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【ウォルマート】、アマゾンに対抗した広告展開!クローズド・ループ・オムニチャネル?



■流通最大手チェーンのウォルマートは28日、自社内の広告事業を刷新しオムニチャネル化に合わせてメディア売上を拡大していくことを発表した。

店内にあるデジタルサイネージ広告やホームページのスポンサープロダクト広告だけでなく、急成長するネットスーパーなどに対応したデマンド・サイド・プラットフォームを応用しても売上を上げる。

米国内に4,700店以上を展開するウォルマートでは週客数が1.5億人となる。アメリカ人の実に9割がウォルマートで買い物をしているのだ。ウォルマートの買い物客が店内で目にする物理的な接点も無数にある。

例えば顧客の目にとまるテレビモニターなどのデジタルサイネージやセルフチェックアウトレジだけでも17万台もあるとしており、広告媒体として最大限に使うことができるのだ。

ネットスーパーなどネット売上を急増させているウォルマートでは、商品検索後に販促したい商品をページのトップに据える、クリック課金制のスポンサープロダクト広告も広告売上の大きな柱となっている。

ウォルマートはリアル店舗から仮想空間のデジタル資産を最適化しクローズド・ループ・オムニチャネル・メディア企業としても拡大するのだ。

ウォルマートは今後5年で広告事業規模を10倍以上に膨らませ、国内の大手広告代理店の上位10社に食い込むことを目標としている。

ウォルマートはまずメディア事業部「ウォルマート・メディア・グループ(Walmart Media Group)」を「ウォルマート・コネクト(Walmart Connect)」に部署名を変更し、スタートアップでデマンド・サイド・プラットフォーム企業のトレード・デスク(The Trade Desk)と提携しメディア売上を拡大していくのだ。

ウォルマートはネット通販のウォルマート・コム、サブスクリプションのウォルマート+、そしてネットスーパーからリアル店舗内での買い物でも利用されるウォルマート・アプリ等、利用者の視覚的接点を最大化した広告戦略を開始する。

 ネットスーパー利用時のカスタマージャーニーを辿るだけでも、ウォルマートはアマゾン以上に広告売上を増やせる変数があることがわかる。

ネットスーパーの購買行動では利用者は最初にストアアプリを起動する。利用者の購入履歴からページのトップにスポンサープロダクト広告を表示させるだけでなく、検索結果にも広告を反映できる。

決済画面では、欠品などで代替される商品についても代替品のスポンサードが可能だ。

カーブサイド・ピックアップで注文品を取りに行く直前、利用者はアプリを起動してチェックインをする。チェックイン後の画面やお店のピックアップ場所を表示するマップにもスポンサープロダクト広告を挿入できるのだ。

ピックアップ確認メールにも広告を忍ばせることもできる。顧客が以前、一度はショッピングカートに入れたことのある商品や検索した商品に限り表示するなど、トラッキングに配慮しながら潜ませるのだ。

クローズド・ループ・オムニチャネルから得られたデータを利用することで、より的を絞った広告を出すことが可能となる。店内におけるリアルタイムの売れ行きまで把握しながら、必要に応じてアプリなどデジタル上に配した広告コンテンツを修正できるのだ。

 ウォルマートは大手ブランド企業に対してはアマゾン以上に広告を売れるポジションにある。LFC展開を発表、自動運転車からドローンまでラスト・ワン・マイルの開発にも努めることで、ネットスーパー利用がさらに増える。

リアル店舗まで活用したオムニチャネルのメディア利用でウォルマートはアマゾンを広告事業でも追い上げるのだ。

トップ画像:ウォルマートのセルフチェックアウトレジ。週客数1.5億人を誇るウォルマートではセルフレジのスクリーンや買い物かごを置く台にも広告を表示することでメディア売上を拡大できる。アマゾンに対抗したクローズド・ループ・オムニチャネルでの広告展開はさらに莫大な利益を生むことになるのだ。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤の主張は一貫しています。「ストアアプリがリアル店(売り場)以上に大きな売上をもたらすことになる」ということ。買い物の利便性を向上させるストアアプリは店と顧客を結ぶコミュニケーションツールでもあります。

売り場以上に顧客と接する機会(広さ・深さ)や頻度を最大化できる接点でもあります。これを最大限に生かして広告でも売上を拡大させようとしているのがウォルマート。店でモノを売って商売するビジネスモデルはすで終わっています。チェーンストア理論による規模の経済性を狙ったスケール化モデルも通用しない時代になっているということ。

リアルの資産をオムニチャネルで最大化しながら、利用者にカスタマイズされたコトを提供できなければスルーされる時代です。言い換えれば広告も利用データから巧くカスタマイズできるようになれば売れるのです。B2Cもストアアプリ等で最適化・最大化すればテレビや新聞等のマスメディア以上に広告でも十分に儲けられるのです。

 究極の広告とは消費者の潜在意識に特定商品を購入するように働きかけることだと思っています。ザイオンス効果として知られている単純接触効果も購買行動をカスタマイズすることでサブリミナル的にできますから。クローズド・ループ・オムニチャネル・メディアという言葉は覚えておいてください。

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