記事

心に深い傷を負わせる陰湿な女子のいじめ 子どもを救い出すのは保護者の早い判断[不登校との付き合い方(12)]

不登校の原因の多くを占めるのが、いじめ。その中でも女子同士のいじめは、エスカレートしやすく陰湿とも言われます。もし、自分の娘が「いじめられているかも」と気づいたとき、保護者はまずどういう行動をとったらいいでしょうか。不登校新聞編集長の石井志昂さんに伺いました。

この記事のポイント

  • 見えないところで進行する、女子同士のいじめ
  • クラスカーストは低年齢化し、さらにお母さんにも広がっている
  • 保護者による早めのドクターストップが、子どもの心の傷を浅くする

見えないところで進行する、女子同士のいじめ

いじめを受けることは、性別問わずつらいことですが、特に女子同士のいじめは人の心を傷つけ、打ちのめす力が強烈だと感じています。女子同士は、同調圧力の傾向が強くて、非常に孤立しやすく、男子とは違う悩みを抱えがちです。

女子同士に限らずですが、いじめは大人から見えにくいところで進行するものです。ある小学生が、いやなあだ名でクラスのみんなから呼ばれ、先生からも呼ばれてしまった、というケースがありました。

クラスの子どもたちがその子の名前の下に「○○菌」とつけて呼んでいたのについて、先生は「ゲームのキャラクターの○○キングとか、ユーチューバーの『ヒカキン』のように、名前にキンとつけているつもりだった」、というのです。悪い意味に直結する言葉と違い、「キン」という音だけでは何を意味するか解釈次第となると、表面的にわかりづらいものになるわけです。

また、先日取材した女性は、大学付属の高校に入っていじめを受けたそうですが、偏差値が高い付属高校にせっかく入ったのだからと、3年間不登校にならずに通い続けました。なんとか卒業できたわけですが、苦しんで学校に通い続けた結果、心がボロボロになってしまい、フラッシュバックも起こり、心療内科でうつ病傾向といわれたそうです。3年間苦しんだ結果がこれです。それでも、大学生になった今になっても、親には話していないそうです。 

こんな風にかなり巧妙で、さらにはSNSなど大人の見えないところでいじめは広がります。それでも、子どもはそれをなかなか大人には話したがりません。子どもの様子を見て、保護者が気づいてあげることが大事だと思います。

オンラインで取材に対応してくださった石井志昂さん

クラスカーストは低年齢化し、さらにお母さんにも広がっている

ほんとうにささいなことから、あっという間にいじめに発展することがよくあります。消しゴムのメーカーがみんなと違うというだけのことだったり、みんなと一緒に帰るか帰らないかということだったり。こうしたことから始まるクラスカーストは、小学校3~4年生くらいから始まるといわれていますが、さらに低年齢化しているともいわれます。

また、お母さんたち同士のカーストが影響していることもあります。ママ友同士のSNSに参加するかしないか、特定のサークルに入っているかどうかということで決まってくるようです。ただ、お母さんのカーストが子どもたちの関係に影響している場合、子どもに「大丈夫?」と聞いたとしても、親に心配をさせたくないという思いから、笑顔で隠すということもあるかもしれません。

さらには、当事者同士だけの問題ではなく、クラス全体に影響するため、学校の担任の先生もクラス全体が相手になってしまうために、その子だけを救い出すということができない、という事態にまで発展することがあります。

保護者による早めのドクターストップが、子どもの心の傷を浅くする

特に女子のいじめは、いじめる側もいじめられる側も、大人には見せないようにする傾向が強いです。ちょっと苦しんでいる様子と、ほんとうに苦しんでいる様子の差が見えにくいかもしれませんが、子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、それはほとんどの場合、限界を超えた状態でのSOSだと思ってください。

こうなったら、保護者がドクターストップの旗をいかに早く上げるかが大事。学校には「原因は分からないけれど、学校に行けるような心理状態ではないので、いったん休ませます」と言うことです。そうしないと、子どもは限界を超えているのに我慢し続けることになり、どんどん傷が深くなります。

子どもが苦しそうな様子が見えたら、とにかく声をかけてあげてほしいです。それだけでも気持ちが楽になるかもしれないし、それがきっかけで話してくれることもあるでしょう。保護者がかけるべきドクターストップが遅くなるほど、その子の人生がほんとうに苦しいものになります。不登校にはしたくない、という心理が働くのかもしれないけれど、つらいまま学校に通い続けることのほうが、子どもが受ける傷は圧倒的に深くなります。そのことを知っておいてください。

まとめ & 実践 TIPS

女子同士のいじめは、低年齢化しているし、お母さん同士の「カースト」が影響していることも。そして、大人から見えないように巧妙で、いじめられている子ども自身も苦しさを大人には見せたがりません。必要なのは、早めに保護者が気づいてドクターストップを出して、むりに学校へ行かせないこと。まずは苦しそうな様子が少しでも見えたら、声をかけることが大切です。

あわせて読みたい

「いじめ」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    伊是名夏子さん騒動で、政党(社民党)はもう本気で黙っていた方がいい理由

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    04月21日 09:46

  2. 2

    マリエの「枕営業」告発が、テレビや新聞で完全スルーされる本当の理由

    PRESIDENT Online

    04月20日 12:19

  3. 3

    「都の対策は“何周遅れ”なの?」迫りくる第4波…小池都政に安心材料はほとんどない - 石戸 諭

    文春オンライン

    04月21日 08:44

  4. 4

    世界各国で「祝日変更」の動き コロナ感染拡大を封じ込めることはできるのか

    NEWSポストセブン

    04月21日 09:01

  5. 5

    なぜ日本は海外ワクチンの調達が遅いのか

    舛添要一

    04月21日 11:50

  6. 6

    「参院広島再選挙」後、被買収議員の起訴は確実!「政治×司法」の権力対立が発端の「激震」が続く

    郷原信郎

    04月21日 11:57

  7. 7

    若くしてスマートな今年の新入社員を絶望させる"化石燃料タイプ"のNG行動

    PRESIDENT Online

    04月20日 16:59

  8. 8

    Appleが極薄の「iMac」発表 5月後半から発売開始

    ABEMA TIMES

    04月21日 08:17

  9. 9

    ワクチン接種 そこそこ急性の反応はあり 変異株 緊急事態宣言はどこまでが妥当?

    中村ゆきつぐ

    04月21日 09:23

  10. 10

    大盛りで有名な「ラーメン二郎」で起きる大食いハラスメントが断じて許されない理由

    東龍

    04月21日 17:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。