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シッターの処分歴は公表すべき? 相次いだわいせつ事件、“質”を担保するためには

 「わいせつ事案等々もあったので、これからの子育てもために、しっかり厳しく取り組んでいかなければいけない」

 1月29日の会見でこう述べた坂本哲志少子化担当大臣。去年、相次いで起こった男性ベビーシッターによるわいせつ事件。逮捕されたのはいずれもマッチングサービスにより派遣されたベビーシッターだった。厚生労働省は、事件などを起こし処分を受けたベビーシッターの情報をデータベース化して自治体の間で情報を共有する方針を固め、2021年度中に開始するとした。また、マッチングサービスのガイドラインの改正、刑の執行を終えてから2年間を事業停止命令期間にすることなども提言している。

【映像】“わいせつシッター”処分歴公開の是非は

 しかし、インターネット上では「刑を終えた後でも情報公開するのは社会復帰の道を閉ざすことになる」「ベビーシッターの数が減ると困る」といった声も。待機児童や両親の共働きなど子育てにまつわる問題はいまだ解消されておらず、ベビーシッターの需要は高まっている。

 ベビーシッターの処分歴の公開は是か非か。1月29日の『ABEMA Prime』では、データベース化を議論する厚生労働省の社会保障審議会のメンバーで、労働・子育てジャーナリストの吉田大樹氏に話を聞いた。

■相次いだシッターのわいせつ行為、“質”を担保するためには

 ベビーシッター処分歴のデータベース化は、シッターによる暴力事件またはわいせつ事件が発生した場合、自治体などがその事業者やシッターの名前、事件の概要、さらには確定した刑を内閣府の保育幼児教育の検索サイト「ここdeサーチ」に入力、利用者はそれを自由に閲覧できるようにするという仕組みだ。プライバシーに配慮して、具体的な事件内容は伏せるという。

 吉田氏は「利用者側には安全・安心に思ってもらえるメリットがある。安全を最優先しなければいけない事業なので、一定水準のデータベース化はひとつの前進だと思っている」と話す。

 また、データベース化はひとつの保証とした上で、「その前の入り口の部分でなんとか歯止めをかけること。資格を持った保育士の方が(シッターに)なる事例もあるし、当然一般の人たちにも開かれた事業でもある。ただ、闇雲にどの人がなってもいいということではなく、国のお金が入っている制度ということもあって、どのように質を担保するかも考えないといけない。研修制度や自社研修を含めて充実させるというところは、またひとつ鍵になってくると思う」とも指摘する。

 事件が起きた「キッズライン」は、マッチングという仕組みでペアレントとサポーターを繋げてきた。ピンポイントに対応できる人を気軽に探せるのが利点だが、相次いだ事件(※)でその“質”が問われている。
※2020年4月、6月にキッズラインに登録する男性ベビーシッターがわいせつ行為で逮捕

 吉田氏は「2015年から新しい子ども・子育て支援制度が始まったが、やはり待機児童の問題がまだまだクリアできていない中で、(保育園から)漏れた方がベビーシッターを活用して就労継続が可能になるようなケースもある。多様な子育てサービスの担い手のひとつに今なろうとしていて、ここでしっかりとした制度づくりをしていくことで、逆にその選択を先に選ぶという可能性も出てくると思う。そのための取りまとめが28日に行われて、この先課題が出てくるかもしれないが、リスクをしっかりと潰していく作業をしないといけないだろう」との見方を示した。

■“マッチング”システムの課題は

 ベビーシッターの事業者数は、2017年度は903(事業者256、個人647)、2018年度は1977(事業者327、個人1650)、2019年度は3250(事業者357、個人2893)と、年々増えている。

 こうした状況について、吉田氏は「自分の収入ベースとしてやっている人もいたり、お小遣い程度でやっている人もいたりと幅がある。ただ、入ってくる以上は、一定の研修をしっかりクリアするという形を作らなければ、やはり利用者の信頼を得られないと思う」と指摘する。

 一方で、2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は「経験のない人にもちゃんと研修をさせることにコストをかけた方がうまくいくと思うが、最大手ですら“男性シッター停止”という対応で、研修を増やすわけでもない。事業者は安くて簡単な方に流れがちなので、どこかで事業者を制限するという形にしないと効果がないのではないか」「話し合いの中で、業者を選定したりフィルタリングしたりする仕組みの話は出ていないのか」と疑問をぶつける。

 吉田氏は「ベビーシッターの事業を、保育所をやっている中で複合的に一つの事業にしている会社もあれば、マッチングだけをやっている会社もある。マッチングだけを担っているサイトの課題が多いということが明らかになっていて、そこに対する対策をどうしていくか。例えば自社研修は無理だとしても、都道府県がやっている研修に行かせてからでないと登録させないとか。研修を受講しているという一定水準じゃないと登録できないという流れに、今回の取りまとめによって動き出していくのではないかと思っている」と答えた。

■犯罪歴などの公開に“再犯リスク”を懸念する声も

 データベース化については、犯罪歴などの公開を懸念する声もある。精神保健福祉士の斉藤章佳氏は「データベース化は必要。子どもに関わる仕事には戻れないようにすべき」としながらも、「それが過剰な差別や排除につながれば、加害者が孤立し、社会復帰できず、孤立化が再犯のトリガーになるリスクがある」としている。

 この点に対し吉田氏は「たとえ犯罪を犯した人でも、その後子どもを生み育てるというのは可能性としてはある。そういう人が更生するという可能性をどこまで追求し手を差し伸べてあげるかは、まだ課題があると思う」との見方を示す。

 データベースに載った犯罪歴を一般の人が見られるようになると、その人の社会復帰等に影響を及ぼすのではないか。処分歴や犯罪歴がある人はシッター登録できないようにすれば、情報は見られずプライバシーも守られるのではないだろうか。

 吉田氏は「まずそこを前提にして話を進めないといけないのではないかと思う。載った情報はずっと残り続けるという問題もあり、どう折り合いをつけるかも考えなくてはいけない。まず守るべきは子どもの安全安心。それを盾にして、まず何ができるかという話だ。更生をするにしても、極めて高いハードルを設けないと復帰できないような仕組みにしていかなければならない。しっかりと排除するのはやっていかなくてはいけないことだが、また何か職業に就いたりという可能性は排除してはいけない」と述べた。
(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

映像:EXIT兼近「何歳であっても実名報道すべき」少年犯罪と更生、厳罰化を議論

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