記事

西野亮廣、中田敦彦はなぜ路線変更したのか 立ちはだかった壁とは

テレビからYouTbeへと活動の軸足を移したオリエンタルラジオ・中田敦彦(時事通信フォト)

 ここ数年、大手事務所から独立する芸能人が後を絶たない。そうした中で、吉本興業は闇営業問題が発覚した2019年に所属芸人の大量退社が取り沙汰されたが、結局辞めた有力芸人はいなかった。しかし、1月30日付でキングコングの西野亮廣がマネジメント契約を終了。1か月ほど前には、オリエンタルラジオの中田敦彦と藤森慎吾も独立しており、2000年代に一世を風靡した芸人が相次いで吉本を去った。

【写真7枚】西野亮廣、『プペル』大ヒットの中で見せた夜の笑顔

 西野や中田は近年、従来のお笑い芸人のようにテレビを中心に活動するのではなく、自らビジネスモデルを構築し、多角的に仕事をしていた。デビュー直後から大ブレイクして“テレビの申し子”と思われた彼らは、どうして路線変更したのだろうか。テレビ局関係者が話す。

「2組とも、最速のスピードで売れましたよね。NSC在学中にキングコングは『NHK上方漫才コンテスト』の最優秀賞を取り、オリラジは『M-1グランプリ』の準決勝まで勝ち上がった。ゴールデン帯への進出も早く、キングコングは『はねるのトびら』(フジテレビ系)のメインとして視聴率20%を取った。オリラジは数字こそよくなかったですが、『週刊オリラジ経済白書』(日本テレビ系)などデビュー3年目で冠番組を持ったし、2組とも異例の大出世で、2000年代を象徴する芸人だったことは間違いない。しかし、彼らの前にはダウンタウンという大きな壁が立ちはだかっていて、結局そこを超えられていない。現在の彼らの活動のルーツはそこにあると思います」

 1980年生まれの西野、1982年生まれの中田はダウンタウンの影響をモロに受けた世代の芸人である。1990年代、松本人志と浜田雅功は『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)などの冠番組を持ち、お笑いで革命を起こしていた。テレビ番組だけでなく、松本は著書『遺書』が200万部、『松本』が250万部を超え、浜田は歌手として『WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント』(H Jungle with t)で200万枚を突破。社会現象になった。

「西野や中田もお笑い界での大成功者ですよ。ただ、彼らはいくら山を登っても、ダウンタウンという山頂には届かないと実感したのではないでしょうか。西野はよく『視聴率20%を取っても上に何人もの大物がいて絶望した』と語っています。そこで、テレビのひな壇ではなく、絵本作家やオンラインサロンなど、新たな分野での成功を目指した」(前出・テレビ局関係者)

 中田は、公然と松本に物を申したことがあった。2017年2月、脳科学者の茂木健一郎氏が「日本のお笑い芸人たちは、上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。後者が支配する地上波テレビはオワコン」とツイートした。すると、松本が『ワイドナショー』(フジテレビ系)で「(茂木氏には)笑いのセンスがまったくないから、この人に言われても刺さらない」と心境を語り、翌週に番組出演した茂木氏が「エールのつもりで言ったのですが、誤解を招いてしまい、すみません」と謝罪する格好になった。

 これで事態が収束したかに思えたが、中田はオフィシャルブログで一連の騒動について言及した。

「茂木さん負けるな!と思っていたところ、大御所の番組に出演して大御所に面白くないと言われ公開処刑をされてしまいました。大御所にセンスがないとか価値を決められてしょげ返っている様子こそが茂木さんの意見通りだったのに。茂木さんの指摘、当たってたのに」(2017年4月15日)

 こうして松本に噛み付いた1か月後、『らじらー!サンデー』(NHKラジオ第1)で「(吉本興業の)幹部と社長に今、僕は『謝れ』と言われている。僕の意志としては謝らない。僕も覚悟を持ってやってますので。すごいんですよ、騒ぎ方が。会社と先輩と」と話し、一歩も引かない姿勢を見せた。

「この騒動の影響かはわかりませんが、中田のテレビ出演は徐々に減っていきました。本人の意向も強かったのでしょう。今のテレビは瞬間芸で、いかに5秒で面白いことを言えるか。それに、どれだけ周りと調和できるかで勝負が決まる。中田はそれに飽きていて、1人でずっと喋るスタイルで戦いたかった。それを実現できるYouTubeという場所を見つけたことで、仕事の軸足をテレビからネットに変えていきました。今年3月にはシンガポールに移住する予定で、日本での活動は縮小するでしょう」(前出・テレビ局関係者)

 中田がテレビをメインに活躍していた頃、ダウンタウンの勢いが弱まっていたように見えた時期もあった。

「一時、『爆笑!大日本アカン警察』『教訓のススメ』(以上、フジテレビ系)、『100秒博士アカデミー』(TBS系)など新番組が、期待していたほど視聴率を取れなかった。もちろん、それをダウンタウンだけのせいにはできませんが、彼らに“限界説”が囁かれていたのも事実です。しかし、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の終了に伴い、2014年4月から『ワイドナショー』の放送時間が日曜10時に移ったのを機に、松本のコメンテーターとして能力が注目を集めるようになり、盛り返し始めた印象です」(民放関係者)

 それまでは『アッコにおまかせ!』(TBS系)の和田アキ子が“芸能界のご意見番”として呼ばれていたが、今やその位置には松本が座っていると指摘する向きもある。

「記憶に新しいところでは、近藤真彦の不倫問題についてテレビやツイッターで最初に口火を切った途端、事態が進展していった。世間に『あのジャニーズさえも動かした』というインパクトを与えた。松本がそのポジションを望んでいるかは別として、いまや発言の注目度は芸能界一です」(前出・民放関係者)

 自らの力でテレビ業界や吉本興業で圧倒的な地位を築いてきたダウンタウンは意図せずして、西野や中田の生き方にも影響を与えていたのかもしれない。

あわせて読みたい

「中田敦彦」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    転んでもただでは起きない「ahamo」

    自由人

    04月18日 09:39

  2. 2

    中国が反発したくなるほどインパクトがあったのだから、日米共同声明はよかったということだろう

    早川忠孝

    04月18日 17:03

  3. 3

    「#二次加害を見過ごさない」私が毎日納豆を食べる理由 - アルテイシア

    幻冬舎plus

    04月18日 10:20

  4. 4

    会社を私物化する経営者「家族との高級レストランを交際接待費で落とす」

    キャリコネニュース

    04月18日 14:05

  5. 5

    養老孟司「生死をさまよい、娑婆に戻ってきた」病院嫌いが心筋梗塞になって考えたこと

    PRESIDENT Online

    04月18日 15:46

  6. 6

    日米共同声明 実務ベースで進めていく力が菅内閣にあるのか

    ヒロ

    04月18日 10:27

  7. 7

    アベノマスク評価 広報面でみれば大成功

    中村ゆきつぐ

    04月18日 10:06

  8. 8

    山本太郎氏「汚染水の海洋放出は約束を反故にした許し難い暴挙」

    山本太郎

    04月17日 16:35

  9. 9

    黒人女性を撃った警官の内幕モノにネットの非難轟々

    島田範正

    04月18日 16:09

  10. 10

    大阪府 過去最多の1220人が感染 6日連続で1000人超え

    ABEMA TIMES

    04月18日 18:26

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。