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中山製鋼所の私的整理方針

赤木屋証券に続いて老舗企業の実質的消滅のニュースである。29日、中山製鋼所が私的整理の方向で調整しているとのこと。現在では「何、その企業」というところだが、市場では著名企業だった。

会社四季報で会社情報でもいいから中山製鋼所(証券コード5408)を見るといい。過去の高値の欄に、1973年3800円とある。当時、50円額面でそんな高値の株はなかったのではないだろうか。あったとしても稀である。

何で、今ではほとんど名前も知られていない中山製鋼所がそんな高値をつけたのか。これには日本株式市場史に残る事件があった。当時の中山製鋼所は高炉を保有する有名な仕手株(投機筋に人気の株)だった。新日鉄などの大手高炉メーカーと異なり、限界的な企業だった。このため、業績が鉄鋼の市況に左右されやすく、「一夜長者、一夜乞食」の代表的企業として投機の対象となったのである。1973年以前も、株価が面白いほど乱高下していた。

当時、その中山製鋼所をめぐり、かの有名な糸山英太郎氏と笹川良一氏が買い手、株式市場で名を馳せていた大金持ちの近藤紡績・近藤信男氏が売り手となり、大仕手戦を繰り広げたのである。中山製鋼所の株を売るには、株主から株を借りる必要がある。糸山英太郎氏・笹川良一氏は金にあかせて中山製鋼所を買いまくった。3800円はその時の値段である。最後には、糸山英太郎氏・笹川良一氏の連合軍は中山製鋼所の株を売れなくし(売ろうにも借りられる株がなくなり)、同時に売った株を買い戻せなくしてしまった。

このため、近藤信男氏がギブアップ、大阪証券取引所が仲介して「融け合い」という緊急手段を用いて売り手と買い手の決済を行わせた。

その中山製鋼所が今後とも上場企業としての名前を残せるのかどうか。ニュースによると、予断を許さないらしい。紆余曲折がありそうだ。

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