「“普通の恋愛”ができなくなった」 モデル並みの22歳美女が、彼氏よりもパパ活を優先するワケ から続く
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小説『彼女のスマホがつながらない』(小学館)のためにパパ活を取材し、女性の貧困を感じたと話す小説家・志駕晃さん。パパ活に恋愛感情は存在するのか、コロナ禍の混乱を取り入れた小説について聞いた。(全2回の2回目/前編を読む)
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20年間パパ活をしていた女性 「仕事だと割り切らないと続かない」
――パパ活で恋愛感情は生まれますか?
志駕 女性が恋愛感情を持つことはほとんどありません。男性も家庭を持っている既婚者が多いので、恋愛には発展しにくいのかもしれません。肉体関係がない場合も、父と娘という疑似親子のような状態になっていきます。
もし、片方が恋愛感情を持つと、パパ活の関係は終わってしまいます。とくに男性が恋愛感情を持つと、「そんなつもりはないのに」と女性が別れを切り出すケースが見受けられます。彼女たちはあくまでも、パパ活を仕事だと思っているんですね。
パパ活が終わったら、どちらが原因で別れたかにもよると思いますが、基本的には連絡をとらなくなります。
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――独身の利用者もいるんでしょうか。
志駕 いなくはないですよ。でも僕からしたら、お金持ちで独身、でも彼女を作らずにパパ活に精を出すっていうのは、男性側の心の闇を感じます。なぜ出会い系やマッチングアプリなどには手を出さないんでしょう。そこにはつまり、お金を媒介しないと女性と関われない弱さがあるんだと思います。
男性の利用は30代〜60代ぐらいが中心です。半分恋愛したい男性がやってくるとミスマッチが生じ、トラブルが起こる。だからこそ、40代~60代で既婚者、でも女性好きのお金持ちという方がメリット・デメリットのはっきりした関係になるので、ビジネスとしてのパパ活がうまくいきます。
――パパ活は金銭で割り切る、合理的な不倫という印象も受けますね。
志駕 あんまりやりすぎると、不幸な結果になるでしょうけどね。
大多数は、援助交際に近い付き合い方です。でも、中には肉体関係がなく、会って食事をするだけでお金がもらえるという女性もいますよ。夢みたいな話ですよね。
実は、パパ活を20年間やっていたというベテランの女性にも取材したんです。彼女が言うには、「パパ活は、性的な関係になっても“仕事”だと割り切れなかったら続かない」ということでした。女性にとって、あくまでお金のためなんですね。
彼女は結局、パパ活をしていることを承知していてそれでも愛してくれる男性と出会って、結婚を機に40代で引退されました。それまでは何千万も稼いでいたそうですよ。
キャバクラとの違いは「応援したい」という気持ち
――お金のためのパパ活。同じように金銭が発生するキャバクラと似ているように感じますが、違いはどこにあるんでしょう?
志駕 一番の違いは、キャバクラは疑似恋愛でお金をひっぱるけど、パパ活では女性のピュアさと性格の良さ、将来の夢に投資することでしょう。
中には、偏差値の高い大学に通っている女子大生もいます。これは男性受けがいいという理由もありますが、「いい思いをするためにはすれていない必要がある」というパパ活のシステムが根底にあります。
交際クラブやラウンジで知り合った男性は、キャバクラには行き慣れているお金持ちが多い。余裕があるから、性的な関係はなくてもガツガツせずに女性にお金をそそぎます。
――なるほど。若い人を応援する年長者の気持ちもあるんですね。ちなみに、パパ活は東京などの都市部に限る話なんですか?
志駕 いいえ。小説では、関東圏のお嬢様大学に通う女子大生を登場させていますが、地方にも交際クラブはありますし、アプリはどこでも利用できますから、全国に広がっています。大阪や福岡などで会うのも一般的でしょうね。男性側が「出張先まで遊びにおいで」と女性を呼ぶこともあります。