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「まっすぐ政治改革」で、がんばる人が幸せになる右肩上がりの時代へ ~ 横粂勝仁議員

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横粂勝仁議員(写真:濱田敦子)
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東京大学法学部を卒業後、司法試験に合格。2009年の政権交代劇により27歳の若さで政界入りを果たし、順調に夢の実現に向けて歩みを進めてきた横粂勝仁氏。しかし、その後の民主党執行部の政権運営に早くから異を唱え、菅内閣不信任決議案では民主党議員でありながら賛成票を投票。民主党という大きな後ろ盾を捨て、新党「改革の志士」や院内会派「改革無所属の会」の結成など、1期生とは思えない行動力で注目を集めてきた。一見すると無鉄砲にも思えるその行動の裏には、どんな思いがあったのか。そして、新しい風を吹かそうと乗り込んだ国会で、一体何を感じたのか。まさに民主党政権が解散するという前日、話を聞いた。(BLOGOS編集部:濱田敦子)

*この取材は、解散の前日である2012年11月15日に行いました。肩書などは取材時のままとしています。

ひとりになって感じたのは一議員としての限界


原田謙介(以下、原田):今日は明日解散という慌ただしい状況の中、お会いいただきありがとうございます。まず最初に、横粂さんは昔から政治家になるという目標を掲げ、実際にその若さで国会に来たわけですが、まさに1期目が終わるという今、率直にどういう感想を抱いていますか?

横粂勝仁(以下、横粂):私は政治が素晴らしいと思って目指したわけではなく、なんとかしたいと思って入ってきたので、始めから期待していたわけではありません。でも、そうなんですけど、期待の無さを遥かに上回る失望感が漂っていたというか…… 魑魅魍魎がいる国民の常識とはかけ離れた世界だと改めて思うことがありました。

原田:具体的にどのような場面で感じたのでしょうか?

横粂:言葉と行動が伴わない人がたくさんいる。国民に向かっては「国家、国民のため」と耳触りの良いことを言いながら、実際の行動は党利党略、自己保身。それがあからさまじゃないですか。特に、東日本大震災の時に、より一層感じました。

原田:「議員としてもっとできるはずだったのに」とか、「1期目でこういうことをしたかったけど予想以上に出来なかった」と思ったことはなんでしょう?

横粂:覚悟はしていましたけど、一議員としてできる限界ですね。民主主義は数の世界です。その中で議員が1人で、いくら正論や正しいと思う主張を訴えたとしても、それが通る世界ではありません。ただ、だからといってそこで諦めるということではなく、今は難しいことでも、2期、3期と経験を積む中でやり得るという感覚は持っています。

と言うのも、昔の1年生議員にように、1議員が簡単に潰される時代よりは、若干風穴があいてきているように感じるんです。ウェブメディアが発展してきたことに加え、既存メディアも少しずつ今までだったら取り上げなかったようなことにも注目するようになってきた。思いを強くもち、それが本当に正しいことなら、極一部ですが山が動き始める気配のようなものは感じています。でも、今の段階ではまだまだ大きな流れに逆らえない、小さな存在でしかない一議員としての限界を感じた1期目ではありました。

原田:外の環境によって風穴があいてきたように感じるとのことですが、政治は中からも変わろうとしていますか?

横粂:変わろうとしているのかも知れませんが、中はまだまだです。今の段階では、外からの影響が大きいのではないでしょうか。個人が情報を発信できるSNSなどウェブメディアの発展などにより、情報を色々な所から拾い、多角的に物事を見る人が増えてきたように感じます。それに伴って真実を知る人も増えてきたことで、小さな声が押し潰されにくくなってきた。今までだったらあっという間にかき消されてしまっていただろう声や政策も、若干ではありますけど表に出るチャンスが生まれてきたと思います。

政策実行のために仲間を集めるという
正しいスタートラインに立っている


原田:では、政治を取り巻く環境が変わりつつある中で、2期、3期目と続けるうちにチャンスを増やして実現できそうなこともあると。

横粂:先ほど話した1期目で見えた一議員としての限界ですが、特に私の場合は始め与党にいて、そこから無所属になったんですよね。だから、1人でできることが何で、できないことが何か、本当によくわかったんです。1人の非力さをわかった上で、今後政策を実行するために仲間を集めていく。これは、根っこの強さが違います。

田中角栄さんが言った数の理論、「政治は数、数はチカラ、チカラは金」は事実かもしれないけど、数がそろっている場所しか知らない人が言っても、これは机上の空論になってしまう。最初から最大与党など数がそろっていることが当たり前の場所にいると、“数が全て”になってしまい、数は集まっていても“何をするのか”が見えなくなってしまうように思います。私はその点1人を経験して「1人では絶対にできないことがある」と心の底から思いました。その上で理想の実現のために数を集めようとしている今は、政治家として正しいカタチで動くスタートになったと思っています。

原田:確かにほとんどの政治家がどこかの党に所属していますが、果たして「その党の1人」としての発言なのか、「一政治家としての発言」なのか、有権者としても疑問に思うことがあります。横粂さんは、2011年6月の菅内閣不信任案に、当時民主党員でありながら賛成を投じましたよね。次の選挙では、その菅さんの選挙区から出馬するとして準備を進めていらっしゃいますが、あえてその選挙区を選んだのは何故なんでしょうか?

横粂:子供の頃から今の今まで政治で目指していることは、ずっと変わりません。10歳の頃から20年来に渡って「政治家たるもの、そして総理たるものはこう」という思いを持ってきました。それは何かと言うと、「国民のために一緒に喜べるか、一緒に泣けるか」なんです。家族のことのように、国民のことを思えるかどうか。

菅さんのことは全否定しているわけじゃなく、むしろ世襲じゃない方が総理大臣になったという点で尊敬していました。だけど、理想や期待が大きかった分、違う行動をとった事に対する怒りと疑問が大きかったんです。国民が正に政治のチカラを求めている震災の時に、総理が死にもの狂いで頑張らないでどうするんですか。そんな時に、自分の政治家としての延命や、党利党略、民主党にとっての有利不利、印象が良いか悪いかに流された所が私は絶対に許せなかった。

原田:期待が高かった分、余計に許せないところがあって、内閣不信任決議に賛成したと。

横粂:そうですね。そして、それを機に民主党を離れたわけですが、党を離れるなら辞めろという意見をたくさんいただきました。なぜなら、私は民主党の比例復活議員として選ばれたのであって、横粂で選ばれたんじゃない。でも、皆さんが期待した民主党の姿、民主党に託した思いからズレた末に飛び出したというなら潔く辞めますが、私は今も託された思いの中にいると思っています。ズレて行ったのは、民主党、そして菅さんの方だという譲れないこだわりがあるからこそ、今の自分の立場を貫いているんです。

そして、これが単なる自己満足や自分の思い違いなのか否か、判断してもらうのが選挙。だから、ただ批判して終わりじゃなく、公正公平でしっかりと白黒がつく選挙で審判を頂こうと。こういう理由で、菅さんの選挙区で戦うと決心したわけです。横粂が駄目なら選挙で落として頂ければ良いですし、「横粂、頑張れ」と思っていただけるのであれば押し上げて頂きたい。自分の筋道を通して活動しているので、迷いは全くありません。「選挙が近付いてきたけど、民主党の支持率は落ちているしどうしよう」という政治家たちとは違う思いを持っていると自負しています。

どんな議員活動ができるかは、選挙の勝ち方で決まる


原田:先ほど1人の議員としての限界を感じたとおっしゃっていましたが、どんなところでそれを実感したのでしょうか?

横粂:まず、政党から離れると組織とお金を失います。そして、その組織とお金が何のために必要かというと、選挙のためなんです。政治家である以上は、誰もが選挙の洗礼を受けますが、その時に組織や金があった方が良いに決まっていますよね。例えば、民主党であれば組合、自民党であれば業界団体、そういったまとまった組織の票をもらえなくなるのですから。だから、みんな不自由なところがありながらも、政党に所属するわけです。

原田:党利党略に縛られたとしても、そのまとまった票の魅力が大きいと。

横粂:それからお金に関しては、党に政党助成金が出て、そこから支部に対して補助が出ます。しかし当然、無所属にはありません。さらに多分、解散となると党から公認料という形で500万円、重点選挙区だから500万円、派閥から頑張れとして500万円などとお金が降ってきますが、私にはそれもない。そういうものをトータルしていくと、自分は昨年の6月2日に菅内閣不信任決議案に賛成して無所属になったことで、この1年半位の間で少なくとも1千万とか2千万というお金を受け取れなかったことになります。それを損と考えるかは別の話ですが、そういうお金や組織を投げ売って、1人でいることの大変さというのは日々感じていますね。

原田:そういう思いをしながらでも無所属を貫いて、自分が本当に発したいことをひたすらやっていける方が得るものが大きいと。

横粂:そうですね。政治家がどんな活動をできるかは、選挙の勝ち方で決まるのだと思っています。組織やお金に頼る選挙をする人は、その頼ったものや人に対して頭が上がらない政治になる。そこから脱却できる政治家が1番強く、そういう人が本物になると思っていて、今は「組織にもお金にも頼らないままに選挙で勝ち抜くこと」に全身全霊を掛けていますね。

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