虐待の疑いがあるとして、警察が昨年1年間に児童相談所に通告した18歳未満の子どもは、前年比8738人(8.9%)増の10万6960人(暫定値)でした。2004年に統計を取り始めて以来、初めて10万人を超え、過去5年間で約2倍になった、と警察庁が発表しました。
警察は、家族、近所の住民、医療機関、学校からの通報・相談などで情報を把握し、虐待を受けていると思われれば、児童相談所に通告します。警察庁は、警察による子どもの安全確認、確実な通告の徹底などが影響したとみている、とのこと。
通告の内訳は、「心理的虐待」が7万8355人(前年比10.8%増)で最も多く、警察が「面前DV」(配偶者同士や他の兄弟姉妹に暴力を振るう)を「心理的虐待」に当たるとして積極的に通告したきたことが、ここ数年の増加の背景にある、と専門家はみています。
そのように法改正をしてきたので、当然のこととは、思いますが。それに加えて、コロナ禍で、家にいることが増え、DVとともに児童虐待が増加していることがあると思います。
外出自粛などにより、「家族の社会的孤立」「貧困」「親の精神的な不安定さ」などが、虐待の要因となることが心配されています。
虐待の早期発見には、周囲の目が必要です。家族が孤立化しないよう、日ごろから付き合いや目配りをしていくことが必要です。また、児童相談所は、常に人手不足で、これだけの虐待の増加で、さらにきめ細かな対応ができにくくなっていると思われます。
ずっと言われていることですが、児童相談所の人員の増加、そして、専門家の養成が、更に求められます。コロナ対応に予算がとられ、こうした子どもの命に係わることが、後回しにならないよう注視していきたいと思います。