新型コロナ禍の真っただ中で留まるところを知らずに上昇線を描く株価チャートを見ながら、連日報じられる「29年ぶり」というフレーズに胸を高鳴らせたのは去年の暮れくらいのことだったか。
k-houmu-sensi2005.hatenablog.com
当時も、いつまで持つんだろう、と半信半疑で眺めていた記憶があるのだが、今時代は、この頃の「日経平均26,000円台」という数字が遥か彼方に見えるくらいのところにまで来てしまっている。
本日、2月9日の高値29585円75銭、終値でも29505円93銭。
もう一度繰り返す。「日経平均29,000円台」である。それも半ばを超えて。
昨日の時点で「30年6か月ぶり」というアバウトな報道がされていたので、今日の記録更新を踏まえて改めてひも解いてみると、
1990年8月3日以来*1
ということらしい。
どんな時代も、その渦中にいると「トレンド」にはなかなか気付かない。
自分にとって31年前のこの夏といえば、薄ぼんやりと影が差していた10代途中までの記憶の中では数少ない、鮮烈なカラー映像とともに蘇ってくる夏だったりもするのだが、逆に言えば、この頃の株価がどうだったか、なんてことは、当時から日経新聞には目を通していた身であったにもかかわらず、記憶のどこにも残っていない。
当時のニュースを調べて出てくるのも、「ああ、この頃、湾岸戦争(イラクのクウェート侵攻)が始まったのだなぁ・・・」という感想くらいだ。
ただ、ヒストリカルデータは、この年、年初からじわじわと下がり続けていた株価が、この8月に一気に日経平均ベースで5,000円以上下げ、1989年の年初以来謳歌していた「日経平均30,000円台」の世界を歴史の中に葬り去った、ということを残酷なまでに示している。
逆に言えば、1990年の8月は、現代人が昨年の11月からの3か月ちょっとの間の「極めて急ピッチ」と感じていたような株価変動の幅をさらに上回るような激しさで「下げた」月でもある。