東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗氏の女性蔑視発言が波紋を広げていく中、東京都議会の立憲民主党会派が森氏の辞任を求める決議を近く提出することが明らかになった。
自治体議会の意思として、国や行政機関に対して意見を送付することが地方自治法で規定されているが、今回提案されているのは、行政機関に送付するものではなく、内外に都議会の意思を示すことになる「決議」として提案されるものだ。
決議文は下記のとおり。他の会派との調整で文案は変更される可能性はある。
■小池知事と他会派は?
オリンピックについては、小池東京都知事の動向が注目されるが、森氏の発言については『絶句した。あってはならない発言だった』と批判したが、森氏から謝罪電話があったことで『森氏の進退は「誰がふさわしいかというのは組織委の判断も必要だ」と述べるにとどめた。記者団から森氏の続投を容認するかどうか問われたが「IOCは非常に大きな組織で交渉が必要で、森会長はこれまでの交渉を重ねてきた累積もある」と、一定の評価を示すなど“絶句”から一転、トーンダウンした形となった』(小池百合子都知事「絶句」のち…実績を“評価” 森喜朗会長から謝罪の電話 スポーツ報知 2/6) となっているように「辞任」についてはお茶を濁している。
このため、小池知事が特別顧問を務める最大会派「都民ファーストの会」と都議会の自民党会派、政権では与党となる公明党などの他の会派の対応が注目される。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会 森喜朗会長の女性蔑視発言に抗議し辞任を求める決議(案)
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、「女性がたくさん入って いる理事会は時間がかかる」と発言したことが報道されました。謝罪会見においても、自らの発言内容やジェンダー平等に関して、認識を改める旨の発言が見られなかったことは、大変遺憾です。
ジェンダー平等は東京大会の基本的原則、オリンピック憲章に反することはもちろん、普遍的な人権課題として東京都議会としても取組んでいる課題であり、会長から偏見に基づく女性蔑視の発言があったことは、極めて深刻な問題であり、看過できません。
ジェンダー平等が世界的潮流の今日、国内外から批判の声が広がる中、森会長が会長職に とどまることを看過することは、東京大会の価値をおとしめ、女性差別に対する東京都議会の見識すら問われかねないゆゆしき事態です。
東京都議会は、森会長の女性蔑視発言に強く抗議するとともに、会長職を辞任すべきと考え、ここに決議します。
以上
【参考】
時事通信 「森氏辞任を」決議案 都議会立憲、賛同募る(2/9)
立憲民主党 東京都総支部連合会 「2月9日(火) 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会 森喜朗会長の女性蔑視発言に抗議し辞任を求める決議(案)をまとめました」(画像はこちらから転載)