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石原慎太郎氏と原発

いきなりですが、貴方に質問をしたいと思います。

支持政党、お決めになりました?

人に質問をしていて何なのですが、私はどの党も支持する気になれないのです。だって、どの党も、耳触りのいいことを言うだけであり、そして、肝心なことになると、曖昧なことしか言わないからです。

ただ、それはそれとして、最終的にどこかを選ばなければならないとすれば、やっぱり原発、増税、TPP、経済政策、外交などが判断基準になると思うのです。

で、そのうちの原発の問題についてなのですが‥どう思います?

脱原発を支持します?それとも、ある程度原子力発電が必要だという方ですか?

まあ、政党によっては、態度を明らかにしているところもありますが、多くのところは、イマイチはっきりしないのです。民主党もそうだし、自民党もそうなのです。

自民党の態度は、今原発を再開するなんて言えば、支持率が落ちることが目に見えているために、今はおとなしくしておいて、数年経ち、もう少し世間が静かになった上で原発を再開をするつもりなのではないか、と勘繰りたくなってしまいます。

それにしても、第三局の維新の態度も分かりません。石原氏と橋本氏の言う事が違うではないですか!

これじゃ、原発で判断しようとしている有権者は、維新を支持することはできないでしょう、多分。

私、尖閣の問題では、石原知事の行動を支持していたのですが‥それ以外の問題になると、?マークが付くような言動ばかりですよね。

素人が銀行を作って、都民に大損をさせたにも拘わらず‥

そもそもこの人、経済には大変疎いのです。

昨日、記者会見で石原氏は次のように言いました。

「君、何年前にだね、ある電力の値上げがあってだね、電気料金が上がっね、一体どれくらいの期間に日本の重要な産業であるアルミ業界が潰れたと思っている‥知ってる?言ってみろよ、知らねえだろう」

先ず、言いたい。話の内容の前に、「言ってみろよ、知らねえだろう」という口調は頂けません。品格に欠ける発言です。

次に、もし、質問した記者が、日本のアルミ産業がかつてほぼ全面撤退した事実を知っていたとしたらどうなのでしょう?

その時、石原知事はどう応えるのでしょう?

実は、私は、日本のアルミ産業がアルミ精錬から手を引いたという事実を知っています。

何故か?

私、今から35年以上も前、社会人になりたてのときに、地域の経済調査のために地域の有力企業にヒアリングに出向いていたことがあり、そのときの対象企業にアルミ精錬の企業があったからなのです。

殆ど素人同然の私は、当時の世界の代表的なアルミ精錬企業はアルキャンとアルコアであることをそのとき知りました。そして、アルミニウムとは電気の缶詰であるとも。

つまり、アルミを精錬するのには大変な量の電気を使用しなければならず、従って、アルミは電気の缶詰と呼ばれていたのです。そして、だからこそ電力コストの低い国はアルミ精錬に向いているが、その反対に日本のように電力コストの高い国はアルミ精錬には向いていない、と。

従って、そもそも日本は、アルミ精錬には向いている国ではないです。

それが、どうして原発の問題と関係があるのでしょう?

私には、石原氏の言いたいことの意味が分からない。

彼が言いたかったことは、恐らく次のようなことだったのでしょう。原発を止めて電気料金が上がると、日本の産業のなかには大打撃を受けるものが出てくるかもしれないが、それでいいのか、と。

しかし、石原氏の主張が説得力を持つためには、そもそも原発のコストが他の火力発電や水力発電などと比べて割安だということを証明することが必要なのですが、果たして原発のコスとは本当に低いと言えるのでしょうか?

答えは、ノー。

明らかに高い。

しかし、表面的には安そうに装っている。それは、本来含めないといけない経費が、コスト計算に算入されていないからなのです。早い話、こうして原発の事故が起こって、大変な損害を地域に与えているのですが、そのようなことは全く考慮されていない。そして、核のゴミをどうやって管理していくかという費用も算入されていない。

つまり、例えば、原子力発電と火力発電と水力発電と太陽光発電と風力発電の発電コストを比較する際の、原子力発電のコストには核のゴミの処理などにかかる所謂バックエンド費用は含めていないのです。

しかし、だったら何故消費者から徴求する電力料金のなかには、そうしたバックエンド費用も含めるのか?

何を考えとんのじゃ、と言いたい!

要するに、原子力発電は全然安くないのです。

しかし、そう私が言っても、現実に原発を停止して、火力発電に頼る割合を増やしたところ、天然ガスを沢山輸入している関係で、料金が上がっているではないかという人がいるかもしれません。

確かに日本は、大変高い天然ガスを購入しているのです。

何と日本の買う天然ガスは、米国の9倍するのだ、と。

ということで、何故日本の買う天然ガスが高いのかということが関心を呼んでいる訳なのですが‥

・日本の買う天然ガスが高い理由(PRESIDENT Online  実践ビジネススクール「なぜ日本の天然ガスの価格は高いのか」を参考にしました)

(1)海外の天然ガスを日本に輸入するには、冷却して液化したうえでLNG専用船で運搬し、わが国に着いたのち再び気化する必要がある。従って、コストがかかる。

(2)日本の場合、ヨーロッパとは異なり、天然ガスのパイプライン網が整備されていない。

(3)安定供給を確保するため、LNG価格を原油価格にリンク(油価リンク)させているため。

しかし、これだけの理由ではないのです。

その理由は、我々が常識を少し働かせたら分かるのです。

もし、貴方が、ある品物を安く購入したいと思えばお店でどんな態度を取るでしょう?

「○○はある?急いでるんだけど」

そんなことをお店で言って、安く売ってもらえるでしょうか?

答えはその反対。つまり、海外の業者は日本の電力会社が、原発を停止したために、どうしても天然ガスを購入する筈だと判断しているので、高く売ることはあっても安く売ることはないのです。

だったら、どういえばいいのか?

「○○はある?これから先もずっとお宅から買わせてもらうから」

ずっと買ってもらえると言えば、それなら少しはサービスしときましょうと、なる訳です。

しかし、日本の電力会社は原発の再開を目論んでいるために、今後も大量に天然ガスを購入し続けるとは言えない。

そしてまた、例えば、電力会社がまとまって、そして、ガス会社とも共同で天然ガスの購入に当たるならば、大きな交渉力を身に着けることもできたのに、それをしない。

だって、どうしても原発再開に未練があるから、そこまでのことができないのです。

しかし、そうして電力会社が個別でスポット買いみたいなことを繰り返すから安く買うことができないのです。

石原氏の言葉に話を戻しましょう。

日本は、電力コストが高いためにアルミ精錬産業から徹底を余儀なくされた。

しかし、実は、日本軽金属蒲原工場だけは、日本で唯一アルミ精錬を今でも行っているのです。

では、何故、そこでは事業を継続できているのか?

石原氏が言及するように原子力発電のお蔭なのか?

答えは、その反対。

原子力発電ではない、自前の水力発電所を持っていて、そこで発電する電力を利用してアルミ精錬事業を今でも継続していると言うのです。

やっぱり、水力発電の方がコストが安くつくという証拠ではないのでしょうか。

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