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(本)田村耕太郎「君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?」

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君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?
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田村 耕太郎 中経出版 2012-12-01





田村さんの新刊を献本頂いたので早速読書メモ。相変わらず熱いです。

準備せよ!

・英エコノミスト誌は、2050年までの約40年間の日本の年平均成長率を0.9%と見込む。これは世界の諸地域で最も低い値で、世界平均3.7%の4分の1以下だ。(中略)現在、日本の人口は世界70億人の1.7%ホドアルガ、2050年には1%ほどとなる。バブル期には世界シェアがGDP(購買力平価換算)で10%以上あった日本だが、現在そのシェアは半分程度の5.8%に縮小。このエコノミスト誌の予測によれば、日本のGDPは2050年には世界シェアの1.9%にまでウェイトが落ちる。今世紀の真ん中である2050年には、世界人口の99%、世界経済の98%は日本の外にあることになる。

・ちなみに、世界経済フォーラムが出している2011年世界競争力ランキングの上位4カ国は、スイス、シンガポール、スウェーデン、フィンランドと、すべて人口1000万人以下の国々だ。

・「中国とインドの時代」が新たに来るのではなく、歴史はずっと「中国とインド」であったのだ。彼らは新興国ではなく、旧興国とでも言おうか。

「これからは一生現役の時代が来る。ライフスタイルが大きく変化する。短くなる企業の寿命も厳しい国家財政上も人口動態面からも、我々の優雅な引退を次世代が支えてくれることはない。引退したら自分を養えなくなる」。「ジャンクボンドの帝王」と呼ばれた、マイケル・ミルケン氏がモスクワで私の目の前で言い切った。

・自分の心の中に、自分の意思決定について常に反対意見・問題提起をする別人格をいつも用意しておこう。(中略)これは、英語でデヴィルズ・アドヴォケイト(悪魔の代理人)と言われ、もともとカトリック教会での列聖調査の方法として使われていた方法だ。

・他人の時間についても同様に、タイムコストを意識するべきだ。「田村さん、お時間下さい」とありがたい申し出が学生からあるが、相手の時間コストも想定してほしい。「僕と会うこの30分で田村さんは実は***円分失っているんだ」との意識を持ってほしい。「会いたくない」と言っているのではない。「だったら田村さんが失うタイムコスト以上に価値のある話をしよう」と思ってくれればいいのだ。

・直感とは、何も考えずに判断するのではなく、自らに蓄積したあらゆる経験から判断材料を引き出し、それを瞬時に使って結論を出すことだ。

・ベストセラー作家の本田健さんが「家をなくしても1年間タダで泊めて食わせてくれる友人が持てたら人生怖いものなし」と言っている。

・そもそも、日本の外では、もともと年齢に関係ない人間関係が基本である。アメリカではまず年齢を聞かれることはないし、就職の面接で年齢を聞こうものなら訴えられる。仕事場でもファーストネームで呼び合うので非常にフラットな関係が保てる。「長幼の序」は「孟子」の中にある言葉だが、その発祥の地・中国ではあらゆる組織で年齢に関係ない抜擢が行われている。

外国人で長く付き合える人間を選ぶ時の私の基準の一つが信仰心である。信仰心が強い人間はあてになる。彼らはディシプリンを持っている。クリスチャンでもユダヤでもイスラームでもヒンズーでも宗教を問わずだ。

・スティーブ・ジョブズはAppleの成功の理由について、「常にテクノロジーとリベラルアーツの接点に立とうとしてきた」からと述べている。彼は、IT社会での成功には今まで以上に教養が必要だと認識していたのだ。教養とは膨大な情報の中からどれが本物か、今必要とされているのは何かを選り分ける力とも言える。

・なぜ朝と昼をビジネスに充てるのか?逆算して考えてみると、それはエリートたちが自分と家族を大事にしているからだ。海外ではまず接待や仕事色のある晩御飯の機会はない。晩御飯は家族と食べるのが普通だ。夕方のレセプションやパーティーはたまにあるが、ディナーの時間をビジネスに使うことは本当に稀だ。

・社会奉仕活動の過程で鍛えられるのがリーダーシップだ。リーダーシップとはビジョンを掲げ、それを説明し、共感を持ってもらい多数の人を巻き込んでいくことだ。社会奉仕活動のためのファンドレイジング、つまり資金集めこそがリーダーシップの訓練の場なのだ。


という感じで、いかにもエネルギッシュな田村さんらしい人生指南が溢れている一冊です。「グローバルエリート」を目指して生きていきたい方は読んでおくべき一冊でしょう。


個人的に感じるのは、田村さんの本に限らず、この種のマッチョな価値観に付いていける人ってどのくらいいるのかなぁ、という素朴な疑問。僕はまだ付いていけますが、今就活している大学生なんかは「何この世界…こんなところで戦いたくないなぁ」と引いてしまう人もいそう。

が、新興国の台頭と日本の縮小は明らかですし、否が応でもこの種の価値観には、ある程度染まらなくてはならないのでしょう。「君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?」という問いかけはグローバルエリート候補生だけでなく、日本で働く労働者全員に投げかけられているのだと思います。

世の中はシフトしていきます。ぜひ早めに、「グローバルエリート」の世界に触れてみてはいかがでしょうか。

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田村 耕太郎 中経出版 2012-12-01

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