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2012年は日中友好が「終わり」を迎えた年

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ニコニコ生放送とBLOGOSがタッグを組んでお送りしている「ニコ生×BLOGOS」第13回のテーマは「一党独裁!13億人を支配する中国共産党の謎」

尖閣諸島を巡る領土問題で日本と中国の関係は悪化の一途をたどっています。中国国内では反日デモも行われ、国内で改めて“中国”がクローズアップされていますが、意外と知らないのが中国の政治制度。一党独裁を続ける中国共産党はどのようなシステムになっているのか?

知っているようで知らない中国の政治事情の最前線を、中国出身でありながら、現在は日本に帰化した「誰よりも中国を知る男」石平氏と、中国ウォッチャーの第一人者、宮崎正弘氏に伺いました。

【出演】
司会:大谷広太(BLOGOS編集長)
アナウンサー:山本郁
コメンテーター:須田慎一郎(ジャーナリスト)
ゲスト:宮崎正弘(評論家・作家)
石平(評論家)

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中国には地方自治の考え方がない

山本:中国とはどんな国なのか、数字で見ていきたいと思います。まずは中国の面積。陸地面積はおよそ960万平方キロメートル。そしてニッポンの面積はおよそ38万平方キロメートルということで、中国は日本の約25倍の広さを持つということですよね。

続きまして、地方行政の仕組み。日本でいう県や市町村がどうなっているのかというと、そもそも中国は中央集権制下の地方行政なので、日本のような地方自治の考え方はありません。中央政府は、地方行政を上から下へ3つのレベルに分けて統括しているんですね。一番上にあるのが省と自治区。日本でいう都道府県にあたります。そして、その下にあるのが、市と県です。特に重要なのが県で、中国全土で3000以上。その県の下にあるのが郷と鎮。「郷」というのは、県が管轄下に置く農村部の単位です。「鎮」は、「郷」の中で比較的発展した街のことだそうです。

宮崎:一番ややこしいのは、「市」の中に「市」があるんですよ。つまり、1級市なのか、2級市なのか。2級の市っていうのは、1級の市の下に入っていて、そういうところが日本と全く違います。例えば、課長、部長、係長の差が全く違います。日本の場合、部長が一番偉くて、その上が局長でしょ?反対に一番偉いのが“かちょう”。ただこれも日本とは違って「科長」といいます。今の行政単位に話を戻すと、上から「省」「1級市」「2級市」「県」「郷」「鎮」になります。

大谷:日本の報道で“市長の不祥事問題”みたいなものがありますけど、日本の市長とは権限が違って、もっと大きな力を持っているわけですよね?

宮崎:大体、中国で市長なんてものはレベルが低い。一番偉いのは“市の書記”。だから、市長と書記が並んだら、市長がペコペコしているので、誰が偉いのかっていうのが一目でわかります。

須田:その書記というのは、共産党の地方組織ですよね。

宮崎:党の書記。

須田:市長は行政だから、党の一員である書記が上にいると。

宮崎:そうそう。

山本:続いて、人口ですけども、世界保健機構(=WHO)が発表した2010年の総人口によりますと、中国は13億4893万人で世界1位。日本の13倍の人口ですね。

石平:ただし、戸籍に登録していないので、統計上にあがってこない人もいるので、実際はもっと多いと思います。

山本:一人っ子政策なんかで、表に出せない場合があると?

石平:最初から戸籍登録をしないんです。

須田:戸籍登録をしないことで生じる不都合ってないんですか?

宮崎:学校に行けませんよ。市民権もないです。

石平:保険が適用されないとか色々な問題が出てくるんですよ。だって市民権がないから。法律上、その人は存在しないことになる。

須田:つまり人間として扱われないと?

石平:極端な話、殺されても案件にはならないんです。

宮崎:ですから、偽戸籍とか、偽の身分証明書とかが流行るんですよね。それもない人は他から盗むしかない。歩いている日本人からパスポートを取ってきたりしちゃうわけですね。

中国は全家庭の55%が貯金もできない

山本:GDPはどうかといいますと。2012年2月13日、日本政府が発表したデータによりますと、物価変動要因を除いた2011年のGDPは7兆4922億8000万ドルで世界第2位ですね。同じ年、日本は6兆5305億ドルで、日本が中国にGDPで抜かれたのは、一昨年(2010年)のことでした。

石平:ただし中国のGDPは、統計上の数字でかなり水増しの部分が多いんです。国が発表した数字でも、売れ残った不動産の在庫がGDPの1割ぐらいありますから、そういう部分を全部計算してしまうと、実体経済はそれほどのものでもないんです。

宮崎:中国国家統計局というところがあるんです。ここがGDP速報などの数字を全部出しているんですが、現在(2012年10月25日時点)の副首相の李克強が「あの数字なんて誰も信用していない」と言ったんですね。ですから、共産党のトップがあの数字を全く認めていないということなんですよ。7.4%成長って聞くといいように聞こえますが、せいぜい2%成長ぐらいかなっていうところです。中国を歩いてみればわかりますよ。

須田:加えて、発表しているのはまだマシなんですよ、嘘でもね。これ、都合悪くなってくると、発表するのをやめますから、例えば、暴動とかデモといった集団的抗議行動の数についても、調査をしているのかわからない。10年前ぐらいまでは発表していましたよね?

石平:去年、政府ではない別の研究機関が発表した数字では、2011年に起きた集団的抗議行動は18万件あったそうです。

宮崎:今ね、中国人は3度のメシよりも暴動が好きって言われているんですよ。

山本:好きなんですか?

宮崎:娯楽なんですよ。

石平:それだけみんなが不満を持っているってことですね。

須田:4年前にある通信社が調査して発表した時は、8万7000件だったはずなんですよ。それがこの4年間で倍増している。あまり増えてくると、中国国内の治安が乱れていることがバレちゃうから、そういった調査をしているかどうかもわからないし、発表すらしないということになるんですね。

山本:でも、中国の経済って減退しているって言われていますよね。そのあたりはどうですか?

石平:今はもう、どんな指標を見ても、落ちるいっぽうですよ。

宮崎:中国の今の経済がわかる簡単な指標があるんです。今年、大学を卒業した生徒は700万人いるんですが、その内、200万人ぐらいに卒業先がないんですよ。ていうことは、過去5年間×200として1000万人の新卒の大学生がまともな仕事に就いていないんです。じゃあ、この人達は何してるのっていったら、ホントに不思議ですよね。

石平:中国で流行っている言葉で、鼠族って人たちですね。

大谷:蟻族とかいいましたよね。

石平:蟻族が進化したのが鼠族。みんな都会人で、高層ビルの地下に住むんです。1ルームを7人か8人で住んで、他の部屋に住んでいる人も含めて、約100人が同じトイレを共同で使うような生活なんです。

須田:所得格差で“ジニ係数”というのがあるじゃないですか。1.0が一番ひどい状況になるんですけども、中国のジニ係数は0.5なんですよ。この数字がどのくらいのものかというと、独裁的な中南米の国、もしくは独裁的なアフリカ諸国。そのぐらいの所得格差があるんですね。

石平:そうそう。要するに、収入は全部食べ物に使ってしまうんです。産経新聞にも書いたんですけど、中国国内の大学の研究機関が調査して発表した数字によりますと、今中国の全家庭の内、55%が貯金さえも、まともにできていないんです。

じゃあ、民間貯蓄はどこにいっているかといいますと、同じ研究機関の発表によると、75%の貯金は大体、上位10%の家庭のところにあるんです。結局、富が一部の人に集中し過ぎているので、もっと広めないといけない。

宮崎:もっと凄まじいのが、この富裕階層は自分たちのお金を国内の預金や投資に回さないで、みんな海外に持っていっているのね。ウォールストリート・ジャーナルによれば、過去1年間で持ちだされた総額が2250億ドル。中国共産党が公表した、共産党の幹部1万人が海外に逃げて持ちだした金額が1000億ドルだろうと言われていたんだけど、実際は少なくとも4000億ドルぐらいは持ちだされているんですよね。ですから、こういう国が人の国の悪口を言っていいのかどうかがわからない。まず、自分たちの足元を見たほうがいいんじゃないかと思いますけどね。

石平:みんなね、中国が社会主義は国家だと思っている人がいるなら、それは大間違いです。今、中国と比べたら、日本のほうが社会主義。中国は資本主義まっしぐらの状態にあるんです。ただ、中国こそ、共産主義革命をもう一度やらないといけない。

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