子供の貧困の現状ですよが、日本の子供の貧困率は13.5%で、7人に1人の子供が貧困状態にあります。
ここでいう貧困状態とは、当たり前の生活を営めない状態であり、例えば、3食きちんと食べられない、部活動の道具が買えないなどの状態をいいます。
こうした状況が、コロナ禍により一層厳しさを増しています。
民間団体が行った調査によると、ひとり親世帯の約7割がコロナ以前に比べて収入が減った、又は収入がゼロになったと回答しています。
また、1回の食事量や1日の食事回数が減るなど、子供たちの食事にも深刻な影響を及ぼしていることが見て取れます。
「子供の居場所」とは、家でもない、学校でもない、子供たちが安心して過ごせる第3の居場所のことで、代表例としては、「子ども食堂」や「プレーパーク」、「無料学習塾」が挙げられます。
こうした居場所は、単にご飯を食べたり、遊んだり、勉強を教えてもらうだけでなく、子供たちが地域の色々な大人と出会い、交流を持つことで、「自分は皆から愛される大切な存在なのだ」という「自己肯定感」や「生きる力」、「頑張る力」を育む場となっています。
また、子供だけでなく、その親とも繋がることで、困りごとの相談に乗り、必要に応じて行政窓口に繋ぐなど、様々な役割を果たしてくれています。
そうした子供の居場所づくりに取り組む団体の方々は、コロナ禍においても、子供たちのために様々な工夫をして活動を継続しています。
本来、「密」であることこそが子ども食堂の良さでしたが、新型コロナ流行後は「食堂」としての活動を控え、お弁当を作って配布するところが多くなっています。
お弁当の配布に際しては、3密を避けるためにドライブスルー方式で行うなどの工夫をしながら実施しています。
また、密になりにくい屋外で子ども食堂を行っている団体もあります。
収穫体験やプレーパークとコラボすることで子供たちに様々な体験の場を提供できるなど、まさにコロナ禍を逆手に取った素晴らしいアイデアが見られます。
そして、近年、埼玉県では生活に困窮するひとり親世帯などに無償で食材を配布するフードパントリー活動を行う団体が急増しています。
1年前には10団体でしたが、コロナ禍で必要性が高まったこともあり、今では約4倍の43団体にまで増加しています。
埼玉県では、子どもの居場所づくり活動を行う団体がコロナ禍の中でも活動を継続できるよう、様々な支援を行っています。
1点目は「活動継続に向けた支援」として、例えば、昨年の緊急事態宣言に伴う一斉休校の際に、余剰となった給食食材37トンをマッチングしたことに加え、そうした食材を保管するため、県から県社会福祉協議会に働き掛け、同協議会が設置している基金を活用して大型冷凍庫20台を子ども食堂等に寄贈しました。
また、家庭で余っている食材を持ち寄ってもらうフードドライブ活動を県庁で行い、これまでに約4千点、900キロの食材を子ども食堂やフードパントリーに寄贈しました。
2点目は「マッチング支援」として、社会貢献活動の一環として子供の居場所づくり活動への支援を行いたいという意向を持った企業と各団体のマッチングを行っています。
その結果、例えば、食品スーパーなどから、各団体が活動する上で欠かせないお米や野菜を定期的に提供していただくなどの支援につながっています。
また、各団体から、寄附された食材を運搬する手段の確保が課題であるとの意見があったことから、Facebook上で輸送支援を行う意向のある企業や個人を募集し、団体に紹介しました。
3点目は「新規立ち上げ支援」として、アドバイザーの派遣を行っています。
既に子ども食堂等の活動を実践している方や、衛生管理の専門家など41の団体、個人を埼玉県のアドバイザーとして任命し、新たに立ち上げをしようと考えている方のもとに派遣しています。
今年度は、これまでに132回派遣し、25団体の立上げにつながっています。
また、子供の居場所を新たに立ち上げるには、一定の経費も必要であることから、埼玉県社会福祉協議会が設置している「こども食堂応援基金」や「浦和競馬こども基金」を活用して、91団体に対して1,037万円の助成を行いました。
未来の宝である子供たちを誰ひとり取り残さないために、埼玉県としては今後も子供の居場所づくり活動を全力で支援していきます。
コロナ禍の中で活動を続けていくには、県民の皆様の支援が何より必要です。
個人や企業の皆さまとして、子供の居場所づくり活動への支援をお考えの際は、埼玉県の少子政策課に御連絡いただければ、支援を必要とする団体にお繋ぎします。
また、金銭の御寄附をお考えの方は、埼玉県社会福祉協議会が設置している「こども食堂応援基金」で寄附をお受けしています。
コロナ禍の中でも子供たちのために頑張って活動している団体に、皆様の思いをしっかりとお届けしていきます。