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2012.12.01

■12月某日 衆議院解散選擧の公示日12月4日まで後3日に迫った。しかし、野田民主党が解散を決めた11月16日から半月以上が経過したことや、メディアを総動員した事前の選挙報道が過熱したこともあって、公示日を待たずして乱立した小政党も含めた政局の動きがだんだん見えてきた。とはいえ、投票日までは約2週間という期間がある。これからのメディア報道がどういう展開になるのかによって、局面が大きく変わる可能性も残されている。しかし、次の比較第一党が自民党になる予測が多いことから、メディア報道は連立を組む可能性のある公明党、民主党、日本維新の会にスポットを絞っている印象だ。そうなれば、消費税増税も脱原発も争点になりにくい。TPP参加に関して民主党がマニフェストで明確化しなかったこともあり、各党の姿勢がまちまちで今後の流れが読みにくい状況だ。結局、メディアが飛びついたのは自民党安倍総裁がぶち上げた日銀の無制限金融緩和と建設国債の発行だ。メディアの世論調査では、有権者が一番求めているのは、景気対策だという。それはそうかも知れないが、ホンマカイナという疑問も残る。

 今回の解散総選挙の最大の争点は、未曽有のメルトダウンという大事故を起こした福島第一原発の教訓を今後の日本政治にどう生かしていくか、ではなかったのか。確実に日本の将来を決定づける国策としては最大の懸案のはずだ。野田総理が公約を破って、自民党、公明党と野合で成立させた消費税増税を確定させるのか、それとも「NO!」を突きつけるということも避けて通れない懸案だ。民主党全体としては公約にできなかったTPPに関しても野田総理自身は事あるごとに前向きな姿勢を打ち出している。公約に上げなかった消費税増税まで平然と断行する野田総理の事だから、総選挙後の勢力図次第では野田民主党が自民、公明と連立政権を組み、TPPへの参加を表明する可能性も捨てきれない。安倍総裁との党首討論で、自分のことを「バカ正直」と自画自賛した野田総理のいうことを、バカ正直に信じたら確実に裏切られると予言しておきたい。

 閉塞感が漂っていた今回の解散総選挙で、有権者に新たな選択肢を与えてくれたのは嘉田由紀子滋賀県知事が立ち上げた新党「日本未来の党」である。これまでは、国会周辺に毎週集まる声なき声の反原発市民層の明確な受け皿がなかった。政治への失望感が強まり、有権者が投票に行かずに棄権する憶測も出ていた。しかし、新党「日本未来の党」が「卒原発」「消費税増税凍結」「反TPP」を明確に掲げたことで、民主、自民、公明、という既成政党や第三局で注目を浴びていた日本維新の会などとの対立軸が明確になった。坂本龍一、菅原文太、山本太郎などの音楽家や俳優が「日本未来の党」への支持を表明したことで、今後は支持政党を決めていなかった無党派層や女性有権者が一挙になだれ込む可能性も出てきた。

 当初は第三局で独走していた日本維新の会も、タカ派保守系の「太陽の党」との合流で原発や消費税、TPPで政策が大きくブレてきたし、化けの皮がはがれてきた感じだ。発信力が評価されていた橋下徹節も、核保有研究や核のシュミレーションの必要性にまで踏み込んだ石原「呆け老人」の演説にも陰りが見えてきた。政治組織のリーダーである限り、様々な制約が出てきて自由に発言出来なくなったという事だろう。そうなれば、総選挙でどんな結果が出ようとも、日本維新の会への期待度は格段に落ちる。自主憲法、TPP参加、消費税11パーセントにして地方交付金にするという維新の会の公約はタカ派・石原慎太郎との合流で、「たちあがれ日本」のレベルに落ちたといえば、言い過ぎになるか。ま、2週間もすれば、その結論も明らかになるだろうから、ここで止めておこう(苦笑)。

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