1月30日、山口百恵さんの特集番組「伝説のコンサート“山口百恵 1980.10.5 日本武道館”」がNHK総合で再放送されます。
40年前、人気絶頂の中での芸能界引退ということで、話題になったのが三浦友和さんとの結婚です。当時、アイドルにとっての結婚というのはある種の“タブー”でもあり、その結婚は、後のアイドル達にも大きな影響を与えることになりました。
そんな「アイドルと結婚」というテーマを考察した近藤正高さんの記事を再公開します。
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いまから40年前のきょう、1980年11月19日、歌手の山口百恵(当時21歳)が俳優・三浦友和(同28歳)と東京都港区の霊南坂教会で結婚式を挙げた。百恵はすでに10月5日の日本武道館でのファイナル・コンサートのラストで、ステージ上にマイクを置いてファンに別れを告げ、同月15日に所属事務所のホリプロの20周年記念式典で「いい日旅立ち」を歌ったのを最後に7年半の芸能活動にピリオドを打っていた。
山口百恵 1978年撮影 ©文藝春秋
同年3月に彼女が婚約とともに引退を発表したとき、人気絶頂のさなかとあって、世間からは惜しむ声が上がった。他方で、フェミニズム運動を推進する女性たちからは、引退して家庭に入ることを「堕落」と決めつけた抗議の手紙も寄せられたという(※1)。
それというのも、彼女の歌う「馬鹿にしないでよ」(「プレイバックPart2」)、「はっきりカタをつけてよ」(「絶体絶命」)、「いい加減にして、私あなたのママじゃない」(「ロックンロール・ウィドウ」)といった詞(いずれも作詞は阿木燿子)から、山口百恵=闘う女あるいは激しい女というイメージができていたからだ。