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「医療体制は安全保障と直結」衆議院厚生労働委員長とかしきなおみ衆議院議員

ⓒJapan In-depth編集部

細川珠生(政治ジャーナリスト)
「細川珠生モーニングトーク」2021年1月30日放送
Japan In-depth編集部(高橋十詠)

【まとめ】
・コロナを止める必需品は、ワクチンと治療薬。
・医療崩壊の根本的原因を早急に突き止めるべきである。
・医療資源の国内生産を可能にする体制が必要。

一都二府八県に緊急事態宣言が発出されている。終わりの見えない新型コロナウイルス感染症拡大だが、日本は今後対策をどのように対策を改善していけばよいのか。今回は衆議院議員で衆議院厚生労働委員長のとかしきなおみ氏をゲストに迎え、政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を聞いた。

薬剤師でもあるとかしき氏はまず、昨年末にコロナに感染した体験を話した。厚生労働省の基準では37.5度である。とかしき氏は夜に37.1度の微熱があり、翌朝は37.3度と基準には達していなかった。しかし、蜜を避けられない国会の最終日だったこともあり、念のためかかりつけの医師に相談した。PCR検査を受けた結果、感染発覚に至ったという。とかしき氏は、少しでも身体に異常を感じたら「検査を受けるという気持ちをもつことが大事」と述べ、初動の大切さを強調した。

緊急事態宣言により人の動きを止めることで、感染の拡大防止を図ることは理解できる。しかし、それが解除されれば感染者は再度増加する。そのような状況が続くとなれば、これ以上経済活動を止めるのは難しいと細川氏は指摘したうえで、今後どのような生活スタイルや政策が必要になるのか聞いた。

とかしき氏が挙げた答えは2つ。ワクチンと治療薬だ。

「この2つが揃わないと、コロナは普通の風邪にはならない。コロナ系であるインフルエンザが日常生活にあるのはこの2つがあるからだ」

また、今回の緊急事態宣言の背景として、陽性者数そのものよりも重症化した患者の医療体制が整わないことが大きな理由であった。細川氏は現在の厳しい医療体制について、「昨年の春に第一波が落ち着いた段階の時に、(医療体制の強化が)為されなかったのはなぜか?」と疑問を投げかけた。

これに対して、とかしき氏は2つの原因を挙げた。1つ目は、医療崩壊の根本的原因を突き止めきれていないことだという。

「日本は英国と比べたら26分の1、米国と比べても14分の1しか患者数はでていない。世界の中でも、病床数が多い国にも関わらず、患者数が少ない。それなのに、医療崩壊を起こしていて、緊急事態になっている。この不思議で仕方ない事態を、突き止めなければいけない。」

2つ目は、医療の資源分配がうまく行われていないことだと指摘する。これについては「分かっていることなので、きちんとメスをいれていかなければいけない」とし、知事らの協力が必要である理由を以下のように説明した。

国は、各病院内の様子までは把握しきれない。厚生労働省は大きな枠の整理整頓はできるが、医療体制自体は都道府県の管轄となる。よって、今後医療資源の分配や地域医療構想を考えるのは知事の仕事になってくる。とかしき氏は、「全部国の責任というより、それぞれの連携がうまくいっていない」と現状を述べた。

▲写真 ⒸJapan In-depth編集部

細川氏は、「今回のコロナは、日本が根本的な議論を避けてきた問題がいくつも重なり合って起きている」として、問題の一つである「医療の根本的な在り方」をどう変えていくべきか、とかしき氏に聞いた。

これに関してとかしき氏は、マスクやワクチンなどを海外輸入に頼っていることを問題視した。「自国で開発できないのは非常にリスク」であり、それが命に関わるということはつまり、「医療体制が安全保障と直結している」ということだと述べた。

ワクチンが国内生産ができないことのリスクとして、「欧米人の知見しかないから、東洋人の私たちがその通りになるかはやってみないと分からず、当然リスクは高くなる」と述べると共に、他国に多大な金額を支払い融通してもらう不便さにも触れた。

その上で、薬の開発等に「しっかり投資できる環境を国が整備すべき」と、医療資源が国内生産できる体制を整えることが重要だとの考えを示した。

同時に、「薬価は次の薬の開発費も含めて薬価だということを、国民も理解しなければいけない」と述べた。

最後に、とかしき氏はワクチンによる副反応についても触れた。薬の投与において、副作用は付き物である。インフルエンザ同様、ワクチンを打ったからといって決して感染しない訳ではない。しかし、重症化の抑制や集団感染を防ぐ環境づくりにおいて、非常に重要な役割を果たす。そのため、ワクチンの投与を推奨するが、だからといって「マスクをとる、手洗いうがいを怠る、密を避けなくなる」ことはあってはならない、と強調した。

今後、例えばワクチンを打った高齢者が副反応で亡くなる可能性は、無いとはいえない。しかし、その原因が副反応か基礎疾患かの判別は難しい。とかしき氏は、「私たち日本人の良識が試される。薬は効果もあるが副反応もセットで起こる。それでもメリットの方が大きいと判断するから私たちは薬を飲む。ここをきちんと理解しておくことが必要」と述べた。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2021年01月30日放送の要約です)

「細川珠生のモーニングトーク」
ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分
ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php
細川珠生公式HP https://hosokawatamao.com
細川珠生ブログ https://blog.excite.co.jp/tamaohosokawa/

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