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第10回ジオメディアサミット/3層構造で考える地域メディアの未来

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途中参加になってしまった

ここのところ毎回参加させていただいていたジオメディアサミットは、もちろん今回もフル参加させていただくつもりだったのだが、どうしても抜けれない仕事が入ったため、大幅に遅れて参加することになってしまった。従って、今回の記事は残念ながらサミット全体ではなく、そのほんの一部から触発された感想文でしかない。とはいえ、それでも、今回も強く印象に残ったお話はあったし、今後とも時間をかけて考えてみたいテーマを与えて頂いた気がする。感謝の気持ちを込めて、少しだけでも書けることを書いておこうと思う。(ジオメディアサミット・トリビュートとでも言っておこう。)

<開催概要等>

第10回ジオメディアサミット「地域メディアの可能性」 | PeaTiX

  

素晴らしいアジェンダ設定

毎回感じていることだが、このジオメディアサミットのまず第一に素晴らしいところは、アジェンダ設定だ。今回のテーマは『地域メディアの可能性』というのだが、これが実に絶妙なタイミングに私には感じられた。

もっとも、『ジオメディア、SNSを通じた地域コミュニティの活性化』という趣旨の取り組みについては、他でも比較的早い段階からその必要性について様々に語られてきたし、実際、地域SNSはこれまで全国で多数展開されてきている。しかしながら、多くは鳴かず飛ばずだったり、一時期うまく行っているように見えても、結局長く続かずに閉鎖してしまうところも多い。しかも、成功しているところでも、その成功理由が、リーダーの個性に依存していたり、特定の地域独自の事情に依拠していたりと、なかなか汎用的なフォーミュラに昇華させることが難しいケースも多い。主催者の関治之氏もサミット終了後にFacebookで述べているように、いざ成功事例をネットで調べようとしても、なかなか見つからずに困惑することになると思う。正直それが現段階での正味の『現実』だ。だから、今回のテーマ設定に、『今更?』、と感じる向きもあろう。

だが、それでも今のタイミングにこのテーマを選ぶことは大変意義深いと思う。なぜなら、まさにこれから、従来にないほどの非常に大きな規模で『SNSによるコミュニティの活性化』というテーマの大きな波が来る予感があるからだ。だから、今回のサミットはこの大きな波の頂点に乗っかったわけではなかったかもしれないが、絶妙なタイミングでその入り口となったのではないかと思う。しかも、そういう観点で見ていると、一見、比較的地味に見える今回の登壇者のお話の中にも、磨けば光る『原石』を沢山見つけることができる。さらには、第9回から今回までの間に、名古屋、東北、神戸など、地方でジオメディアサミットが開催されてきているというのも非常に示唆的だ。ただ、どうしてそう思うのかについては、多少説明がいりそうだ。

スマートシティ

昨今、『スマートシティ』というキーワードを大変多く目にするようになった。(しかも、日本だけではなく、世界中で注目されているキーワードといえそうだ。)ただ、これを正しく定義することは意外に難しく、原段階ではかなり多義的と言わざるをえないが、「最新技術を駆使してエネルギー効率を高め、省資源化を徹底した環境配慮型の街づくり」*1といえば大方間違いなさそうだ。特に日本では、東日本大震災の影響で、『再生可能エネルギー』や『エネルギー効率』の問題が特に脚光をあびたこともあり、街全体の様々な地物にセンサーや制御機器を配備して、エネルギー効率を最大限あげていく試みとして注目されてきている。多くの産業の技術が総動員されることになるから、事業としても非常に大きな規模になることが想定されていて、次世代のビッグビジネスとして注目されている。そして、IT技術、中でも、ジオ関連技術は中核中の中核ともいえる存在だ。

人口動態

ただ、この『スマートシティ』がベースとする『エネルギー』や『環境』の変化と同等かそれ以上に大規模で深刻な変化は、『人口動態』上の大変化だ。特に日本の場合、これからは、この『人口動態』の変化に翻弄されることは覚悟しておく必要がある。

まず、総人口は2011年10月に、過去最大の25万9千人減/年を記録し、日本は人口減少社会に突入したことを強く意識させられた。しかも、経済に最も大きな影響を与える生産年齢人口(15~64歳)の急減はさらに深刻で、今後50年間の間に半減してしまうとの予測もある。そして、世界でも過去に類がないほどのスピードで高齢化が進んで行く。またポスト工業化に伴って、人口移動のパターンや人口分布も変化していく。こうして、都市も地方も急激かつ予想できなかったような変化に見舞われることになる。例えば、マーケティング・アナリストの三浦展氏が述べるように、東京の郊外は高度成長とともに急激に膨張したが、今急激に縮小しつつあり、人口の急減からすでにゴーストタウン化が始まっている場所もあるという*2都市も地方も、日本全体を作り替えなければいけなくなる。もちろんその際のエネルギー効率の最適化や環境への配慮が重要な要素であることは論を待たないが、それ以上に、あらゆる施設、インフラ、制度を巻き込む、大規模な変化が起きることになる。このごとく、人口動態起因のレイヤーも非常に深刻な問題を抱えている。そして、このレイヤーでもジオ関連技術・ノウハウは際立って重要になる。

地域コミュニティ

今でさえ崩壊気味の地域コミュニティも、人口移動や分布、構成の変化によって、さらに一層バラバラになる可能性が高い。独居比率は上がり、家族の構成人数も減少の一途だ。従来の近接性/地縁だけに頼ったコミュニティ形成はますます難しくなってくることは確実だ。(すでに難しくなっている。)場所によっては極端な過疎化がさらに進み、定住人口増加だけに頼ったコミュニティづくりも、定住者だけを活動主体にするコミュニティ活動も成り立たなくなる恐れがある

このように、現状の地域問題に対処するにあたっては、地域コミュニティを一つのレイヤーとすると、環境・エネルギーのレイヤーと、人口動態のレイヤーの3層(レイヤー)をそれぞれ分けて考える必要があり、同時に、この3層の相互の影響を勘案して全体として把握することは必須になる。逆に言えば、そういう前提で地域コミュニティの問題を見直すと、地域コミュニティの今後の課題と解決手法が、必ずしも従来の延長上にはないことがわかるはずだ。

また、従来のような、行政に依存してお任せするスタイルも成り立たない。東日本大震災ではっきり見えたことだが、地域のそれぞれの問題は、中央官庁や中央のマスコミが全国的に取り組むにはあまりに細分化して、個別であり、しかも行政の側に予算がなくなっていく。だから、それぞれの地域の主体ごとに、行政にまかせず、自分たちで問題に自主的に取り組むような方向にいくしかないし、その際には、ミドルメディアとして最適なソーシャルメディアの活用は不可欠になる。加えて、上記に見る通り、地域コミュニティを維持するためには、地縁型よりテーマ集約型がより重要で、そうなると、コミュニティ組成にも活性化にも、よりデザイニング/プロデュースの力量が問われることになる。また、それぞれの問題は個別だが、他の、多種の成功事例の中から自らにフィットした手法を見つけて行くことも大きな課題となる

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