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仏、感染防止で新労働法発効

写真:仏、エリザベット・ボルヌ労働大臣 出典:Antoine Gyori /Corbis via Getty Images

Ulala(ライター・ブロガー)

【まとめ】

・仏では、これまで職場での食事は労働法で禁止されていた。

・しかし感染防止の一環で職場での食事を許可する新労働法が発効。

・規則も法律も時代や環境によって変化していくべき。

日本について考えてみれば、食堂などで昼食を取らない場合、お弁当を持っていったりコンビニで買ったりしたつつ、お昼ご飯を自席のデスクに広げて食べることはよくある光景の一つだろう。だが、なんと、フランスではそんな光景は普通ではなかった。それもそのはず。実はフランスでは職場で食事することは労働法で禁止されていたのだ。

■ 職場で労働者が食事することは禁止

フランスで労働者が職場で食事することの禁止については、フランスの労働法Article R4228-19に、しっかりと明記されている。もし、この労働法に違反した場合、雇用主は労働監督官が作成した報告に従って罰金を科せられ、従業員は懲戒処分になるリスクもある。しかしそれと共に、雇用者は食事するスペースを労働者に提供しなければいけないと定められており、通常は指定の場所で食べることができるのだ。

だが、現在、フランスで働く労働者の中にはその話を聞いて心底驚いた人もいるだろう。なぜなら新型コロナの流行に伴いレストランが閉鎖され、指定された場所には人数制限で入れず、食事を職場のどこかや自席でとるようになった人も多くなったからである。

▲写真 コロナ感染防止対策規制により閉鎖されたレストランとその前を通り過ぎる人 出典:Kiran Ridley/Getty Images

テレビのなんでも相談コーナーにも、このような相談内容が届いた。

「レストランの閉鎖が始まってから普通に職場の自席で食事していたのですが、じゃあ、私はずっと違法なことをしていたということですか?」

実は、この法令は19世紀後半から20世紀につくられたもので、当時は工場など衛生的ではない職場で食事することを想定されていたという。そこで雇用者は労働者に対して食事に適した衛生的な環境を提供しなくてはいけないといとしたのだ。

その時代にくらべれば、近年ではデスクワークが増えるなど自席のデスクでも食事するのに十分に衛生的な環境な場合も多い。それでもキーボードにソースが飛び散ることを考えれば、食事用の専用スペースで食べる方が現代社会においても衛生的といえ、今でも都合がいい規則には違いなかった。

だが、去年からその状況は一変した。新型コロナウィルスが猛威を振るっているため、会社内に食事できる場所が別に用意されていたとしても、感染防止のために各自2m開けた環境が必要となったのだ。そうなるとレストランも閉鎖され社内で食事する人も増加した現在、元からある食事スペースだけでは対応できないケースが増加した。そんな状況で、職場で食べるのが違法と言われても困ってしまうだろう。

そこでこういった状況を受け、先週、エリザベット・ボルヌ労働大臣を中心に検討が行われた。その結果、新型コロナウィルスの感染防止策の一環として、近日中にオフィスで食事することを許可する新しい労働法が発効されることが決まったのだ。

このことにより、ようやく今後はフランスでも合法的に自席で昼食を取れるようになったと言える。知らずに今まで規則違反をしていた従業員もこれで一安心である。

■ この他のフランスのちょっと目を引く法令

だいたいフランス人ですら、自席で食事してはいけないなんて知らなかった人は多い。日常とかけ離れた世界の規則であったようにすら思えるが、フランスの労働法には、実はこの他にも何件か読んでて「えっ?」と思うような法令が存在する。

例えば、アルコールに関する規定だ。日本では職場でアルコールを飲むこと自体あまり想像できないが、なんとフランスでは、ちゃんと労働法で軽度のアルコールを職場で飲酒することが許可されているのだ。飲んでもいいアルコールの種類は、ワイン、ビール、シードル、洋ナシ酒(蒸留酒)である。しかしながら、その摂取量の上限は記載されていない。

上限は会社内の規則で制定することになっているが、では会社が規定していない場合はいくらでも飲んでもいいということだろうか?もちろん例えフランスでも、そこまで許されているわけではない。労働法では酔っぱらった人が社内に出入りすることが禁止されているからだ。そのためひどく酔っぱらうと違反になるので気を付けなければいけないだろう。そう考えるとお酒に強くない人の場合は、いくら労働法で許可されているとはいえやはり社内で飲まない方が無難かもしれない。

また、他にも、「未成年を雇って、物乞いさせることを禁止する。」という労働法もある。未成年保護の名目としてもっともな内容だ。だがすでに刑事法で処罰付きで禁止されている内容でもあるため、労働法に書かかれること自体おかしいのではないかとも言われている。よって、いつか削除される可能性はある。

また、労働法ではないが、以前はフランスには、「女性が男装するのを禁止」という条例もあった。ようするに女性がズボンをはくことが禁止されていたのだ。女性が男性のような服を着たい場合は警察の許可が必要だということが、1800年11月7日付けに発布されたこの条例にしっかり明記されている。この条例は、とりわけ女性が男性のような服を着ることを防ぐことにより、特定の職務や職業への女性のアクセスを制限することを目的としており、女性が特定の職業に付けない時代の規則だったと言えるだろう。

この条例は長年残り続けたが、もちろん現在社会では性別によって職業が制限されることもなく、普通に自由な服装を楽しむ時代へと変化していった。今では女性のパンツルックが禁止されていたことすら知らない人の方が多いくらいだ。そこで2013年に廃止されることが決定。この結果、フランスでようやく女性がズボンを履くことが正式に許可されたのである。

■ 時代に合わせて法も変化していくことの大切さ

フランスも昔に作られたため時代にそぐわない規則があるが、現実に即さない場合は、適切に時代に合わせて改正していっていることがよくわかる。時代に合わせて法を改正していくことは、国民が法を守り続けるためにも大切な保守作業の一つとも言えるのではないだろうか。規則も法律も時代や環境によって変化していくべきものなのである。

参考リンク:

Covid : les salariés bientôt autorisés à manger à leur poste de travail

Alcool au travail : quelles règles respecter ? | service-public.fr

LES FEMMES ONT (ENFIN) LE DROIT DE PORTER UN PANTALON

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