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「お笑いはモテる」で男芸人が増えた、女性は…女芸人の大会『THE W』制作者が見た業界の変化 『THE W』統轄プロデューサー宮本誠臣さんインタビュー - 西澤 千央

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 今、女性芸人の世界が揺れている。女性芸人といえば、当たり前のように「ブス」「デブ」「非モテ」をいじられ、そこで強烈なインパクトを残すことが成功への足がかりとされてきた。

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 しかし、持って生まれた容姿や未婚か既婚かどうかの社会属性などを「笑う」ことに対して、今世間は「NO」という意思表示をし始めている。「個人としての感覚」と「テレビが求めるもの」、そして「社会の流れ」。三つの評価軸の中に揉まれながら、女性芸人たちは新たな「面白さ」を探し始めている。

『女芸人No.1決定戦 THE W』。この女性芸人だけのお笑いコンテストは、鳴り物入りで始まったものの、開始当初は様々な批判を浴びた。「女性だけ」という規定に対する反発や、勝ち抜きという審査方法への不満、高額な優勝賞金と大会レベルへの疑問……しかし初代チャンピオンゆりやんレトリィバァをはじめ、阿佐ヶ谷姉妹、3時のヒロインなど、歴代優勝者がその後テレビでしっかり結果を出している点で稀有な大会でもある。

『THE W』は女性芸人に何をもたらしているのだろうか。『THE W』統轄プロデューサーである宮本誠臣さんに作り手側からの『THE W』を聞く。女性芸人が“賞金1000万円”より手に入れたいもの。


『THE W2020』で4代目女王となった吉住 ©日本テレビ

◆◆◆

「ようやくそういう番組になってきたんだなって」

——『THE W』という大会を開催するきっかけは何だったのでしょうか。

宮本誠臣(以下、宮本) 女性芸人さんの数が非常に多くなって、そういう大会を開けるだけの土台がまずあって。

 特に日本テレビには『イッテQ!』とか、私が担当している『さんま御殿!!』とか、女性芸人さんが活躍する場が多く、そういった方たちで何か大会ができないかというのが始まりでした。一方で、女性芸人さんの中からも「女性芸人だけの大会みたいなものがあったら面白いよね」という話があったと聞いております。

——去年で4回目となりましたが、最初の方と今とでどんな変化がありましたか?

宮本 3回目の時にだいぶ大きく番組を変えました。審査方法を変更したりとか、『THE W』のライブを仕掛けていったりとか。そういうところで大会自体も大きく成長してきたかなという実感はあります。

 Aマッソさんが、他の賞レースではなかなかできない映像漫才を「THE W」用に用意してきてくれたり、即席コンビを結成してエントリーする人が増えたり、「あの舞台に立ちたい」という女性芸人さんの声を多く耳にするようになったことが本当にありがたいです。ちょっとずつ、そういう番組になって来ているんだなって。

——審査方法を変えたのはなぜでしょうか。

宮本 2回目では、いわゆる一般の方の投票のみで審査していたんですね。ですが、参加されている女性芸人さんからの「プロの意見が欲しい」との要望は根強くありました。勝っても負けても、プロの方たちがどういうふうにネタを見てくれたのかが知りたいと。審査だけでなく、それに対するコメントも出るので。2回目が終わった後に、イベントなどを通じて女性芸人さんたちから改善点を聞きました。

——誰を審査員として連れてくるかというのには、制作者側のどんな意図があるのでしょうか。

宮本 第一線で活躍されている方で、ネタの良かったところも物足りなかったところも言葉にしていただける方。何よりネタに対してリスペクトをもって評価してくれる事が一つのポイントかなとは思っています。

異種格闘技戦なので、採点が難しい

——例えば『M-1』ですと、オール巨人さんが辞退を表明していたことがニュースになったりしていましたが、『THE W』でもそういうことは過去にありましたか? 審査員をお願いしたら断られたりとか。

宮本 それは結構ありますよ。やっぱり相当プレッシャーというか。特に『THE W』に関して言うと、異種格闘技戦というか、漫才もあればコントもあればピン芸もある。基準を設けることもなかなか難しいので、非常に採点が難しいというところもあるのかなと。

——番組サイドから審査員の方に「点数の基準」みたいなものを提示することは?

宮本 いや、基本的にそこはお任せです。皆さんどこが面白かったのかを視聴者にかみ砕いて説明されていて、ありがたいです。(アンガールズ)田中さんはその辺すごく端的に、的確に「ああ、そういうことか」と。

——『THE W』の漫才、コント、ピン芸……“なんでもあり”なところが、審査の難しさや、その審査への賛否両論を生む一つの要因なのかなと思うのですが、番組側としてはそこは「敢えて」そういうシステムにしているのでしょうか?

宮本 そうですね。何でもありの面白さ……まさに去年の大会がそうだったのかなと。

 Aマッソさんのような大がかかりなものがあったり、ゆりやんさんの自由すぎるピン芸があったり。オーソドックスな漫才もあり、コントもありという中で、いろんなものが楽しめる大会になったのかなという感じがします。

——「勝ち抜き」のシステムも、何でもありの大会だからこそなのかもしれないですね。『M-1』のような審査方法が向かないというか。

宮本 そうですね。まさに何でもありだからこそ、逆に「点数」をつけるのが難しいだろうなというのがあって。基準点をなかなかつけづらい。だからシンプルに「AとBどっちが面白いか」ということであれば比べられるかなと。

 ただ、審査員の方も今年は特に難しかったのか、いろいろ言いたいこともあったのか、久本(雅美)さんと(ハイヒール)リンゴさんが生放送後ずっとしゃべっていたのが印象的でした。2人で「あそこどうだった?」って。

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