米アマゾンの創業者のジェフ・ベゾス氏(57歳)が7月にも退任すると発表しました。
20年以上前に日本でお会いしたことがありますが、まさかアマゾンがここまで“社会インフラ”になるなんて思いもよりませんでした。
後任は急成長するクラウド事業を率いる53歳のアンディ・ジャシー氏です。
FTのAmazon’s Bezos to step aside as CEO this year(アマゾンのベゾスCEO 年内に退任へ)の中で、ネット通販大手のアマゾンが2日、ベゾスCEOがことしの第3四半期(7月から9月)に退任し、クラウド事業を手がけるAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)トップのアンディ・ジャシー氏が新たなCEOになると発表したと報じています。
会長になるベゾス氏は社員に宛てた書簡の中で、気候変動プロジェクトや宇宙開発会社のBlue Origin、買収したWashington Postの運営に力を注ぐと説明しています。
ベゾス氏がオンライン書店を始めたのは1994年。そこから世界一の富豪に上り詰めました。
New York TimesはJeff Bezos to Step Down as Amazon CEO(ベゾス、アマゾンCEOを退任へ)の中で、ベゾス氏が小売業を根底から覆したと伝えています。
ベゾス氏がアマゾンを創業した1994年、最も多く聞かれた質問は「インターネットって何?」でしたが、そこからあれよあれよと1兆7000億ドル(約170兆円)規模の巨大企業に成長させたとしています。
ベゾス氏はアップルのスティーブ・ジョブズ氏やマイクロソフトのビル・ゲイツ氏と並ぶ世界のテック業界で最も影響力のある創業者で、その退任は「アメリカ株式会社」をも変えると指摘。
2年前の離婚でタブロイド誌の焦点となったベゾス氏は、新型コロナウイルスの感染拡大で去年春からビジネスの最前線に戻ったそうです。
ネット通販事業の在庫管理や政府との調整を精力的に進めたということです。
ベゾス氏はアマゾン株の10.6%を保有しており、今後も取締役として残るとのことです。
後任となるジャシー氏は2000年代初頭からベゾス氏を“シャドー”し、会合や出張に同伴し、その後クラウドサービスを手がけるAWSを率いるようになり、アマゾンの成長を支えたということです。
WSJはベゾス氏が退任を表明した2日、アマゾンが去年10月から12月までの3か月間の決算を発表し、売り上げが前年同月と比べて44%の大幅な増加となったと報じています。
売り上げは1255億ドル(約13兆円)で、アップルに続き、3か月の売り上げが初めて1000億ドルを突破。この結果、2020年の年間の売り上げが38%増の3861億ドル(約40億円)だったとしています。
3か月の最終利益は72億ドル(約7500億円)だったということです。
アマゾンのビジネス拡大の波及効果は大きく、全配達の13.3%がアマゾンだという大手物流会社のUPSは2日、去年10月から12月までの売り上げが21%伸びたと発表したそうです。