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ヤンキー先生こと義家弘介氏に求めている文科相像は?

 ヤンキー先生こと義家弘介氏は、安倍シャドウ・キャビネットの文科相だそうです。
 自民党ホームページ「シャドウ・キャビネット
 何故、この義家氏なのでしょう。
 単に「ヤンキー先生」として有名だからでしょうか。それでは、自民党は人材不足の象徴にしか見えません。
 義家氏については、有名なわりには、教育に関する実績というものが全く見えてこないんですね、この方。
 ウィキペディアに掲載されている経歴をみると、やってきたことがすごいなと思うのですが、もちろん、どこまでが真実かは分かりませんので、それについては述べませんが、ただ、「元ヤンキー」だったということ以外に、何もないんですね。
 それで、ブロゴスに掲載されたブログ記事を読んでみたのですが、要は、言いたいことは、「日教組はダメだ」ということばかりで、全く中身がありません。
 それが安倍晋三自民党総裁のような復古的保守派の理念に合うのでしょうが、それだけでしかなく、それで「教育の再生」なんて無理です、というより教育を破壊するだけでしょう。
 現在の自民党が基調とする教育再生は、復古的な日の丸・君が代教育だし、「愛国」教育ですから、これで、どうやって人としての優しさを身につけるというのでしょう。
 格差社会によって崩壊してしまった、崩壊しかけている日本社会の統合を教育で何とかしようというのですが、それが「愛国」教育だというのですから、力で抑え付けようというだけです
 このような力による統制で教育ができようはずもなく、力での統制など、所詮、限界があるし、それがいびつな形で問題点が吹き出すことになりますから、かえって教育は崩壊するであろうし、陰湿なイジメにつながっていくことになります。

 他方で、文科省にとっては、「愛国教育」は、日の丸・君が代を通じて、反抗する教員を排除しうるという意味での統制手段を獲得するということになります。

 「愛国教育」というのは、阿部氏などの保守(反動)派による復古的な側面と、構造改革派による教育現場への統制という側面が同居したものですが、しかし、それは最高裁判決(2012年1月16日)によって、「戒告」どまりとなり、それ以上の統制は困難となりました。
 もちろん、「戒告」によっても査定に影響しますから退職金等の額も違ってきますから、多くの教員には萎縮効果を及ぼすことになりますので、統制手段そのものがなくなったわけではありませんが、しかし、当初、見込んでいた統制からは挫折させられています。

 ところで、義家氏のブログ記事では、滋賀県大津市のイジメに対しても言及していますが、
 「教育行政の真ん中からの発信」(2012年10月29日)
「『いじめ』かどうかの『認定』に多くの時間を割くよりも、目の前の苦しんでいる生徒を救う手だて考え実行することこそが、学校の責務。
多くの皆さんが共有する切なる思いだろう。」


 何だか三文ドラマの筋書きのよう。いかにも、「オレは、目の前の生徒に手をさしのべてんだ。」と言わんばかりの言いぐさ。
 教育行政であれば、「認定」という作業は、それはそれで必要なことです。当たり前のことです。
 今回の件は、教育現場の隠ぺいなどが問題にされているのであって(このような視点に立っても義家氏の意見って、中身がないんですね。)、「認定」手続き自体の問題ではありません。
 そのような行政の役割などを一切、すっ飛ばしてしまい、あたかも「オレ」は人情に厚いんだみたいなことを言ってはばからないところが文科相として不適格。

 さらには、
逆に、隠ぺいした学校や教師こそが、最低、最悪の評価になる、くらいのことは、まともな人なら誰だってわかるだろう。
いじめを早期発見、対応、解決して、自身の評価が下がった、という人がいるならぜひお会いしてみたい
。」
 一体、何をどうしたら、このように勇ましくなれるのか不思議です。何の脈絡もない、この結論。
 教員に対する締め付けを行い、管理職による統制を行い、管理職に対しては、イジメの件数を報告させる。
 このようなことをやっていたら、事なかれに陥るのは目に見えていたことです。
 できれば、自分の目の前で、あるいは担任である間は表面化しないで欲しい、とう状況になるのも当たり前。
 さらには、教員の自主的活動にまで統制を及ぼしたりするようでは、教員のサラリーマン化を招くの必至でした。それが今日の教育現場の実態です。
 そのような教員に対する統制を問題にすることが、「いじめを早期発見、対応、解決して、自身の評価が下がった、という人がいるならぜひお会いしてみたい。」というところにつなげること自体が意味不明なのです。
 もともと、文科省は、このような主体的な活動をする教員を疎ましいものとして扱い、嫌悪してきてこと、また、そのような自主的活動をする教員には、管理職のやり方(教育統制)に抵抗する勢力が少なからず含まれていることから、教員に対する統制は、最初から狙い撃ちにしていたものでした。構造改革への抵抗勢力そのものとして位置づけられていたということでもあります。
 それら自主的な研修などは、一昔前であれば日教組が主催して行われることも多く、その活動の中心にありました。
 だから、文科省は、目の敵にしているのです。
 それを義家氏の「評価が下がったものはいるのか」的な議論の仕方は、現実を知らないというにとどまらず、単に、日教組を潰せ、というだけの極右的な単純発想でしかないのです。これでは教育を語る資格はありません。

 イジメ対策にしても、文科省が、現在、考えているような、教員養成を大学院化構想と合わせて6年にしようとしている、要は、教育期間を延ばせば何とかなるというものではありません(これでは単なる文科省の利権の拡大にしかなりません。)。
 本来、イジメなどの問題は、教育現場の中で、教員が自主的な活動により、経験を持ち寄り、あるいはその経験を批判的に検証するなどして、現場の中で研鑽されていくべきものです。
 それを机上のお勉強で何とかなるという発想で人材が育成できると信じているところが恐ろしいのですが、このような高度専門大学院構想は、法科大学院制度と同じで、人材の育成方法を完全に誤ったものです。

 そして、この文科省行政のトップに義家氏というのでは、最悪のコンビといえます。
 まだ、田中真紀子文科相の問題提起の方が素直になるほどと思えるくらいです。
 「法科大学院制度の在り方 田中真紀子文科相の「決断」から考える

結局、安倍「内閣」って
 安倍内閣に、義家文科相
 防衛相 武田良太氏
 副大臣 小泉進次郎氏、佐藤正久氏
自民党の「国防軍」って一体…、好戦内閣の誕生か?」

 一部のネットウヨクだけが喜びそうな最悪内閣です。


参照
安倍自民党影の内閣に極右の稲田朋美法務大臣、ヤンキー先生義家弘介文部科学大臣とは野田内閣より劣化確定」(Everyone says I love you !)

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