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バイデン政権下のタックスポリシー(2)

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前回は、遅ればせながら新年早々の企画と言うこともあり、政権誕生に至る米国の混沌としたポリティクスにチョッとだけ触れた。これらの出来事はタックスと一見関係ないように見えても、今後どの程度両党歩み寄りという微塵の可能性があり得るか、とか直接・間接に今後の立法プロセスに影響を持つことになる。

法人税率28%はいつから?

1月20日以降、一番多く質問されるのが「どのタイミングで連邦法人税率が28%に引き上げられる予定ですか?」というもの。

法人税率28%は、GILTIの21%化や連結財務諸表の税引前利益に対する15%ミニマム税と並び、バイデン政権の選挙公約であり、タイミングに関しては、相手によって態度の豹変が激しいCNNによる手のひらを返してフレンドリー(苦笑)なインタビューで選挙前にバイデンが「私が大統領になった暁には初日に法人税を引き上げてみせます!」って宣言したことで、トランプが初日に公約のTPP脱退や壁作りを実行したように、こちらも1月に実行されるのでは、という勘違いが生じていた。

1月や2月に税率が引き上げられると、3月決算でDTAやDTLの評価も含めて新税率を取り込まないといけなくなるので、DTLがあったりするとそれだけで決算に悪影響が出る。ただ、米国の三権分立や立法プロセスを少しでもしっていれば、税率を引き上げる権限は大統領ではなく議会にあるので、実行不可能な点は直ぐに分かり、単なるレトリックだったに過ぎない。

就任後、大統領令を乱発しているバイデンだけど、さすがに税率に関しては行政府に権限がないことは間違いなく、大統領府だけでは予算教書に盛り込むくらいが関の山で独自には打つ手はない。

今後の立法・審議プロセスに見る勢力図

11月3日の選挙で、下院では民主党が議席を大きく失い、改選前、30議席以上あった差が10議席に縮小している。現状の下院総議席数は435だから、民主党から5人の造反が出ると過半数が確保できなくなる。両党内とも異なるイデオロギーが混在しており、民主党内にも過激なポリシーで議席を失ったのでは、と懸念する中庸議員とそうでない派が同調できるかどうかがキー。

ただ、最近の傾向としては、下院では政策内容そのものよりも、誰が法案を出したか、すなわち民主党案なのか共和党案なのか、っていう点だけで結果が決まり兼ねないので、民主党案の税率引き上げには仕方なく全員同調となる可能性もある。両党とも政策毎にきちんと審議してくれている感がないこの点は、多額の所得税を負担している一般市民の視点からのフラストレーションのひとつ。

上院は更に複雑。上院は各州2議席で、DCはその名からも分かる通り、州ではなく連邦領土なので、計100議席。ジョージア州の上院決戦で民主党が意外にも2議席確保したので、50対50でタイ。ただし、キャスティング投票権を副大統領が持つことから実質、民主党が多数党になる。上院はFilibusterという手続き上の制約から、60議席の賛同がないと法律を通すことができない。

その例外は予算調整法と言われるもので、これだと過半数で立法が可能となる。だったら、予算調整法で全部やっちゃえばいいじゃん、って思うかもしてないけど、年に一回きりのジョーカーみたいな存在なのと、予算に関係する法案でないといけなかったり、歳入と歳出の均衡、等他にも尾ひれがつくプロセス。2017年のTCJAは予算調整法内で可決されている。今回も60票確保は不可能に近いと言え、予算調整法を利用して50票で可決させるしかないのではないだろう。

予算調整法を適用して多数決でOKだとしても、50対50で全体が100議席しかないので、議員一人一人の動向が法案の運命を大きく左右することになる。

僕が注目しているのは、中庸な共和党議員、中でもメイン州のSusan Collins、アラスカ州のLisa Murkowski、のお馴染みワイルドカードに加え、独自の路線を歩むユタ州のMitt Romneyの動向。絶滅寸前だけど、民主党にも未だ少数の中庸上院議員がいて、Independentって感もあるウェストバージニア州のJoe Manchin、バージニア州のMark Warner (グランドファンクみたい)などがどう動くかで、50票確保の可否が決まりそう。

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