- 2021年02月08日 16:02 (配信日時 02月08日 15:15)
なぜ日本企業では"森喜朗のようなオジサン"が大量に放置されたままなのか
1/2東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の発言が国内外、男女を問わず多くの批判を呼んだ。学習院大学 経済経営研究所の清水直美さんは「残念ながら日本の企業には、まだまだ森喜朗氏のようなオジサンがたくさん潜んでいる」と指摘する。今回のように口に出して大きな問題にはならないだけにかえって厄介なオジサンたちの意識改革に、本気で取り組む企業も増えてきている――。
日本オリンピック委員会の女性理事増員方針をめぐる発言について記者会見する東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長=2021年2月4日、東京都中央区[代表撮影] - 時事通信フォト
日本企業に大量に潜む森喜朗のようなオジサンたち
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による、臨時評議員会での女性を巡る発言について、波紋が広がっている。「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」「組織委員会にも女性はいるが、みんなわきまえておられる」……こうした発言は女性蔑視としてニュースで取り上げられ、海外メディアにまで報じられる事態となった。
一方で、この状況はジェンダーギャップ世界121位の日本社会における女性活躍の現状と受け取ることもできる。言うならば、日本の企業にはまだまだ森喜朗氏のようなオジサンがたくさん潜んでいるのだ。
日本企業の女性活躍促進には、トップの意思決定による「トップダウン」が重要であり、それが結果に大きく影響することは近年周知されている。例えば、新浪剛史氏(現サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長)がローソンのCEOだった際にダイバーシティと女性活用の重要性を説き、まずは意思決定の場である取締役から女性を増やし、その下の層に浸透を図ったことから、現在ローソンでは新卒採用の男女比は同率であり女性管理職比率も上昇しているなどの成果を上げている。強力なトップダウンによる成功事例である。
トップの下の「偉いオジサン」たちに潜む女性活躍反対派
しかし私は大手企業の人事部へのインタビューを重ねるうち、そうした達成に至るまでには、人事側の地道な努力が不可欠であったことを実感した。例えばとある大企業では、トップであるCEOが女性活躍促進の重要性を説いているにもかかわらず、トップの少し下の「偉いオジサン」たちには依然として「女性活用反対派」が多く存在し、その層が大きな障壁となっているというのである。
女性活躍に反対するオジサン3つのパターン
彼らは①「女性にそんな大きなプロジェクトを任せたら家庭のこともあるのにかわいそうだろう」という親切心(のつもり)の場合もあるが、②「女性にできるはずがない。女性がいなくてもうまくいっていたのだからその必要はない」と過去の成功体験にしがみ付くオジサンも多くいるという。彼らはリスク回避という意識で女性排除を正当化したり、「6割の女性が出産を機に仕事を辞める」といった過去のデータに基づいた「統計的差別」によって合理的判断として正当化する場合もある。
また③「自分たちの立場が侵される」という無意識の脅威から反対しているオジサンもいるという。たとえトップダウンで会社としての意思決定があっても、そして現場にその意欲があっても、その実現には内部の「偉いオジサン」たちの意識改革が不可欠であるというのである。
※写真はイメージです - iStock.com/Yagi-Studio
今回、森氏はトップの立場でありながら、女性活躍の重要性を認識していなかったことの問題もあるが、83歳という高齢により「これまで女性がいなくてもうまくいっていた」という過去のあまりにも長い成功体験が、女性蔑視ともされる発言につながっていたのではないかと考えられる。
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