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「義理チョコをやめて、コンビニで高級チョコ」コロナ禍バレンタインの大異変

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コンビニでスイーツがよく売れている。その背景にはコロナの影響による「ごほうび需要」の高まりがあるようだ。とりわけ高額品が動くバレンタイン商戦はどうなるのか。コンビニジャーナリストの吉岡秀子氏が大手3社に取材した——。

セブン-イレブンのバレンタイン商品
セブン‐イレブンのバレンタイン商品 - 画像提供=セブン‐イレブン・ジャパン

義理チョコが減り、より個人的なイベントになりそうだ

もうすぐバレンタインデー。通常ならギフトを買い求める女性や、自分で食べたい“チョコ好き”たちが、目当ての専門店や百貨店の催事会場をはしごする姿が街にあふれるころだ。だが今年はコロナの影響で、そうはいかない。外出自粛を控える人が多いのに加え、売り手サイドも対面販売を縮小し、オンライン販売へ切り替えるケースが目立つ。

こうした異例づくしの光景を見ると、イベント自体が盛り上がらないのでは、と思ってしまうが違うようだ。ハンドメイドマーケットプレイス「Creema」が行った「バレンタインに関するアンケート」(2021年1月12日・男女ユーザー1000人対象)では、「コロナ禍でもバレンタインギフトを誰かに(自分を含む)贈る予定」と回答した人は84%と高い。主な送り先は多い順に「夫・恋人」「子ども」「親・兄弟姉妹・祖父母」で、昔から仲間同士や職場のコミュニケーションツールとしてニーズがあった「義理チョコ」については「贈らない」という回答が68.2%に上る結果に。

つまり今年も年に一度のバレンタインデーを楽しもうという気持ちは変わらないが、人との接触や密を避ける必要があるため、ぐっとパーソナルなイベントになることが予測される。「義理チョコ」を買わなくていい分、その予算を自分や家族用のチョコに回そうと考えている人が多いのではないだろうか。

コロナ禍でも、コンビニスイーツの売り上げは好調

変わりそうなことはまだある。チョコを買う場所だ。人気の高いチョコ専門店や百貨店まで買いに出掛けるのを控え、インターネットでの購入者が増えることは安易に予想できる。だが、イベントのピークによくある「バレンタインムードに押されて、急にチョコが食べたくなった」といった“衝動買い”に応えようとすると、配達に時間のかかるネット購入はやや難しい。

そのかわりに、「近所にある」というメリットを持ったコンビニチョコの出番が増える可能性が高い。現に、外食自粛やリモートワークの継続など、ストレスフルな新生活様式の中で、コンビニスイーツの売り上げは好調だ。身近な“癒やしアイテム”として定着した感がある。

「2020年4月~12月のオリジナルスイーツの合計売上高は、前年同期間を上回る実績となっています」(ローソン)

だが足元を見れば、経済活動の冷え込みとともにコンビニ業界全体の業績は厳しい。その中、好調なスイーツ分野が主役のバレンタイン商戦にかける意気込みは相当だ。その証拠に今年のコンビニバレンタインチョコは、昨年とひと味違う。

ハイブランドチョコを1000円前後で展開するセブン

「弊社のバレンタインのチョコは幅広い年齢層の女性のお客さまに人気が高く、近年は、贈答用の需要も根強くありますが、自分用の商品の販売が伸長しています」(セブン‐イレブン、以下セブン)

昨今のバレンタインシーズンは、百貨店などが企画し、有名専門店が一堂に会するチョコイベントが人気だ。「おいしいチョコを食べたい」だけでなく「スペシャルなチョコを手に入れ、SNSにアップしてみんなに見てもらう」のも、多くの女性にとってバレンタインデーの楽しみ方のひとつになっている。

「今年は、バレンタインイベントの気分をセブン‐イレブンでも楽しんでいただきたいと、人気専門店のブランドチョコをそろえました」(同)

グテbyセバスチャン・ブイエ「フリュイショコラ」(1080円・税込み・以下同)やDari K「シトラスカカオチョコレート」(864円)、テオブロマコレクション「ショコラ7個」(1080円)など、ブランドチョコをここまで拡充したラインアップは初の試みだ。中でも「フリュイショコラ」は、「セバスチャン・ブイエさまと一緒に取り組み、フルーツの輪切りを忠実に再現しようと試行錯誤した」、思い入れの強い商品だという。

こうした人気シェフ監修の本格チョコが、ひとつ1000円前後。スケールメリットのあるコンビニならではと言っていいだろう。

「フリュイショコラ」(1080円・税込み)。果汁やピューレが入って、フルーツの味わいも楽しめる
「フリュイショコラ」(1080円・税込み)。果汁やピューレが入って、フルーツの味わいも楽しめる - 画像提供=セブン‐イレブン・ジャパン

ファミマが発売した、シェフ監修の「手作りキット」

ファミリーマート(以下ファミマ)のラインアップは、昨年より“ファミリー感=家族で楽しめるチョコ”が増えたのが特徴。ケンズカフェ東京とコラボした限定ギフトや、ルビーチョコを使った「ロッテ アーモンドルビーチョコ」(598円)、「不二家 ハートチョコレートピーナッツBOX」(162円)など、100円台~1000円台の幅広い商品がそろう。

中でも、ケンズカフェ東京・氏家健治シェフ監修の「おうちで楽しむ手づくりキット」シリーズに注目したい。多忙な客が多く「すぐ食べられる」商品をそろえるコンビニが、手作りする商品を出すのは珍しいからだ。発売した理由をファミマに尋ねると「ステイホーム期間でも、ご自宅でバレンタインを楽しんでいただきたい。そんなコンセプトで考えました」という。

試しに「濃厚ガトーショコラ」を作ってみた。無塩バターと卵、牛乳の用意は必要だが、箱の中にクーベルチュールチョコレートやグラニュー糖、ガトーショコラミックス、紙製焼き型まで入っているので、あれこれ迷わず気軽に作ることができる。焼き上がりに食べるのを我慢して、少し冷ますとしっとり濃厚なガトーショコラが出来上がった。所要時間は約40分。巣ごもり時間を家族で楽しむ“過ごし方提案チョコ”としてニーズがありそうだ。

「おうちで楽しむ 濃厚ガトーショコラ 手づくりキット」(1200円)(左)、キットの中身(右)。ほかに2色のチョコポップや本格チョコチャンククッキーもある
「おうちで楽しむ 濃厚ガトーショコラ 手づくりキット」(1200円)(左)、キットの中身(右)。ほかに2色のチョコポップや本格チョコチャンククッキーもある - 画像提供=ファミリーマート

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