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“今こそ、民主主義の練習をしよう”−Change.orgのハリス鈴木絵美さんに聞く−

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“「変えたい」を形にする ソーシャルプラットフォーム”、Change.orgに注目が集まっている。身近な困り事から、国政レベルの社会問題まで、あらゆるテーマについて、ユーザーが「キャンペーン」を立ち上げ、ネット上で賛同者を募り、決定権を持つ人々に届けるというオンライン・ペティション(嘆願・請願)サービスだ。

すでに196カ国、2,500万人が利用しているというChange.orgの日本におけるキャンペーン・ディレクター、ハリス鈴木絵美さんに、日本におけるChange.orgの展開について話を聞いた。【取材/構成:大谷広太、村上隆則(編集部)】

「キャンペーン」の訳語が見つからなかった

―先日、米大統領選挙が終わったばかりで、日本では解散総選挙と、もうまさにそういう政治の季節ですよね。選挙とはまた違ったアプローチで、ウェブをベースに社会を変えていくというChange.orgのコンセプトは、これからますます注目が集まると思うんですけども、まず、Change.orgの日本語のローカライズが始まって4ヶ月 くらいが経ちましたね。

私は高校卒業後10年間アメリカにいて、6月に日本に戻ってから3週間前までは1人で仕事をしていました。サイトもほぼ全て自分で翻訳して、8月の頭くらいから本格的に運用し始めていいます。その間、オーストラリアでの研修にも行かなければならなくて、本当に辛うじてベータ版を出したという感じですね(笑)。今は、積極的に色んな団体や個人の方にChange.orgの利用を働きかけていますけど、1人だとやっぱり大変ですね。

日本に帰ってきて私が一番ビックリしたのは、「キャンペーン」って何?と言われたことなんですよ。「キャンペーン」っていう言葉自体定着していない。Change.orgの説明を一度すれば、「キャンペーン」ってこういうことなんだ!普通の人でもできるんだな!という事例を出せば日本人にも出来ると思いますよ。

―「キャンペーン」という単語が持つイメージは、日本では、たとえば企業が一定期間、集中して何かをやることで、もしかしたら何かが当たったり貰えたりするかもしれない、みたいなイメージですよね(笑)。言ってみれば、企業プロモーションの一環。

他の言葉がないかなって、7月中は本当に困っていたんですよ。最初は「署名活動」って言葉を使ってたんですよ、友達に見せると「地味だなあ」とか「堅いなあ」とかって言われました。私の肩書きは「キャンペーン・ディレクター」なんですよ。もちろん「キャンペーン」という言葉に商業的なイメージがあるのは分かるんだけど、あえてその「署名」という言葉を使わずにいくには、やっぱり素直に「キャンペーン」しかないよねって話になって。

最初は誰も知らないけど、いつかはこれが「キャンペーン」なんだなって分かって貰えるんじゃないかってことで、結局その言葉にしたんですけど、本当に困りました。他にアイデアがあったら是非相談に乗ってくださいよ(笑)。

―感情をアクションに落としこんでもらう時に、その行動自体を何と呼んだら良いんだろうって、よくありますよね。BLOGOSも「支持する」というボタンがついているんですよ。今でもそのラベリングが適当だったかどうかは議論があります。「Agree」にしてしまうとちょっとニュアンスが違うし、とか。

「キャンペーン」ページのボタンも、「賛同!」が良いかなとか、漢字じゃなくてカタカナの方がいいのかなとか、色々考えたんですけど、あまり凝りすぎても駄目なんですよね。ある方の気持ちに対して私は賛同しているんですよというのは、信念としては合ってると思うんですが、ただその漢字と語感がちょっと堅いかなとかって思ってしまうんですよね。「署名」という言葉はなるべく使わずにしたかったので、「署名」してるっていうと政治っぽい色が付いちゃうってことで…

―「同意」だと、ちょっと弱いですよね。”まあそう思う”、”それ賛成だけど…”程度でも押せちゃうんじゃないかなとか。Facebookの「いいね!」も、それぞれに違った感情を持ちながら「いいね!」していますよね。

「賛成」でも良いのかなって思ったんだけど、それは皆が盛り上がってるから何となく”賛成!賛成!”って言ってしまう感じがして、軽すぎるかなって。

―「別に僕は何もしないけど、とりあえず押しておく」っていう程度の温度感でも「賛成」とは言えちゃうから難しいんですよね。

そうですね。「キャンペーン」に賛同するっていうことはその「キャンペーン」が成功に導くまでのその道を一緒に辿ってくれるっていうことであって、最初にサインすることだけじゃなくて、オフラインのイベントに参加して貰ったり、Facebookでシェアして貰ったり、電話を掛けて貰ったりっていう、そういったアクションも起こしてもらえるってことで結局「賛同者」にしたんですけど、いやー日本語って本当に難しいなって思いましたね。「キャンペーン」のタイトルを考えてる時も、英語だとめちゃくちゃダイレクトに言えるのが、日本語だと微妙なニュアンスがね…難しいですよね。そういうのがすごく楽しくて仕事が充実しているなとも感じるんですけど。

―ローカライズのプライオリティで言うと、日本はどのあたりだったんですか?

今年中に20ヶ国でスタートアップしたいという目標で、ほぼデジタルとソーシャルメディアの普及度をベースにして選んでいます。結果、アジアでは日本、フィリピン、タイ、インドネシアで立ち上げることができました。南米やヨーロッパでも進めていますが、スタッフを探すのにも5~6ヶ月かかりますし、雇えるのも各国3人位までなんですよ。

日本では現時点で私を含めて2名で、来年の初めには3名まで増やしたいと思ってるんですけど、そういう投資の仕方からしてみても、Change.orgの日本への関心度は高いと思います。震災があってから社会運動に対する関心も高まっていますし、ネットリテラシーも高いし、スマホもこれだけ普及しているんだから、ポテンシャルもあると思っています。

―色んな事例が溜まってくるとやっぱり日本ではこうしたら良いんだっていう色んなノウハウが溜まってきますよね。

そうですね。勉強するのもすごく大事だと思うんですよね。Change.orgの仕事には5つのミッションがあるんですけど、その5つ目がラーニング。要は皆が勉強をしていて未知の世界だから、色々なものを記録して分析するのがすごく大事だと、特に日本だと「キャンペーン」という文化がまだないから、尚更重要だってことで重視していますね。

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