女性論客2人から見た「結婚問題」
「眞子さまは不幸になる権利もある」
創建100年に当たり、明治神宮へ参拝に向かわれる秋篠宮家の長女眞子さまと次女佳子さま=2020年11月6日、東京都渋谷区[代表撮影] - 写真=時事通信フォト
なかなか刺激的なタイトルである。
文藝春秋2月号で鈴木涼美と三浦瑠麗が、秋篠宮眞子さんと小室圭の結婚問題について対談している。三浦は著名な国際政治学者、鈴木の現在の肩書は社会学者だが、慶應義塾大学在学中にAVデビューし、東京大学大学院修士課程修了後に日本経済新聞社の記者を5年半勤めた経歴をもつ。
眞子&圭問題についてはこれまで、男性からの批判が多かった。したがって、金銭トラブルを解決しないのは男らしくない、母親に飼いならされたポチ、眞子さんと結婚して「逆玉の輿」を狙っているのだろうという、男目線からの見方が多かったように思う。
女性論客2人がユニークな視点で論じ合い、目から鱗、読んでいて何度も頷き、膝を叩いた。いくつか紹介してみよう。
「そんなことが言えてしまう男に女は夢中になる」
冒頭では、2017年9月の婚約内定会見の際、小室圭が眞子さんを「月のような存在」といったことについて、こんなやりとりがある。
【鈴木】あれは驚きの発言でした。日本のプリンセスを、「自分の光が投影される月」だと言いきっちゃうってすごくないですか?
【三浦】太陽の光がないと、月は輝けないですからね。
【鈴木】普通に考えれば、眞子さまにそんなことは言えないですよね。でも、そんなことが言えてしまう男に女は夢中になるんですよね。
【三浦】そうそう、一部はね。
【鈴木】これは一般的な男女分析ですけど、女医さんのような社会的地位の高い女性がホストクラブにハマる例は、昔から一定数あります。できるホストはたとえ中卒でも、女医さんに対して自分を卑下することなく、「お前は俺がいないと駄目だ」とあっけらかんと言えてしまう。自分より百倍も、学歴やお金がある女性に向かってです。この手の男に、やっぱり女は弱いですよね。そういう男をたくさん見てきた私としては、小室さんは似たタイプだなと感じました。だからこそ、「海の王子」にもなれたんじゃないですかね。
次の箇所がこの対談の核心だと思う。
【鈴木】私が個人的に気になっているのは、皇室に生まれた女性が皇籍を離脱する際のシステムです。つまり「結婚すれば一般市民になれるけど、結婚しないと一般市民になれない」でいいのかと。結婚を使わないと、自分の人生が動かせないんです。これって“結婚至上主義”じゃないですか?
【三浦】ええ。要は結婚だけが唯一、自由になるための儀式として認められているわけですよね。
【鈴木】私だったら「娘」から「妻」になる間に、もう1ステージ欲しいなと思ってしまう。最終的に一般市民になる運命なら、娘でも妻でもない、一般独身女性の期間が欲しいです。
かつて女性たちにとっての結婚は、「出世」そのものであり、お金を得る機会であり、一気に上昇するための“飛び道具”でした。皇室の女性にとっては今でも結婚はそれに似ていて、一般の社会に泳ぎ出る唯一の手段なわけです。一般市民になりたかったら結婚するしかない。
【三浦】これって大きな問題ですけど、あまり指摘する人はいないですよね。皇室の女性の中にも、早く一般人になりたいというお気持ちの方がいるかもしれない。
【鈴木】しかも、皇室の女性はお相手探しが難しいのに、お嫁に行かないと“行き遅れ感”も出てきてしまう。そうなると皇室に閉じ込められたままですよね。少なくとも現在、女性天皇や女系天皇は認められていないのであれば、成人した時にご本人にその意思があれば一般人になってもいい、という制度を作ってほしいです。
“不幸になる権利”もある
小室圭に関しては、「経歴も外見もまあ普通」(三浦)「何となく胡散くさいという声があるが、母親の金銭トラブル以外何も出てきていない」(鈴木)といっている。
写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yue_
そして、「眞子さまが結婚して一般人になるのであれば、外野が口を出す話ではない」(三浦)。そして鈴木のこの言葉が出てくる。
【鈴木】(中略)女の人には“幸福になる権利”もあれば、“不幸になる権利”もある。眞子さまが仮に不幸な選択をしたとしても、その不幸を謳歌するのもまた、人生の一つの“豊かさ”だと思いますけどね。私もいろいろと片足を突っ込んできたから分かりますけど、女だからこそ堕ちてみたい“穴”というのはあります(笑)。一般論ですよ、あくまでも。(中略)
幸福になれそうにないからと、他人の選択を責める筋合いはないですよね。大体、世間を知っている女でも、男を見る目はなかなか養えないものですよ。結婚って、その女性の賢さとか美貌とか、いろいろなものが詰まった結果だと思うんですけど、結局は「運」が一番大きい。大量のクジの中から一本をヒュッと取ったとしても、大体“外れ”なのが普通です。
逆のケースだが、民間人から皇室に嫁いだ美智子上皇后、雅子皇后、秋篠宮紀子さんは、これまで報じられていることの中に幾何(いくばく)かの真実があるとしたら、100%幸せな結婚生活とはいえないかもしれない。
結婚が幸せをもたらしてくれるのではない。幸せは結婚した2人が作り出していくものである。
批判の矛先は小室母子から眞子さんへ
だが、世間の分からずやたちは、宮内庁へ抗議の電話をかけ続けていると、女性セブン(2/11日号)が報じている。
「多くは“小室さんは眞子さまのお相手にふさわしくない”というものです。金銭トラブルを抱える上、何年経ってもちゃんと説明できない人は、皇族のお相手として祝福できないということでしょう。
“結婚の一時金を支払うべきではない”という声も少なくありません。税金が小室家側にわたることに嫌悪感を持たれているのです」(ある宮内庁関係者)
こうした手合いは、自らの結婚生活が不幸なのであろう。大きなお世話である。
だが、小室母子への批判を強めていた週刊誌が、このところ、眞子さんへの批判も掲載するようになってきた。
これまで週刊誌は、批判の矛先を小室母子や秋篠宮夫妻には向けていたが、眞子さんには向けず、“タブー視”していたように思う。小室圭のような男を好きになってしまった彼女が不憫だという情もあったかもしれない。
それが、11月に眞子さんが発表した事実上の結婚宣言といえる「お言葉」以降、流れが変わってきた。特に女性誌に顕著である。
女性自身(2/9日号)は「小室さんとの結婚ファーストで仕事も卒論も放棄」と報じた。
「眞子さまは現在、東京大学総合研究博物館・インターメディアテク(IMT)の特任研究員を務めていらっしゃいますが、その任期は今年3月で終了することになっています。とくに“就職活動”をされているご様子はないようですが、はたして4月以降の勤務先は決まっているのでしょうか……」(皇室担当記者)