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Twitterで制作過程を公開 日テレ新米Dが意識する「視聴者と番組を一緒に作ること」

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日本テレビで3月27日(13:30~14:00 ※関東ローカル)に放送される単発番組『究極のスポーツ大戦! ブーストイ★スタジアム』が、SNSや業界関係者の間でジワジワと話題になっている。最新テクノロジーを駆使したスポーツ用具を使用した芸能人がアスリートと対決するというスポーツバラエティだが、この番組コンセプトとともに注目なのが、放送までの制作過程をTwitterで紹介していくという手法だ。

企画したのは、日本テレビ入社3年目でスポーツ局に所属する生山太智(おいやま・たいち)ディレクター。普段はスポーツニュースや中継を担当しているが、なぜこの番組を企画したのか。そして制作過程を公開する狙いとは。話を聞くと、そこにはスポーツやテレビへの熱い思いがあった――。

■秘められた身体能力と技術者のすごさを見せる

『究極のスポーツ大戦! ブーストイ★スタジアム』の生山太智ディレクター

大学時代、野球で日本一にも輝いた生山Dが「バットやボールなど、道具がどんどん進化していく中で、何かそこを面白がれないかという角度で考えていった企画です」という今回の番組。最初に発案したのは、木製バットを使うプロ野球選手に対し、最新テクノロジーで進化させたバットとボールを使って名門・済美高校出身のティモンディ・高岸宏行が挑戦し、制限時間内にどちらが多くのホームランを打てるかというホームラン対決だ。

「ブーストイ」は、スポーツ用具を昇華(=ブースト)させ、競技の基準を満たさないおもちゃ(=トイ)の域にまで達するという意味で名付けた造語。最新テクノロジーのレベルは「人の身体能力を高める」程度にとどめることで、「機械vsアスリート」にならないのがポイントとなっている。

「あくまでも人間のサポートとして、秘められた身体能力を引き出すことによって人間の底力を見せつつ、用具をブーストしていただく日本の職人や技術者のすごさも表現して、その掛け算でアスリートに挑むという形が、自分が見て一番ウキウキすると思った形です」

■実現可能か否かのせめぎ合い「楽しいし、難しい」

約2メートルのバット!?

バットの開発は昨年11月から始まっており、完成に近づいている段階。候補を数種類作ってもらい、最終的に高岸が自分の相性にあったバットを選ぶことになる。

このブーストイ化のアイデアを出し、実現可能か否かのせめぎ合いの作業が「一番楽しかったし、難しかった部分でもあります」とのこと。まずは、ティモンディに“飛ばすためのバットを作るには?”と大喜利的なことをやってもらい、「ジェットがついたバット」「ダイナマイトの力で振るバット」などの突拍子もない発想から現実的なアイデアが出たところで、技術者たちと折衷案を探っていく。

具体的には、「スーパーボールの原液を中に流し込み、反発力を高めたバット」を製作しており、「一見厳しいと思うようなアイデアも受け入れてくださって、楽しみながら作っていただいているので、技術者さんには本当に感謝しています」と、現場の様子を明かす。番組が続けば、これまで思いつかなかった発想から、基準をクリアした新たなスポーツ用具が生まれ、競技が進化するという事例が出てくるかもしれない。

ティモンディ

そして、この番組の大きな特色が、Twitter(@NTV_OIYAMAD)の展開だ。放送に向けて決定事項を発表するだけでなく、会議の模様を報告したり、番組ロゴ制作の様子を紹介したり、Twitterのヘッダー画像にするスタッフの似顔絵を募集したりするほか、キャスティングの参考にするため、「スポーツが得意な芸能人、タレント、アイドル、YouTuberなどを教えてください!」という呼びかけも。これに対し、3,300を超える返信が集まっている(2月7日現在)。

ここからリストアップし、実際に会議でキャスティングの検討が行われているそう。通常の会議では出てこない名前が挙がってくるそうで、「演出面の面白さというよりも、『この人は本当に身体能力があります』とか『全然泳げないんです』とか、ネットに載ってない情報をその人のファンの皆さんから教えていただけるんです」と、参考になっている。

こうして、制作過程を見せていく狙いを聞くと、「今のテレビは、作り手が見えないというところが気になっていたんです。例えば、YouTubeは出演している人が編集しているので、『この人が作ってるんだ』と分かって、ちょっと安心して見ていられる部分があるのに対して、テレビはそれがないなというのを結構前から思っていました」と回答。

さらに、「自分の近くの人が企画した番組は絶対チェックしますし、家族が何か携わった作品があれば、絶対見に行くと思うんですね。そういった感覚を多くの人が持ってもらえれば、楽しんでもらえますし、直接の視聴につながるんじゃないかと思ったのがきっかけです。キャスティングの名前を挙げることで少しでも携わった番組が、自分の子供のようにかわいかったり、Twitterで提案したことが番組を見て『私の発言が使われてる!』と喜んでくれたり、そうやって視聴者と番組を一緒に作っていくことが、これからのテレビに大切になってくる形なんじゃないかと思って、Twitterはいち早く始めました」と明かしてくれた。

“作り手が見える”の究極の形は、番組本編にも登場することだろう。ロケでは、ティモンディが試し打ちをする際、キャッチャーができる人材がいないため、生山Dがマスクをかぶるといい、その姿を見ることができるようだ。


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