはこれにより、東アジアの火薬庫に点火することを考えなくてはならず、最後は自分で対価を支払わなくてはならない。

 第二次世界戦争の後で、アメリカは自分の利益のために、日本の軍国主義を徹底的に清算せず、日本では軍国主義の亡霊が一貫して存在している。近年、経済が低迷し、日本の右翼思潮は高まりを見せている。

 もし日本の右傾化が政治屋の言葉だけなら、まだあまりに深刻な事ではない。しかし明確になりつつあるので、警戒しなくてはならないし、近年、日本外交・国防は日に日に強硬となり、周辺国家に対して進撃性を高め、ロシア、韓国、中国などと領土紛糾を引き起こしており、しかも態度は横暴だ。

 同時に、日本は軍事力を急速に高めている。表面上、自衛隊の規模は大きくない。しかし日本の潜在軍事力は既にアメリカに次いで世界第二位であることは、周知のことであり、いわゆる平和憲法は、とっくに空文化している。

 そして、日本の多くの政治家は今なお平和憲法の廃止をわめきたてて、最後のベールを捨て明確な軍備拡張をしようとしている。これらの兆しは明らに日本の第二次世界大戦前の軌跡を繰り返しており、右翼思想が主流となり、軍国主義の亡霊が今復活しつつあることを表しているいる。

 もしこの傾向を阻止できなければ、日本は東アジアの火薬庫となり、爆発すれば、再度アジアの人民に深刻な災害をもたらす。国際情勢から見るに、唯一日本の軍国主義がアジアに厄災をもたらすのを止めることができるのは、アメリカだけだが、アメリカは反対に火に油を注ぎ、日本の右翼分子を放任している。

 このままでは、日本の軍国主義という火薬庫はアメリカに点火される。しかし、実際には、アメリカも東アジアの利益という点から見ると、日本の軍国主義が再度戦争を始めたら、アメリカも最大の被害者となり、重い代価を払うこととなる。


2 個人的感想

 何といっても一番面白かったが、日本がアメリカが尖閣諸島問題で日本支持を表明したことを受けて、日本が興奮しているというところでしょう。

 こうした考え方の後ろにあるのは、これまで(小泉首相の靖国参拝など一部の例外を除き)中国に対し弱腰だった日本がここまで強気なのは、アメリカの後ろ盾があるからだという発想があります(日本はアメリカがいるから、中国に対し強硬な態度を取っている?)。

 だからこそ、アメリカの支持が明確に示された結果、日本は沸き立つという話になるのでしょうが、私は寡聞にしてそうした話は聞いたことがありません。今回の日本側の対応は、反日デモなど中国側がやりすぎたため、日本側が呆れ返った結果であり、アメリカとはあまり関係がないと思っております。

 また、中国メディアの十八番として、日本の「右傾化」「軍国主義」があります。中国共産党にとって日本との戦争勝利は自己の正当性を維持するために必要なものなので、ファシズム研究は盛んになされており、当時の日本の経済状況(不況)と「第二次世界大戦に至る道」みたいな研究は私も読んだことがあります。

 ここいらは専門外なのであまり詳しくないので、間違ったいたら申し訳ないのですが、私の印象として、日本の歴史学者の研究をそのまま持ってきたようなものが多いと思っています。

 その結果、当時の日本における不景気や閉塞感が強調されることとなり、現在長期間に渡り、不景気で苦しんでいる日本では、閉塞感が蔓延し、対外膨張路線をとろうとしているという話になるのでしょうが(不景気に苦しみ政治に失望している日本はファシズムが台頭している?)、はっきりいって自分たちの時代錯誤の思想を押しつけているような感じしかしません。

 軍国主義もいろいろ馬鹿馬鹿しい議論をこれまで紹介してきましたが(日本が北朝鮮の人工衛星を打ち落とす目的は軍事大国化(新華社の報道))、今回も全く同じレベルの話で、日本がアメリカに次ぐ世界第二位の軍事大国というのは初めて知りました。

 ということは、日本はロシア以上の軍事力を持っていることとなるようですが、あまりに馬鹿馬鹿しくてまともに論ずる気にもなりません。

あわせて読みたい

「尖閣諸島」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    立民議員の官僚叩きに批判が殺到

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  2. 2

    上野千鶴子氏 任命拒否に危機感

    女性自身

  3. 3

    机叩き…橋下氏語る菅首相の会食

    ABEMA TIMES

  4. 4

    国に従わず支援求める朝鮮学校

    赤池 まさあき

  5. 5

    悪質な収集家に裁判官怒りの一言

    阿曽山大噴火

  6. 6

    ピアノめぐり上皇后様に感銘の声

    BLOGOS しらべる部

  7. 7

    高級車雨ざらし カーシェア破産

    SmartFLASH

  8. 8

    日当7万円 公務員と比較したのか

    橋下徹

  9. 9

    岸長男めぐり安倍家-岸家が火花?

    NEWSポストセブン

  10. 10

    「LGBTで滅びる」削除要請に非難

    女性自身

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。