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コロナで映画収入過去最低。ネットで同時上映しない消費者無視のビジネスモデルで沈没

なぜ新作映画は映画館でしか上映しないのか?
ネットで同時に有料配信すればいいじゃないか。

コロナの影響で2020年の映画収入は過去最低を記録。2019年に比べて約半減となった。
1432億円のうち大ヒットとなった「鬼滅の刃」だけで300億円程度稼いでいるので、鬼滅の刃がなかったらさらにひどい状況だっただろう。

それにしてもまだリアル上映だけにこだわっている映画のビジネスモデルが消費者無視で完全に終わっている。

ライブだって演劇だってスポーツだってリアル観戦だけでなくネットの配信にも取り組んでいる。

ライブや演劇やスポーツは家で観戦とまるで違うリアルだからの良さがある。
しかし映画はどうだ?大画面や音がいいとかあるだろうけど家で見ても何の支障もない作品も多いはずだが、未だリアルにこだわっている。

一方ネットで映画のNetflixは絶好調だ。Netflixは登録者数2億人超え。
2020年は過去最高の370万人の有料登録者を獲得。年間売り上げが前年比24%増の約2兆5938億円を達成した。

映画館で見たいという映画館マニアな人がいるのはわかる。
でも「別に映画館じゃなくてもいいから最新作を家でみたい」
「小さな子供がいるから映画館にいけない」
「コロナの感染が心配だから家でみたい」
「映画館が遠いから家でみたい」
という層はいくらでもいるだろう。

ネットで同時に有料配信すればいいのだ。
それをしないからビジネスチャンスを逃しているだけでなく、NetflixやAmazonプライムに全部もっていかれてしまうのだ。

しかも映画館でやっている最新作などどうせ1年か2年もたてばレンタルビデオになったりAmazonプライムで配信されたりテレビで放映されたりする。

どうしても最新映画を今すぐ見なければならない理由はない。
別に1年たってからみても何も遅くはないのだから。

コロナになってAmazonプライムの映画ラインナップをみて圧倒された。
おもしろい映画がわんさか大量にある。プライム会員なら見放題だ。
わざわざコロナの最中映画館で高い金を払って最新作をみなくても、いくらでも素晴らしい名映画を何十作でも何百作でもみれるのだ。

映画館に行くことが映画を見ることだけではなくある種のエンターテイメントになることはわかる。

ここ最近映画館に行くようになったのは子供がいるからで、子供は映画に行くことによりポップコーンを食べることを楽しみにしていてそういう楽しみとしての映画館はあってもいいとは思う。

でも自分だけなら映画館に行ってわざわざ最新作を見なくてもいい。
というより何年も前の名作映画をろくにまだ見ていなくって、映画館で金と時間を使って最新作をみるより過去の名作映画を家でAmazonプライムで見た方がいい。

それこそ期待していたのはキングコングの西野氏で西野氏作品の「えんとつ町のプペル」上映を今までとは違う映画のあり方を提示してくれるんじゃないかと期待していて、冬に上映すると決めたからには緊急事態宣言が出ることなど容易に想像できたわけだから、「映画館とネットの有料上映同時にやります!」みたいな未だかつてない配信方法とかやってくれたらよかったのにと思っていたけど残念ながら映画館上映しかない。

西野氏の話はさておきほんと映画業界はもったいない。
自らビジネスチャンスを逃しているようなもの。
もちろん絶対に映画館で見なきゃいやだという映画館マニアがいるのはわかるし、家族連れやカップルのエンタメとしての映画館という用途があるのはわかるけど、多くの人は「ネットで見れるなら家でみてみたい」って人多いんじゃないのか。

とはいえ日本の映画業界が映画というコンテンツの中身より映画館という箱物をどう存続させるか視点でしか考えていないから、ネットでの同時上映配信など絶対に避けなくてはならずコロナだろうがなんだろうが映画館に来させることしか考えていない。

結果どうなったのか?
見ての通り。売上は過去最低。
NetflixやAmazonプライムにもっていかれてしまう。

さらにコロナで「映画って家でみても十分楽しめるよね」って気づいてしまった人が増えれば、コロナが収束しても映画館ビジネスは相当厳しくなるのではないか。

映画上映中は多額の宣伝費をかけているわけで、その際にネットでも見れるならネットで見る層も取り込めるのだが、映画ビジネスではなく映画館ビジネスだから消費者無視でコロナだろうが映画館で見てとしかいえないのが残念でならない。

しかもネット上映すれば日本だけでなく海外から見てもらえるチャンスも広がるのに。

でもそんなことしてるから日本の優秀な製作陣も俳優も作品もNetflixに根こそぎもってかれてしまうのだろう。

日本で既得権益を守ろうと過去のビジネスモデルにこだわっていると、GAFAと同じくぜーんぶ外資にすべてを牛耳られて終わってしまうだろう。

ただ消費者にとっては既得権益まみれで変わろうとしない日本の映画業界に期待するより、外資が仕切ってくれた方がはるかにいいコンテンツを安くどこでもいつでも見れる。

時代の変化を感じ取りコロナを機会にビジネスモデルを変えられないところはやがて淘汰されるだろう。

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